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キングダム考察 71巻 羌礼がこの先羌瘣の助け舟的な役割を本編で続けられるのか

【考察その24】

71巻のおまけ漫画。。。
ネタバレ盛大にかましてます。


純粋に、本編で羌瘣がほとんどお目見えしていない展開の中だったので
プロポーズ後の羌瘣を作者様が描いてくれたことは嬉しかったものの、
色んな意味でぶっ飛んだ伏線が張られまくっており、
めちゃくちゃビビりました。。。
70巻のおまけ漫画↓のようにお気軽系ではなかった!。苦笑


本当は羌瘣側の伏線の方を、立場的に触れておくべきなんでしょうけど笑
礼側の描写がとにかく衝撃的すぎて、勢いで今書いております(笑)。


・・・これですよ、

「で、何じゃ話って」
誰か殺してほしい奴がおるのか?
(71巻231ページ)


・・・そこかーい!!(苦笑)


いえ正直な話、私のツボはここでした。
このにこやかな表情が素でサイコパスだと思いました(爆)。
何度反芻してにやけたことか(笑)。



考察:「蚩尤」である羌礼


彼女が直前のページ(230ページ)で自らリマインドしてくださってますが(笑)
もうすっかり記憶から抜けちゃってましたが(爆)
そう、闇世界で千年も前から魔物と恐れられた幻の一族(8巻163ページ)の
「現・蚩尤」さまなのですよ。


本来は蚩尤としていずれかの国のお抱えとなって、
その蚩尤を輩出した一族を繁栄させるような(33巻148ページ)
役割を担っているはずだったのです。


その役割を放棄し、「一族の裏切り者」である羌瘣の下について
今は兵士として戦争なんかに参加しているわけで、
以前から少し、羌礼は現在羌族の里とどのような接触をしているのか
気にはなっており、↓の記事後半で少し触れたこともありました。


今回のおまけ漫画を読んでから、
礼は実は飛信隊の中でこんな感じで営業(笑)をやっていて、
儲けをちまちま里に送っていたのか?、とか
余計なことを考えてしまった。。。

もっとも昂は兵卒(だよね?)ですし大した稼ぎはないはずなので
伝説の「蚩尤」様として見合う報酬も得られないはずなんですけどね。
そこまで切羽詰まった状況に蚩尤として追いやられているとしたら
何だか気の毒に思えてきた(苦笑)。


考察:昂と羌礼の恋愛的な絡みについて


はい、茶番はこのくらいまでにして(笑)、本題に入るとします。


確かにこの二人の「恋愛」的な絡みは本編には本当に関係がない(爆)ので
おまけ漫画の位置付けで進められるところは進めておく、
なのには納得です。


昂については礼が登場当初から、
礼に対して特に気をかけている描写が多かったことは既知のことでした。
ちゃんとどのタイミングからかを書くのが本来なのかもですが
面倒なので省略します。(ひどい)

昂から礼への矢印はかなり分かりやすくて、
肥下戦敗走前で殿として見送る前の声がけ(69巻49ページ)だったり、

その後、水場で殿がもういないと伝えられた時の
動揺(142・143ページ)だったり、

そしてその「追いつかないかもしれない」殿を
信と一緒に待ったり(144ページ)、

追いついた殿で誰よりも先に羌礼に声をかけたり(149ページ)
してました。


そして実は羌礼が出てくる前から、
羌瘣から直に羌族の技?を教えてもらっている描写も多かったです。

28巻おまけ漫画(208ページ)では強面の狼牙
(この人まだいるんだろうか笑)に理不尽に殴られかかった際に
咄嗟に関節技を決めたり、

35巻おまけ漫画(209ページ)では他の人たちを差し置いて
特別?に直接羌瘣に関節技を教えてもらっている様子も描かれたり、

まだ礼が蚩尤の闇の中で苦しんでいる頃、
嘔吐する礼に近寄れたのも羌瘣から教えてもらっていた
「音消しの術」があったからでした。(61巻151ページ)

