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キングダム考察769話 岳雷の後任黒飛麃隊長が満童となって現れた、飛信隊の大将軍軍隊への変化

【考察その7】

本誌ネタバレ記事になります。


今までガッツリ重い考察を書いてきてますが、
実は用意していたネタはもう尽きてしまいました笑。

で、次の(羌瘣ネタ笑)考察も着手し始めてはいるのですが、
しっかり重くなる感じで、
もともとやっていたSNSも放置しっぱなしで
そろそろ戻らないといけないし苦笑、
新考察記事のアップはちょっと先になりそうです。

ですが、たまたま本誌でタイムリーな小ネタがあったので、
先にそちらをプチ考察として書いてみました。
サクッと流し見ていただければ幸いです。
(と言いつつも結構なボリュームになった苦笑)



考察:岳雷と満童の違いについて


まずはっきり言いたいのは、
岳雷と満童は全く性質の異なる、真逆の立ち位置の存在
であるということです。


その前提として、岳雷の人となりに触れてみます。


岳雷が飛信隊に入ったのは、麃公将軍が殉死した合従軍戦後でした。

・・・さらっと書いてますが、そこそこすごい状況ですよ。

直前まで同じ階級の千人将、でも歳は全然若造の信が、
自分が仕えていた将が亡くなった戦争の功績で
自分の階級をまさに追い抜いたタイミングで、です。


ただでさえ心の主柱をなくした傷心の中、
麃公将軍に仕えていた多くのものたちが快く思っていなかった
信の元へ行くことは、
実質的なかつての同胞との離別でもありました。

実際自身が千人将だったにも関わらず、着いてきた部下は500人だけ。

大将軍直下の安定的な組織から、どこの馬の骨か分からぬ
後ろ盾ない若造の独立遊軍三千人隊への異動なんて、
どう見ても秦軍と言う大きな括りでは
栄転ではなく左遷
のような立ち位置でしょう。


本人は飛信隊に入ったことに「大した理由はない」(33巻124ページ)
とは言ってますが、きっと心の中で「麃公将軍の意志を継ぐ」
曲げられない確固たる信念があり、
自分のプライドや孤立がむしろ「大した」ことではなく、
大事だったのは自分の信念を貫いた行動だったんでしょう。

彼の信念の強さと行動力、そしてその運命を当然のものと受け入れる
度量の大きさはまさに信が見習うべき「大人の漢」であったと思います。

楚水「ここの若さに驚いたでしょう。」
岳雷「いや、大体こんなものだ、台頭してゆく漢や隊というものは。」
(33巻130ページ)

・・・名言です(感涙)。


ただ岳雷は目立って信と絡むシーンがあまりなく、初登場以降は
どちらかと言うと我呂の補佐?ポジション的な位置づけでした。

数少ないエピソードのなか、印象的だったのは、
弓矢兄弟が入隊する時、彼らの父蒼源の死に関わったと、
息子くらいの歳(多分?)の兄弟に頭を下げたシーンです。
(46巻11ページ)

同じ流れの中で仁が、飛信隊の隊長が
「飛矢のように真っすぐ」の噂を聞いて入隊したいと思った、
と言った際即座に「それは間違いない」と
お墨付きを与えてくれたのも岳雷その人でした。(13ページ)


目下だろうが年下だろうが、信念にたがわないならば、
敬意を表明したり詫びを入れたりすることを露も厭わず、
一つ引いたところで大人な態度を見せる、まさに
「お父さん」的な立ち位置の人物でした。


また、魏の著雍戦において、作戦会議の後の朝食の点呼を信が取った時、

信「食うやつ!」
羌瘣「大盛り(キリッ)」
渕「私も(キリッ)」
岳雷「特盛りで(ポッ)」
我呂(多分)「・・・(汗)」

のくだり(笑)。(36巻193ページ)

場の空気を和ませる愛嬌もあった、とても愛すべきキャラでした。
(多分本当に特盛が食べたかったんだとは思いますが笑。)


