見出し画像

祝?プラモ化! 理想の王道特撮ヒーロー「重甲ビーファイター」のすすめ

どうも。
思い入れの深いスーパー戦隊!と問われたらやっぱ「ゴーオンジャー」やねん、Kトレです。

2024年も1ヶ月経過。
私が楽しみにしていた商品が届きました…。

【SMP Kit makes pose 重甲ビーファイター 】

1995年に放送された"メタルヒーローシリーズ"の1作「重甲ビーファイター」より、主人公ブルービートが番組名を背負って登場!
ここ最近(数年比で)商品化の動きが活発なメタルヒーローから、屈指の人気者がプラキット化!

買うしかない!
と同時にこれを機に、語るしかない!

何故なら私は「ビーファイター」こそ、何かと尖った作品ばかりの東映特撮において、特に理想的な「王道作品」だと思うからです。

という事で今回は「SMPサンバルカンロボ」に続き簡易なレビューを兼ねつつ、初心者向きに「重甲ビーファイター」の魅力を発信できれば…という投稿です。

めちゃくちゃ長いのでご了承ください。

・SMP編 〜進め!われらの昆虫戦士!〜

開封。
まず箱の厚さに少し驚いてしまった。

そもそも「SMP Kit makes pose」とはバンダイ公式曰く「SMP [SHOKUGAN MODELING PROJECT]」のコンセンプトを継承しつつ、人体的可動に特化したアクションプラキットブランド」であるそうだ。
これまでにも「チェンソーマン」などを発売してるがまだまだこれからのブランドのようで商品点数は少ない。ブランド名も「ゲロチュー」のパクリでは?
つまりまぁ、メタルヒーローというマイナーな作品群が、シリーズ展開を占う恰好の試金石にされたと言えなくもないのだが…しかも一般販売。S.H.Figuarts ファイヤーの悲劇再来やな
ともかく組み立てていく。

最近のバンダイはこういうの多いよな!
ランナーは多く見えるが…?

直近組み立てたSMPに比べてもパーツ構成は直感的、それでいて手も込んでる感じ。
しかし嵌め込みがタイトな部分が多い。うっかり折らないように慎重に進めていくが、力入れて嵌め込まないと逆に可動時に折れそうで怖い。
フィギュアライズスタンダードを買ってる人とか毎回こんな感覚になりながら組み立ててるかも…などと少々感心してしまった。

腰アーマーはかなり大胆な分割で可動を妨げない。
重甲=甲虫の羽のように鎧が幾重に重なる姿を感じさせるディテールとパーツ分割。

などと悪戦苦闘してるうちに、いよいよ完成。

それでは、

重甲!

これは一昨年発売の
「ビーコマンダー Complete Edition」
デッデンデンデンデン

がんじがらめの罠を仕掛け

破滅を企むのは誰だ?

目には目を歯に…

「勝手に重甲を始めるな!💢」

…失礼しました。

見よ重甲完成図

サイズはフィギュアーツより頭1/4ぐらい大きめ。
質感はプラスチックそのものなのだが、ビーファイター特有のディテール量と各所のシルバー塗装が効いており単なる安っぽさは感じない。
プロポーションも一昔前のフィギュアーツのようなアンバランスさはないかと思う。

「インプットマグナム」は実際にホルスターから引き抜ける。
やはり差し替えよりかはこういうギミックが欲しい。

可動はだいぶ癖が強いが良く動く。特に肩の引き出し関節が微妙な表情付けに重宝する。個人的にはこの「せり出した肩アーマー」って微妙にフェチだったりするのだ。

インプットガンの元ネタは懐かしのポケベル
テンキーに3桁番号を入力して多彩なビームを放て!

そして何と言っても嬉しいのが付属品。

全て手持ち武器!

「スティンガーブレード」はSNSでも指摘されてた通りやや小さいがメタリックシールを貼った刃がキレイ。近年の特撮では意外と観ないガントレット型装備が、昆虫でありながらメカニカルなビーファイターの特色をよく表してると思う。

強化ユニットを装着した「スティンガードリル」は非常にダイナミック。ちなみにプロップもめちゃくちゃ重かったらしい…。
換装ギミックもアガる。

そして「パルセイバー」!
こちらはビーファイターの声を力に変える武器でデザインも少々毛色が異なるが、インプットマグナムと合体する。もちろんそのギミックも再現。

人間と昆虫の絆を体現するアイテム!

ちまちまとした遊び方だが、これが出来るヒーローフィギュアはやっぱり楽しい!
そしてビーファイターはこのギミックが3人分あるのだ。そりゃカッコいいよなぁ(しみじみ)。

・作品編 〜縦軸と横軸の決着(ピリオド)〜

どう!カッコいいだろ!


そんなカッコいいヒーローが活躍する「重甲ビーファイター」を"理想の王道"たらしめるのはとにかく"アクションとドラマのバランス"である。
宇宙刑事ギャバン(1982)」に始まるメタルヒーローシリーズは「超人機メタルダー(1987年)」以降、スーパー戦隊とは対照的な徹底した多様化路線に舵を切り、「特警ウインスペクター(1990)」「特捜ロボ ジャンパーソン(1993)」「ブルースワット(1994)」といった野心作を生んだ。その先にスタッフ陣が辿り着いたのが「正義のヒーロー対悪の軍団」のシンプルな構図に回帰した「ビーファイター」だった。
それまでは大人をも唸らせるドラマ性の一方、ヒーローアクションは添え物とまではいかなくともドラマの終わりに活躍が無理に捻じ込まれるような話が多く、折角のカッコいいアーマーやギミックもアースガロンの様に活かせてないイメージだったが、ビーファイターは王道に回帰しつつその辺のバランス調整を巧みにやってのけた。
要は「ヒーローカッコいい!マシンがカッコいい!」と「考えさせられるドラマだぁ…」をハイレベルに両立しているのが本作と考えていただければ良いと思う。

