見出し画像

いけばな歳時記 ハナショウブ

 初夏を代表するアヤメ属(ハナショウブカキツバタ)は、葉組みが大切な要素です。それらのには花茎(の付いた)と組み葉(だけ重なる)があり、葉組みをいける時は、花茎を差した前後にそれを包むように組み葉を入れます。アヤメ属葉組みはふつう一度ばらして組み直して整えます。
 一枚一枚のにはスプーンのような凹凸があり、刃先には独特に曲がった(つめ)があります。葉組みする場合「1、へこみを花茎に向けて花茎を前後に包むようにする」「2、つめを向き合わせに葉を重ねる」「3、3枚重ねの真ん中は左右の葉の後ろに置く」、以上が基本です。
 下のYouTube動画花しょうぶの葉組みの説明。→広瀬テキスト91p

             上左ハナショウブ・ナツハゼ 黒天目釉花器(広瀬典丈作 水無方藍窯)
            上右 ハナショウブ一種いけ 線文黒釉花器(大津寄花堂)     

 葉組みの真ん中の葉を低くするか高くするかなどを決める流派もありますが根拠はありません。ただ「一番花は低く二番花は高く」など季節によっての高さを変える季節感については知っておいてもいいでしょう。

             上左ハナショウブ一種いけ 黄釉花器(大津寄花堂)                 上右 ハナショウブ・ナルコユリ 茶釉花器(常滑)   

 ハナショウブだから葉組みとはかぎりません。楽しんでいけましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?