羌族と比較的馴染みやすい体質(笑)だった伏線は
結構長期に渡って抱え続けていたキャラクターだっんですよね。


そもそも昂って何歳なんだろう?
初登場は強制徴兵で戦争に無理矢理参戦させられた馬陽攻防戦の進軍時、
尾平が元上官の澤伍長と挨拶している時に「だいぶ頼りねー」と
空気読まないこと言ったやつですよね多分(11巻44ページ)。

信よりは流石に年下だとは思うのですが、
この頃信は15歳だったことを考えると、下手すると信と同い年くらいで、
年下でもせいぜい2歳くらいしか違わないはず。
流石に12歳以下は強制徴兵の対象にはせんでしょう。。。

そう考えると昂も結婚を考えるお年頃なのには納得です。


尾平の婚礼時、そう言えば昂はほぼ尾平のそばにいた描写で、
礼と全然絡まないなーとちょっと気にはなってたんです。
昂はキャラ的に、礼装した礼(ややこしい笑)に会ったなら
絶対に「素敵」とか「可愛い」とかを黙っていられないはずなので。

そうか、密かにそんなこと思ってたんだね、と微笑ましく思えたのでした。


個人的には城戸村3人衆(笑)のイケメンポジション(笑)慶が
なんでずっと独り身なのかがとっても気になってます。


一方で、礼について。


以前羌族の蚩尤候補選定基準についてを考察した際、
羌礼の背景を合わせて考えたことがありました。

上の考察を未読の方にはぶっ飛んだ内容なので詳細は書きませんが
(興味ある方は読んでみてください笑)

簡単に言うと、羌礼は羌瘣と異なり、
性知識を結構正確な形で理解し、その上で興味を持っていた
と言うことを想定しています。


上リンクの記事でも書いた、その確証は、
実際、羌瘣が外の世界から情報入手のため一旦里に戻った際、
「男とはもうやったのか?、助平なことを」
(16巻おまけ漫画206ページ)と訊ねたり、
羌瘣が信に告白した際、即座に
「結婚じゃ、なんなら今ここで」(62巻38ページ)と揶揄ったりと
性の興味が満々なのも見え見えですが(笑)
(「今ここで」何をさせる気で、その間キミは
 どうするつもりだったのか密かに気になっているワイ笑)

信への告白時には「男女として進展は望まない」と言う羌瘣に
即座に「なんで!?」と訊ねており(62巻41ページ)、
これは男女の営みが人間として自然なものという
性の知識があったからに他ならないでしょう。

羌瘣が「結婚」の意識を持ったのは
信を好きだからと言う前提があってこそですが、
一方で羌礼は、知識が先行して頭に入った流れで
漠然と結婚に対してどういうものか・どうあるべきかと
思い描いていたものがすでにあった
のかもしれません。


そして、礼が昂のことを結婚対象と思っていたか
これが今回の重要なポイントになるでしょう。


昂は、礼が羌瘣といない時には一番傍に存在してたポジション
ではありました。

宜安戦前、太原軍を待つ飛信隊ではカエル(?)を調理する礼を
昂が手伝っているシーン(65巻195ページ)もありましたが、
礼は「うっさいのー」とあまり頼りにはしておらず、

平陽戦で桓騎が大量虐殺を行った悪い気を受けて嘔吐する礼が
昂に介助をお願いするも、背中の摩り方が「ちょっと違う」
(64巻135ページ)と、結構な「頼りにならない」感が出てました。


一方で、肥下戦敗走での昂が殿の見送りで
「絶対死んじゃダメだよ」と礼に声をかけた際(69巻49ページ)、
「・・・」と一瞬何かを礼は考えてたようでした。

その後「歩兵が早く逃げるのが殿を一番助けるんだ」と伝えますが、
礼は本当はストレートに「お前は足手纏いだ」と
言いたかったのだと思います。
ただ、今まで頼りにならないにも関わらず気を遣ってくれていた蓄積は
きっと礼の心にもあったのでしょう、本音をオブラートに包み、
自分の役に立ってくれとお願いする形で伝える気遣いを見せてくれました。