上述のビーコマンダーに付属するフィギュア

例えばレギュラーの登場人物は決してエキセントリックではないが人間味溢れる親しみやすい者ばかりだ。
昆虫学者で、一見優男のような風貌に正義のガッツを秘めているブルービート・甲斐拓也
見るからに肉体派だが実は樹木医で、命を尊ぶ人情家のジースタッグ・片霧大作
動物と心を通わせる学者で、理知的な名参謀かつ意外と行動派なレッドル・羽山麗
そして麗の後任で、天真爛漫だがそれ故に核心を突く発言で周囲の心を動かす鷹取舞
名バイプレイヤー笹野高史氏が演じる司令官役・向井博士の少々コミカルな存在感も忘れてはならない。
対する敵組織・ジャマールも冷酷な首領ガオーム以下、合成獣軍団を率いる成り上がり者ギガロ、傭兵軍団を率いる女激情家ジェラ、戦闘メカ軍団を率いる狂人シュヴァルツ(CV.千葉繁!)と三者三様。この三幹部も、反目する事もあるが意外と仲良しでもあり、どうしようもない悪党でありながらどこか憎めない人間味もある絶妙な悪役だ。
そして中盤より登場する悪のビーファイター「ブラックビート」。これはかつての「仮面ライダーBLACK」のシャドームーンの系譜に連なるライバルキャラで玩具展開も活発だった。終盤は自らのアイデンティティをかけ打倒ブルービートに拘るブラックビート/シャドーと、呪われた運命に立ち向かう拓也の姿が物語の中核となる。
更に彼らの主役回を、個性豊かなゲストキャラが盛り上げる。地球人から異次元人までいずれも様々な事情を抱える者ばかりで、物語に深みを与える。時には単なるヒーローものを逸脱しそうな雰囲気を漂わせる事もあるが、そうかと思えば次の回では正統派な悪役をスカッと倒す。
バラエティ豊かなのだ。

そんな訳で、あらゆる方向を満足させる、だからこそ理想の特撮ヒーロー作品であるのが「重甲ビーファイター」なのだ!
と自分は力説したい。

ひろがるビーファイターワールド

他にも「東映特有のバンク頼みを感じさせない巨大メカ"ビートマシン"の活躍」「「仮面ライダーBLACK」「忍者戦隊カクレンジャー」の川村栄二氏によるスタイリッシュなBGM」など語り尽くしたいところだが…
それはまた3月発送予定の「ブラックビート&スーパーブルービート パーツセット」の頃にゆっくり話すかもしれない。(たぶんしない)

このNoteを始めるきっかけになったメタルヒーロー、もうちょっとだけ盛り上がってくれ!

ではでは。


.
.
.

・おまけ:観るっきゃないが合言葉?

最後に、超個人的ビーファイターおすすめエピソードを並べておく。リンクは全て東映特撮ファンクラブのものだ。
基本的には一話完結だが、中には以降の展開への布石のある回も。

第10話「激闘‼︎竜の剣士」

些細な事から大喧嘩のビーファイターが、強敵剣士バーラを前にチームワークの大切さを悟る。
ストレートなコンビネーション技が光る回だが、バーラはジェラの相棒という設定で、両者の悪党らしからぬ友情も描かれる味わい深い話。

第17話「死闘!合体怪人」

三幹部のパワーが注ぎ込まれた最強怪人デスマルトとの激突。上に挙げた幹部陣の結束に驚いたのも束の間、トドメを刺すという所でしょーもない喧嘩を始めてしまい敗北。これまたストレートに燃えてほしい話。
この話を受けて、続く第18話では首領ガオームが自ら出陣する事態に。

第23話「怪人に花束を…」

前回レッドルとなった舞の主役回。「彼女の楽天さに引っ張られて番組の雰囲気がガラッと変わるのでは?」という危惧を吹き飛ばすハードな話。まあタイトルからしてね。舞と友情を結ぶ傭兵ゴルゴダルの声は故・加藤精三氏。怪人声優の豪華さも本作の魅力。

第26話「蟹と水着と親父」

大作のガンコ親父、大鐡が登場!息子を漁師にすると言って聞かないのだが…。大作と父の身体を張った仲直りがコミカルかつ熱血に描かれた快作。だが注目は前回(第25話)に流れる次回予告で、初めて拓也たちの掛け合いが入る。そう、予告からしてギャグ回なのである。

第33話「正義の非行少女」

ジャマールの訓練施設に潜入した舞に訪れる思わぬ再会。本作唯一のマスクオフが見れるぞ!
舞とともに施設を脱走する為もがく不良青年・カズマ役は「五星戦隊ダイレンジャー」でお馴染み和田圭市氏。当然のようにアクションもすごい。

第38話「博士‼︎ 愛の重甲」

食虫植物の怪物ラズベルガの花粉に苦戦を強いられるビーファイター、その時向井博士が立ち上がる!年に1話は欲しいサブキャラ主役回という事で向井博士が戦いに恋(?)に大活躍。回想シーンでの髪型に突っ込んだら負け。

第41話「兄貴はムキムキ」

ビーファイターに襲いかかるシュヴァルツそっくりのロボ、マッチョNo.5!彼はシュヴァルツの兄で弟の為に戦うというのだが…。
兄弟ロボの歪ながらも美しい絆に、思わず心動かされる事間違いなし。ロボットに心が宿るとかそういうの好きな人全員見ろ。