後半:キングダム考察58巻 羌瘣が発動&達成した禁術の「寿命半分」のエビデンスはない、寿命が縮んだ真相は別にあり
【考察その5:後半】
前半では、羌瘣が禁術で失った寿命は「半分」ではないことについて、
その根拠の説明をしてきました。
後半では、具体的にどのくらいの長さの寿命を、
禁術の中のどんな要因で縮めてしまったのか考察します。
ここからはもっと一層強引な解釈になってます、ご了承を・・・。
考察:羌瘣が失った寿命の具体的な量と、それを引き起こした直接的な原因
ポイント:禁術で「捧げた命」と、実際に「削られた命」の関係
前半の考察の通り、
羌瘣が禁術で使用を許された寿命の総数は「全部」でした。
そして実際、信を白い穴に突き飛ばす(禁術を成功させる)行動の後、
沼に沈んでいく描写となっており(143ページ)、
このことから羌瘣はこの禁術で、
捧げた寿命全てを限界まで使ってしまった、と考えられます。
それでも、結果的に仲間(松佐と去亥)の力に助けられ、
ラッキーにも「禁術達成」を果たし、生還することが出来ました。
ですが。
「全部」命の力を使い切ったはずなのに、
現世に戻ってみれば
「寿命を大幅に失ってしまった
(でも普通の人並みに生きれる寿命は残っていた)」
に留まっています。
「間の世界で使用した寿命の量」と
「成功して戻った場合に削られてる寿命の量」は一致しないようです。
一方、失敗した場合は、
幽連が言ってたエビデンス(前半考察参照)の通り、
「間の世界で使用した寿命の量」
=「失敗して戻った場合に削られてる寿命の量」
となっており単純なようです。
このことから、ラッキーでもなんでもどう言う形ででも
術者が戻り、「禁術成功」のフラグが上がった瞬間、
間の世界で使用した命は全て戻ってくる(!)仕組みに
なっているんじゃないかな、と言う大胆な考察をしちゃいました。
カジノでの掛け金と同じような仕組みと言えばわかりやすいかな。
現に、白い穴に放り込まれて再び天地の間に戻って来た際、
羌瘣は間の世界のダメージを全く感じさせず、
羌象とケロッとした表情で会話してましたよね。
そもそも、白い穴(白い橋)を「盤古の橋」と言う表現にしている
意味を考えた時に、そのくらいの大胆な補正をしてくれても
不思議じゃないかな、なんて思うのです笑。
(「考察その4」をご参照ください)
ほとんど達成見込みない禁術の成功だよ。
この成功で天地創造の道開いちゃうんよ。
特別扱いにしてもやりすぎじゃないんじゃないかしら笑。
ポイント:実際に羌瘣の命を削っていた本当の原因について
じゃ「何が」羌瘣の寿命を「大幅に削った」の?と言うことについてです。
まず、羌瘣は現世に戻った後、いつもならとっくに
治るはずな時間が経ってもしばらく寝っぱなしだったり(59巻93ページ)、
その後1年くらい経っても体の気の道がズタズタになっていて
寝てばかりだった(61巻100ページ)、との描写がありました。
当初はここの描写は
「寿命が削れた(原因)から、気の道がズタズタ(結果)になっている」
と捉えてしまってました。
ただ、「寿命を削る」と言う意味について、
ワ●ピースでペ●ロがビック●ムとの交渉に使ったように
(分からない人すみません😅)
生身の体はそのままに、「○年づつ生きる時間が減っていく」
よう私は捉えてもいました。
禁術を実施して、もちろん、
禁術の代償は避けられないのは前提でしょう。
でも、すでに「命を削る」制裁を受けているはずなのに、
それに加えてこんなにダメージ食らうほどの後遺症もついてくるの?、
と言うことがとても引っかかりました。
この不自然なくらい、