その後、遅れて追いついた水場での再会時、昂に肩を掴まれて、
少し礼の頬が紅潮してました(149ページ)。

「大丈夫?、怪我とかは(ない)!?」と問われた返しで
「こんなの怪我のうちに入らぬ」と礼は言いました。
どんな怪我をしていたのかは結局わからないものの、
別れる前の「死んじゃダメだ」もそうでしたが
明らかに武力の意味で格下(笑)の立場から心配を受けたことと相まった、
「体を触られる」行為への照れにより、
「体は大丈夫」と主張したい現れだったのかもしれません。

ですがここのシーンに関しては、以前の考察↓でも触れたのですが、
本隊への合流直後、礼は昂よりも先に信を目にしていて(147ページ)、
その際信の視線が羌瘣にロックオンされているのに気がつき、
想像力逞しいであろう羌礼さん(笑)は、
その後の展開を予想できていたからなのも紅潮の一因だったと、
私は思っています(笑)。

二人がハグした瞬間、
礼だけが驚きの表情じゃなかった(151ページ)のが一応その根拠です笑。


肥下戦敗走時のここ一連で、昂に対し、
思いやりの気持ちを表したり、照れを見せるようになったりと、
意識的な変化はあったんだと思うのですが、
決め手と言うには後一歩なんだよなーと言うのが正直なところです。


今回のおまけ漫画でも、
「(食い物持ってないなら)なんだ使えんな」(71巻231ページ)
などと言い放ち、
その後「ハハ、ごめんね」「ハハ冗談じゃ」と
スムーズに会話が続いているのは、
「礼が昂に対して頼りにならないネタの会話を日常的にしている」
ということであり、
肥下戦敗走時を経てもなおこの関係性が継続していると言うことは
これがもう二人の関係の土台なのでしょう。

すなわちその後のページで昂にプロポーズされた直後、
「え?」「えーーーー!!」「・・・はぁ!?」(232ページ)
と本気で驚いているのは、
礼にとって昂との結婚は想定外だったからだと思います。


おそらくそのことは、昂自身も自覚があったのでしょう。
「じゃ!、また!」と逃げるようにその場を去ったのは、
きっと礼がいい反応をしないことが分かっていたからでしょう。


礼側の矢印がこの結果どうなったのかまでは
おまけ漫画では描かれませんでした。
ただ現在の礼の動揺は、「元々持っていた結婚観」と、
「実際に表面に見えてしまった結婚」とのギャップ
に苦しんでいるのかな、
と見て取れます。

どうでも良い相手だったらもちろん簡単に流せたでしょう。
むしろ自分が思いやりを見せたかったり、
情けない頼み(蚩尤としての仕事の伺い笑)が出来たりと、
比較的気を許せる相手だったからこそ、複雑な思いがあるのだと思います。
(後者は流石に違うか笑)


考察:礼の今後の立ち位置


SNSで先に小出しにしちゃったネタになります。
実はこのツイートが今回の記事を書いたきっかけでした。


今回のことで即座に「昂と礼が結婚!」とは
ならないとは思うのですが(笑)
礼が今まで羌瘣のことを思って行動していたことが、
「自分ごと」を考えるようになることで、
羌瘣と信の橋渡し役を降りてしまうのではないかということを、
私はものすごく心配しています。

羌瘣はもちろん信も、↑の記事でも触れましたが、
二人が付き合う中での礼の役割は大きいと考えていると私は思っており、
二人のこれからの進展は礼が絡んでくれることが前提だったので、
もしなくなったら進展もどうなっちゃうんだろうと
不安で仕方ありません(涙)。


羌礼は作品中おそらく一番自己顕示欲が高い設定だと思います。
礼は、自分が主役の人生を誰よりも強く謳歌していきたいはずでしょう。


礼が事前に「結婚はこう言うもの」と言うイメージを持っていたならば、
お互いが好きな気持ちから自然に発展していこうとしている「結婚」
悩んでいる羌瘣のことを、とても羨ましいと感じるはずです。


上記リンクの記事前半で、
信と羌瘣がお互いを想い合っていることが分かる返事を想定した質問を
礼が日常的に二人に対して行っていると考察していました。
その動機は二人のためではもちろんなく(笑)、
とは言っても揶揄うのが面白いからでもなく、
二人が想い合うことで見え隠れする「幸せ」のおこぼれが
礼にとっても心地いいものだったからだと思います。


