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季節も時代も超えて、東京・荒川の特撮ロケ地散歩。

どうも。
小田和正の曲だと「たしかなこと」より「キラキラ」が好きなKトレです。

今回の超個人的「ロケ地のすゝめ」は、以前取り上げた多摩丘陵に負けず劣らず数多の特撮作品のロケ地となった荒川、中でも東京都内の区間に印象的な場所を、歩いて巡ってきました。
以前の記事と大きく違うのは、今回紹介するルートを私自身も初めて歩いた点です。なので多少お見苦しい部分もあるかと思いますがお付き合いください。
【取材日:2024年4月12日/4月15日】
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・古めかしい門と「地下神殿」の意外な共通点

スタート地点は当然、駅。
今回の始まりはJR赤羽駅とする。

5つの鉄道路線が集積する赤羽駅は東京23区北部最大の繁華街の玄関口だ。所在地である北区を赤羽区と勘違いする人はもっと多くてもいいと思う
そんな駅の北改札を出て、東側の商店街「すずらん通り」を抜けていく。

すぐそばにあるダイエーに、よく食玩を買いに
行きました。

ここからしばらくは地図上では真っ直ぐだ。
ひとつ信号を渡って「志茂すずらん通り」を進み、国道122号(北本通り)を渡ったところで今度は「熊野通り」に入る。
真っ直ぐ進むと熊野神社に突き当たる。

神社の左側の道を進むと現れる大きな壁!これが堤防に当たり、これを越える為の橋に回らなければならない。その橋を渡ると、新河岸川と荒川に挟まれた第一目的地、岩淵水門である。

まるで中州。

荒川の治水を担う岩淵水門は二つあり、そのうち朱色の旧水門は1970年代後半以降、非常に多くの東映特撮作品で使われている。

「ジャッカー電撃隊」第31話「赤い衝撃!スパイは小学四年生」
「仮面ライダースーパー1」劇場版
「未来戦隊タイムレンジャー」CaseFile7「ドモン入院中」
「炎神戦隊ゴーオンジャー」GP-30「友情ノパンチ」
他多数

また、かの長寿ドラマ「相棒」屈指のバッドエンドと名高いSeason13最終回で印象的な場面に登場するなど、一般ドラマへの登場率も高い。もはや聖地オブ聖地。

100年の歴史を感じさせる石の欄干。
青い新門も「仮面ライダー龍騎」などに登場。

二つの岩淵水門は、荒川と新河岸川、そして隅田川を隔てている。そのうち旧水門はちょうど100年前、1924(大正13)年、荒川放水路への導水とともに完成した。
ではそもそも荒川放水路とは?
古来より荒川は文字通りアラブール荒ぶる川であり、特に江戸時代以降、都心部を流れる下流は氾濫する度に都市生活へ甚大な被害を及ぼしてきた。これを解決するため、明治政府は荒川の東にもうひとつ巨大な人口河川を作る事を決定した。まだ現代ほど巨大な重機もない時代に20年もの歳月をかけ、岩淵水門から東京湾に連なる荒川放水路が完成。都心部を水害から守ろうとしたのだ。そして戦後、荒川放水路が単に荒川と呼ばれるようになり、旧来の荒川もともと下流部の愛称であった隅田川の呼称が正式名称として定着した。荒川区を荒川が流れていないのは旧荒川の名残りである。
荒川にはこれ以外にも治水施設が点在しており、「仮面ライダー剣」などに登場する彩湖(荒川貯水池)もそのひとつだ。

ん?水害対策と言えば…
首都圏外郭放水路。いつもの地下神殿もそうでは?

※画像はイメージです。

こちらは荒川ではなく利根川水系だが、氾濫や浸水リスクの削減を目的に作られたのは同一だ。同じ治水目的の放水路でも、技術進歩により地下への建設が可能になったのである。

荒川放水路建設の際は、延べ1,000haもの土地を買収したと言われ、その為に村が3つ消えたという。まるでダム建設だ。
特撮に限らず数々の名ロケ地を生み出した大河の流れが、多くの犠牲を払って作られている事にも思いを馳せていただければ幸いである。