・・・書いているうちに、あらためて、
本当に亡くなってしまったことが悔やまれ、
悲しくなってきてしまった(涙)。。。


一方で、新入りの満童について。

我呂が全然尊敬のかけらももっていない時点でお察しですが、
岳雷とは全然違う人格の人間がやってきた印象です。

・「元上官」であることを引っ張って偉ぶる
・いまだに麃公将軍のお気に入りの信は嫌いと言ってる
・飛信隊に入る大義名分がないと入りたいと言えない
と言う、旧時代を思わすツンデレおじさんであることが見え見えです。
(71巻10ページ)

こちらはまだ1ページくらいの描写しかないのでこんなものです。


考察:新加入メンバー共通の特徴


飛信隊では宜安戦の後、
この戦いで失った将の補充のほか、45巻190ページ〜かのように、
新兵募集の試験があったようでした。

飛信隊が秦軍の中でも人気のある軍であることは
直前の城戸村編で尾平の父ちゃんも言ってましたし
(70巻190ページ)、

実際に王や総司令の昌平君から命を直々に受けるような
(71巻22ページ)信頼性の高い軍でもあることで、

今頃から入隊希望する人員は、実力は高いものの、
隊のために戦いたい熱血漢タイプよりも、
出世目的や人気を得たい、己の利益優先な人の方が
もう多い
のかもしれません。

少なくとも今回新加入としてピックアップされたメンバーは
そのことを現している象徴のように思えました。


新メンバー、力自慢の衛斗・槍使いの松魁2人を、
弓矢兄弟・特に仁の、入隊時の態度を比較してみます。
(仁ではなく干斗らこの時期加入メンバーでももちろんいいのですが)


仁は、飛信隊の隊長・信の噂を聞いて、信に憧れに膨らませながらも、

「なんとしてもあこがれのこの隊に入るんだ!」(45巻191ページ)

と、隊員として戦うことを、
戦いをまだ知らないのに望んで入っていました。
信に会って、本人だと分かってなくても最初「隊員」ってだけで
興奮してましたよね笑。


一方今回の新メンバー2名は、
戦うことの意味はもう実戦経験がありわかってはいるはずですが、
信本人を目の前にして頬を少し紅潮させて「本物だ」と呟いており
(71巻8ページ)
入隊が決まってからもどこかミーハー感が抜けてない
感じです。

まだ描写が少なく分かりませんが
「人気者に会いたかった」「人気にあやかりたい」みたいな
手段としての加入に見えます。

なお弓矢兄弟でも淡は最初羌瘣と河了貂
(49巻おまけ漫画では楊端和にも笑)に対して
ミーハー感バリバリだったよね笑。
だから戦う覚悟が仁より遅くなったんだな。
あと、羌瘣隊は間違いなく最初からほぼミーハー野郎だらけだな笑


満童の描写は、多分一般的な「麃公兵」の象徴なんでしょう。
彼が引き連れて来た元麃公兵も、
彼のような価値観を持っている人だらけであるのが想像に難くありません。

満童こそ岳雷との縁が参戦の後押しかもしれませんが、
合従軍以降約9年、その間ずっと日和見的な戦の参戦では
生活が苦しい将が実は多くて、安定的に多く稼げそうな飛信隊加入は
兵たちにとっては渡りに船だったのかもしれません。


考察:退場キャラと新加入キャラの違いと影響


信が以前、まだ五千人将だった時、朱海平原で飛ばした檄の中で、

「天下の大将軍になった時、
その軍勢の中心となるのはここにいるお前達だ」(53巻189ページ)

と言った、このフラグ回収が今回顕在化しました。


飛信隊が台頭していく隊として大きくなっていく過渡期に、
空気が読める兄貴だった松佐那貴、大人の漢の岳雷を絡ませる。
でも物語では彼らを早々に退場させ、大きくなった軍では関わらない。

仮説ですが、こういう気の利いた人員がいると、
信が彼らに人間的に守られることが前提になってしまい、
信が人間的に成長する外枠を固めてしまうんだと思います。
(でも死なせるのはあんまりだよなぁ。。。悲)