一方、今回のおまけ漫画の中の最初の手合わせで、
「結婚」と言わされている時の礼の顔(71巻230〜231ページ)、
城戸村へ信らと3人で向かっている最中に信を揶揄っている時
(70巻183ページ)と一緒のからかいの顔ではあるのですが、
なんか、面白くなさそうな表情でした。

どちらかと言うと羌瘣の信への告白後、天幕で羌瘣が
「余計なことを考えたら弱くなるのではなく、
余計なことを考えても二人はずっと強いと言うことかな?」
と礼に対してこぼした時(62巻110ページ)、
「知らん」と言った時の礼の顔に近いです。

そもそも今回、「結婚」のワードで気がそれているだけで、
それを「弱くなる」ことと勘違いし、
「ダメだ、やっぱり私は(結婚を考えると)弱くなってしまう!」
と、頓珍漢な方向で悩んでいる(笑)羌瘣に対し、
礼は「・・・あ、そう言うこと」と、一歩引いて、
犬も食わぬ的な無関心さを装ってました。
それは、羨ましさの片鱗にも、見えなくもないです。
礼からすると「なんつーくだらんことで悩んどるんじゃ」、でしょう。

なお、その後の礼がプロポーズを受けた後の手合わせ(232ページ)では
羌瘣は「結婚」と聞いても動揺していません。
そりゃ、何度もやってりゃ、耳も慣れるでしょう(笑)。
そしてこの時の礼は「結婚」ワードが自分ごとになっており、
口に出すことで自分が動揺してしまっており、
羌瘣が勝てたのはそれも一因であったに他なりません。

礼的にも単なる「からかい」の手合わせではなくなっていた今回は、
「(弱くなることを)乗り越えられた!」と喜ぶ羌瘣に対し、
礼も「いや、多分違うと思う」と本音の意見を言ったのでしょう。


あと、楽華隊の愛閃を「色男」(67巻62ページ)と評する
礼の美的感覚的には、信は「ブ男」(62巻38ページ)では
あるかもしれませんが(失礼な!笑)
(愛閃のそれは別の意味合いだった気もしますが笑)
少なくとも「将軍」と言う、財も民も地位も一般の人よりも
とてつもなく多く持っている男が羌瘣の「相手」
です。

自分は正当に「蚩尤」として里を出て外の世界で生きているのに。
羌瘣は、掟をやぶっている裏切り者のはずなのに、
自身の財や地位だけではなく、結婚を考えている相手すらも、
明らかに自分よりも上に立っている意味でも、
羌瘣を羨ましく感じるはずです。

人間が小さいとかそう言う問題ではなく、
あらかじめ「理想」がある場合では、ごく自然の考えだと思います。


礼のそういう「羨ましい」感情で
前のように羌瘣と接することが出来なくなる
のは、
礼の性質と今の流れではどうしても発生してしまうと思っています。


望みがあるとするならば、
「礼が昂のことをものすごく好きになる」イベントが
今後発生すること
です。

愛があれば上辺の身分や財などは関係なくなる、はず(笑)。


祭の前、礼は識に

「(もし外に出たら)子犬を飼いたい」(62巻7ページ)

と語っていました。


それはもしかして礼の「理想の結婚」の象徴である伏線で、

昂のように子犬のように懐いてくれる人と一緒にいることが
本当の幸せだと感じる・・・、みたいな感じ。
(そっちかい!笑)


個人的に、礼はどうしても羌瘣と離れて欲しくないです。
そっち方面の流れになることを祈るばかりです。


終わりに


礼が羌瘣から離れて欲しくないのは、
羌瘣が「羌族の村との確執を持っている」のもあります。

この確執は個人的に、最終回までに解決してくれると信じております。
最終回後のエピローグでもいいよ(笑)。

それは、羌族から正式に外の世界に出てきた羌礼が、
外の世界で立身出世した「掟を破っている裏切り者」に仕える形で
村と羌瘣を繋いでくれるのが、自然な解決方法ではないですか?。


本編の「羌瘣・羌礼」の二人の関係性
祈るような気持ちで見守っていきたいと思います。

頑張れ、昂!!


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