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・良い橋を渡る。

さて、ここからは約5キロは歩く。
岩淵水門から真っ直ぐ上流へと堤防を進む。

取材当時はまだ桜も咲いてました。
JR線を越える手前辺りから堤防が二手に分かれるので、一旦左手の新河岸川沿いへ。

前方に現れるのは埼京線北赤羽駅。新河岸川の真上にかかり、川の両岸に改札がある駅だ。ここで右に曲がり、しばらく埼京線沿いに歩く。

埼京線の高架区間は、線路と建物の間に道路が続いており、のんびりと歩ける。住宅地に対する騒音対策の一環かと思いきや、都内に限ってはそうではないらしい。

15分ほどで隣の浮間舟渡駅に到着。
北区浮間と板橋区舟渡に跨ったサイクロンジョーカーみたいなノリで名付けられた駅だ。

駅のすぐ北方に広がる浮間公園は、
「恐竜戦隊ジュウレンジャー」で使われている。
風車がおしゃれだ。

浮間舟渡駅から更に進み、板橋区に入った辺りで線路と別れ、都道447号線を進む。風景はいかにも川沿いらしく小さな工場が目立ってくる。

やがて左手前方にもう一つの目的地、舟渡大橋・舟渡水辺公園が見えてくる。

新河岸川にかかるこの橋について説明する前に画像をどんどんドンブラコと貼る方が早いだろう。

月は嘘つきです。
実は自分では光ってはいない。 太陽の光の反射です。
でも、太陽より月の方が信用出来る。
見つめる事が出来ますから。
あの日以来俺はずっと、
小遣いをためてはプレゼントを集めてきた。
また、アンタが来た時に渡すために…。
アンタは生まれながらのサンタだ!
だから Hey Hey 平和なこの空奪うというなら
You You お前に明日は無いぜ

もはや説明不要「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」の名ロケ地である。

改めて振り返ってみると、私自身も指折りに好きな回に良く登場してたなぁ…などと申しており思う。
いかにも都心の親水公園って感じの川沿い。
なんだかよく分からんが特徴的な遊具。
公園っぽい(公園だが)小綺麗な舗装。
そして大泉撮影所からの距離感。
使いたくなる気持ちは勝手によくわかる。

リトルトーキョーならぬリトル王苦とでも言いたくなる風景だが、調べてみると「ドンブラザーズ」ばかりではなく、これ以外も多数の作品に登場してる。

「仮面ライダージオウ」
Ep05「スイッチオン!2011」
「轟轟戦隊ボウケンジャー」
Task.25「禁断の果実」


「ヒーローになるには、まだまだ実力不足なのか?」

そう、
「爆上戦隊ブンブンジャー」にもバッチリ登場してるじゃないか。
しかも登場回のメインキャラクターは阿久瀬錠。どうもこの橋はブラックに縁があるらしい。

てな訳で「ドンブラザーズ」のアンチにも胸張ってオススメ出来る、新世代の名ロケ地だと思う次第である。


・エピローグ 〜愛の渦描く歩道橋〜

さて、橋の向こうに渡り10分ほど直進すると、今回のゴールとなる都営三田線西台駅に到着…するが、最後に一旦足を伸ばして来た道を更に10分ほど直進。
すると現れるのは巨大な歩道橋。

この蓮根歩道橋もまた定番ロケ地のひとつ。

前述の「サンタくろうする」や、「魔進戦隊キラメイジャー」第32話(ゲキレンジャーコラボ)が割と直近の使用例か。

色がついてるのが歩道橋。

交通量の多い交差点上にかかる歩道橋で、まるで吹き抜けのように空いた円形の空間と街灯が特徴的。完成したのがだいたい50年ぐらい前のようで、当時は利用者からもかなり珍しがられたようだ。
個人的に印象的なのが、少々マイナーだが今年40周年を迎える「星雲仮面マシンマン」での登場例だ。
第19話にてマシンマンが愛車マシンドルフィンとともにこの歩道橋に降り立つのだが、このドルフィンの小ささに驚愕する。そもそもドルフィンは四輪車で、デザインだけ見れば往年のF1カーを思わせる流線形である。それが歩道橋を走るアンバランスさ!


実際現地に行くと、ドルフィンの小ささも体感出来る…というマニアックな楽しみ方。

いずれマシンマンの話もNoteで出来ればな…と思いつつ、再び足を西台駅へと向ける。

駅裏手の団地も多数の作品に登場。

というところで、今回はここまで。
諸事情により2日に分けて訪れたが、とにかく暑かった。遮るものの少ない川沿いを歩くので割と直射日光を受けるルートになってしまった。ここだけ注意してもらえれば、のんびりと巡ることの出来るルートになったかなと思う。
個人的には今回と逆ルートで行ってみるのも、ゴールの赤羽駅周辺が栄えててご飯に困らないのでアリだ。

ではでは。

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