一方、ある程度隊が大きくなった後の時期から、
代わりに羌礼や、今回の満童、剣士の士桃とか加入、
存在を忘れかけていた(笑)も復活しました。

いずれも入れ替わりで入って来たのは、
空気を読むとか漢を見せるとかは程遠いと思われる性格っぽい人たち。

これは今回より以後加わるメンバーたちから
今後、信が「人格的」な助けを得ることはもはやない現れ
なのでしょう。


彼らが隊のために命を懸けることはないとは思いますが、
それだから逆に何がなんでも生き残ってくれそうですし、
戦力としてそれこそ大将軍になってからも貴重な力となるんだと思います。
実際に礼は羌瘣と信を繋ぐという別の役割も持ってたりしますしね。


結果的にそれが、王騎や麃公のように、李信自身が
大将軍として「カリスマ性を与える」立場になっていく過渡期
の証なんだと思います。

自分の枠を超えた、
相反する荒くれどもを手なづけられるほどのカリスマ性がないと
とても天下の大将軍にはなれない。

実際に麃公将軍は、そのクセのある「一般的な麃公兵」を従え、
ダントツの強さの軍を誇っていたんです。
信が超えなくてはならない試練なのは言うまでもないでしょう。


正直「大将軍になるまで」の組織に関する人間関係は、
至難がわんさか出て来そうな空気が満載で怖いです(汗)。
もしかすると先の番吾の戦いにおける飛信隊は、
これが原因の一つとなり敗走してしまうのかもしれません。

ただ同じような壁を一度信は乗り越えた実績はすでにあります。
それは一番最初に将として率いた、百人隊の飛信隊結成時です。
田永は元々「でかく稼ぐ」ことが目的で飛信隊に入っており、
(11巻139ページ)
殉死を遂げた去亥や、今は欠かせない料理人(笑)竜有も
気難しい奴扱いで最初は輪の外にいました。

今後もきっと、朱海平原での檄で掲げていた、
「(将軍になる前に助けてくれていた)お前ら」との熱い絆が
そんな信の力になり、壁を一緒に乗り越えてくれることを、
ファンとして祈らずにはいられません。


おまけ:信の隊内の兄貴的ポジションについて


上記の考察中に、
じゃ結局信が隊の中で今頼れる人って誰なんだろうなぁ、
と考えちゃいました。


まずはやっぱり、王騎の矛を託せる信頼感をしっかり持たれている
尾平ではあるんですが、彼はどっちかと言うと

「一番身近で支えなきゃいけない」(44巻182ページ)

と本人が言っている通り、同輩またはアシスタント(笑)
として支えるようなポジションが近いと思います。。。


むしろ、信にとっての「兄貴」的ポジションは崇原でしょう。

「お前にまで死なれちゃこの先隊がやっていけねぇ」(63巻188ページ)

隊を成り立たせるための重要ポジションは
誰を差し置いても彼だとしっかり信は認識していて、
自分の命が危うい局面ですらこんな言葉を本人に投げられるなんて、
どれくらい頼っているんだよ・・・と、胸が熱くなったシーンでした。


ただ、崇原の人格?的にはどうなんでしょうね。
彼は本来は我呂タイプで、自分の思ったことをすぐ口に出し、
しかも口だけ?な我呂と比べて厄介??なことに
行動にちゃんと移すタイプなんですよね。

初陣を終えた新人隊員(干斗)から助けられた礼を言われた時に
「礼を言うくらいならさっさと強くなれ口だけ干斗」といじめたり
(47巻118ページ)、

小便もらしとバカにした奴らを全員半殺しにしたり(119ページ)、

羌礼が来た当初、軍律破って暴れまくっている時、
大将の信から待てと言われているにも関わらず自身の権限で
羌礼を追い出そうとしたり(61巻156ページ)。

そういえば、朱海平原では役割がなかなか与えられない飛信隊の中で、
我呂と崇原の似たもの同士が騎兵と歩兵の立場で対立して喧嘩になりかけ?
ましたよね。半分冗談ってことで治まりましたが笑。(50巻49ページ)


そう、だからさ、そんな性格そのまんまに、なんで、
769話でプロポーズ返事待ちの信に対し、
71巻13ページで

「なんで最近羌瘣と距離取ってんだ?」的言葉で
ストレートに聞いちゃったんだろ?。


崇原もそこそこモテているはずで
(59巻108ページ:凱旋時に女の子に囲まれていたり、
松佐を求めて来た女の子に優しい声をかけてたり)、
プロポーズしたことは流石に知らないにしても、人生の兄貴分として
男女が突然距離を取るのにはそこそこ理由があることを
分かっていると思いたかった(涙)。