羌瘣の禁術による影響の引き摺り方が大きかったことが、
実は「気の道ズタズタ」が「寿命が削れた後遺症」ではなく、
「原因」と「結果」を入れ替えた、
「気のズタズタダメージそのものが寿命を縮めた原因になっている」
の考えに及んだ理由です。
一方で、何で気の道がズタズタになったのかと言うことですが、
これはおそらく禁術の一連の流れの中で
ズタズタになる原因があったのでしょう。
「禁術中」のダメージは先に成功報酬として相殺する前提にしたので、
現世との接点でもある
「禁術に入る時」または「禁術から出る時」が該当するかもしれません。
「禁術に入る時」に羌瘣自身、
2人の気を「開いて繋げる」必要があると述べていました。
(58巻113ページ)
「禁術から出る時」は、自分の力は使っておらず、
松佐と去亥に「ポイ」っと穴に放り投げられる(58巻145ページ)
形で先に進みました。
「通常やらない気の結合」および「主体的に他者に気を放られた」
それらの気の通し方は、例えば、
道のない森を、ブルドーザーとかで木々を無理矢理薙ぎ倒し
道を作りながら進むような強引な気の通し方であって、
その影響で、現世で復旧がとても困難な「ズタボロになった気の道」
となったのではないでしょうか。
それは羌瘣くらい深い瞑想を行う者でも
一朝一夕で繋ぎ直せるレベルではなく、
むしろ何日かけてもせいぜい仮繋ぎしかできないズタボロさでした。
おそらく普通の蚩尤族の人間だったら
きっと仮繋ぎすらままならない状態だったのかもしれません。
かなり前に遡りますが、羌瘣が河了貂と初めて会話したとき、
河了貂に蚩尤の技の教えを請われた際、羌瘣は
と言ってます。
きっと正しく気を操り、
蚩尤族の呼吸ができることが蚩尤族となる決め手の条件なのでしょう。
禁術の結果、そんな散々なズタボロな気の道となっては到底、
本来の蚩尤族としての呼吸は不可能と羌象は見なしたんでしょう。
蚩尤族として命を捧げることを自分達の運命として生きていた羌象たち。
「蚩尤族としての呼吸が出来ない」ことを羌象は
「命(=自分たちの蚩尤族としてのさだめ)の火(=力)が弱くなった」
(58巻156ページ)と表現し、
「蚩尤族としての呼吸が出来ない」ならば当然
「もう禁術は使えない」し、
「他の術も使えないか弱くなったかもしれない」ことでしょう。
よって、羌象が
「寿命が縮んでしまった」(58巻156ページ)と言ったのは、
「蚩尤族の呼吸ができない体になった」
と言う意味で言ったんだと思います。
そのため、蚩尤族としての長い寿命ではなく、
普通の呼吸しかできない普通の人(一般人)くらいの寿命に
結果的に縮んでしまった。
・・・と言うことではないでしょうか。
筋、通ってますよね。
結構、あり得ると思いません?。
この考察の確証は、既出の「一つ目のいいこと」の原作での言及を
羌象ではなく羌瘣がしていたことでした。
羌象はこの話を話す時に
「ここ(=天地の間の門戸)での話は戻ると忘れやすい」
(58巻157ページ)と言っており、
実際の言及も作中では1コマも使っていないくらい
刹那の時間だったと思われる(笑)にもかかわらず、
羌瘣はこの1つ目のいいことの説明を、
ダラダラと62巻39ページ最後のコマから次ページのもう1コマ、
計2コマも使って説明しています。
人間が「伝言ゲーム」を100%達成することが出来ないのは、
人間は、記憶に都合の良いポイントしか記憶が出来ず、
その他はその個人の脳に都合が良い情報で補完されるだけだから、
だそうです。
ただでさえ記憶しづらい環境で聞いた内容について、
羌瘣がだらだら言っている記憶の内容が、