松佐がいたら絶対にそんなこと言わせなかったろうに。。。


そうだ、崇原は羌瘣を女性としては見ていないのかもしれない。
実際に剣の手合わせとかしてもらっているんでしょ。
(↑51巻29ページの尾平のセリフより)
「隊で唯一自分が教えを乞う剣士」な位置付けなんだ。

みんながキャーキャー騒いでた羌瘣髪切り事件笑の時も、
一人だけ落ち着いて、髪を切ったことを
「気合いを入れ直す」(62巻115ページ)とか評価しちゃってたしな。


しかしそもそも、肥下戦敗走時の公開ハグの後、
信と羌瘣の関係はどのように隊内では捉えられてるんだろ?。

崇原をはじめ大部分の隊員は当時遥か先にもう歩みを進めていたので
見ていないから知らないとか?。
いやいや、それでもどんだけ時間経ってんだよ、
噂なんてすぐ広まるでしょ、何も娯楽がないこの時代に。


そんでもって尾平の婚礼にも二人で待ち合わせして
(正確には信が迎えに行って)仲良く連れ立って来ているんだよ。
(礼もいるけど笑)(70巻184ページ)

こう言う様子を隊員たちに普通に見せられる状態な時点で、
隊内では二人は付き合っていると解釈されてても不思議じゃない。


婚礼時の、秀麗な羌瘣を見ての羌瘣隊面々における
「その衣装はっ」「すごく」「似合ってます!」
のような歯切れの悪さの理由は(189ページ)、
興奮もあるんだろうけど笑、隊長がすぐ聞きつけられる状況の中、
あまり下手なこと(かわいい等)を迂闊に言えないから
にも見えてきた(笑)。


同じシーン、羌瘣を見て顔真っ赤な信への田永などのからかい
私これ最初、なんで差し込まれたかが理解できてませんでした。
まるで、髪切り事件での同様シーン(62巻115ページ)から
彼らの仲がまるで発展してないような描写じゃないですか。
そんなわけない(笑)のは読者もよく分かっているわけですし。

上リンクの「考察1」で、信が羌瘣への想いのフラグは、
羌瘣から告白された時点で立ったと書いたのですが、

この描写の意図は、62巻の描写側が、
当時から信はこの話時点と同じくらい羌瘣のことを好きで、
上記のことを裏付けていると言うことなんでしょうかね?。

また、今回のいかにも初期と同じような愛情表現?が、
モブ輩レベルにも共通の
「今更どうして」感があったと言うことなんですかね?。

それとも堂々と「明らかな『信→羌瘣』のお熱いフラグ」を
見せつけやがって、目も当てられないぜってことの笑いなんですかね?。
(小学生レベルのこんなからかい、当時の記憶をすっかり忘れたBBAは
 この考察を思いつくのに時間かかったよ苦笑)

誰かの「元気かって何だよ」とは、
「それ以外にもっと言うこと(綺麗だ、とか)あるだろ」
な意味が含まれていると捉えていいんですかね?。


そうだ、それか。
もう公式な仲なのは前提で、崇原的には
「なんだお前ら痴話喧嘩でもしてんのか、しょーがねーなーこんな時に」
くらいな軽いノリで聞いただけなんだ。

尾平の婚礼に一緒に来ていたのに、帰る時は多分別々だったのでしょう。
崇原の発言時、河了貂も「・・・」と何か言いたげだったし、
干斗も興味ありげに(笑)振り向いてる。(71巻13ページ)

他の隊員たちも皆、もやっとずっと気にかけているんだから、
どうにかしとけよと忠告したつもりだったんだろうな。

うん、そう、解釈しよう。

変な空気を漂わせ場を流した信を見て、せめて直後に
「あ、ヤバ」と察してくれたことを願ってます笑。


・・・信を男の立場として支えていけるのは
この先もしかすると尾平だけなのかしら。。。
・・・それだととっても心もとないのですが。。。


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