一言一句全て間違わずに覚えていたものとはとても考えづらいです。
むしろ、羌瘣が実際覚えている、
あるいは羌象が実際に伝えたのはピンポイントに、
「他の人間並みの寿命は生きられる」と言うことだけであり、
その他は、
「呼吸法を極める蚩尤族は寿命が長い」
「私(羌瘣)は蚩尤族でも特に呼吸法を極めている」
「↑だから寿命も私(羌瘣)は誰よりも長かったはず」
「間の世界の沼でゴリゴリ寿命を吸い取られていた」
「でも吸い取られきる前に松佐たちが救ってくれ命が残っていた」
と言う、
いずれも羌瘣にとって都合の良い事実によって
脳内補完された可能性の方が高いと思われます。
ただ、羌瘣は彼女の中で矛盾のない理論だてが出来ていたので、
「はっきり覚えている」(39ページ)ことにしたのでしょう。
んでですね、つーことわ、ですよ。
これを聞いたのが禁術から出る直前で、
まさか羌象は、羌瘣がこの先羌礼と出会い、
礼に気の道を繋いでもらう(62巻35ページ)ことを
想定もしていない時にこれを伝えてるんですよね。
だから、礼に気の道を繋いでもらった今の羌瘣だったら、
また蚩尤族の呼吸が出来るようになったわけですから、
再び寿命が復活している、とかもあり得るんじゃないですか!!??。
・・・いいな、この考察(笑)。
うん、そう言うことにします、私の中では(笑)。
考察まとめ
しつこいですが後半の考察は本当に、
色んな考察を色々めちゃくちゃ考え、何回も書き直しました。
最後まで「失敗例」の命の削られ方に引っ張られ、
途中で言及した、羌瘣の脳内補完の元ネタとなった事実
「間の世界の沼でゴリゴリ寿命を吸い取られていた」けど
「完全に吸い取られる前に松佐たちが救ってくれて残ってた命」
路線の考察も直前まで候補となっておりました。
ただそっちではどうしても寿命が、
なんで都合良く「人並みの寿命になった」かが
どうしても理論的に説明できず・・・。
だって、一人で起き上がれないくらいにボロボロに吸い取られてたじゃん。
あれで戻ってこれたとしても余命2年とかじゃね?。
気の道ズタズタな後遺症が残った分をペナルティとして
寿命に足してくれるにもそんなにいっぱい足してくれる感じなの?、
しかも実際寝っぱなしな状態のボロボロさでホントに
人並みの寿命って言えるの?
・・・ってな感じ。
おそらく羌礼が「成功しようが失敗しようが術者は大幅に寿命を失う」
(61巻169ページ)と言っていることが
「成功例も失敗例も同じ方法で寿命が削られる」
と思い込む鎖になってたんでしょうね。
蚩尤族が禁術を教えられるときは、実際の結果の伝承はない
(だって成功例はない)から、どっちも「大幅に命は削られる」
と言う結果は同じだ(どのように削られるかは置いといて)、
となっちゃうんでしょうね。
ところで今回ここまでは、話を進めるために、失敗と成功の命を
削る理由を違う前提にしちゃったのですが、
この理論だったら失敗者も禁術発動時に気の道がズタズタに
なっちゃってるっぽいし、案外失敗者の寿命が縮んだ原因も実は
こっちだったのかもしれないな、とも感じております。
たまたまエビデンスの失敗者はそれが寿命半分くらいの量だった、
みたいな感じで。
・・・もうこれ以上、あったかどうか自体作中分かっていない
失敗者について深堀するのも何だし、
気が付かなかったことにしておきます。(苦笑)
ともあれ、強引すぎましたが、
自分自身が腹落ちできてホッとしております。
以上、相変わらず強く逞しい羌瘣であってほしいが故(笑)の考察でした。
少なくとも前半記事「半分寿命が減った」に関しては
論破できているんじゃないかな?、とは思ってます。
いかがでしょうかね??