就職活動を終えて

長かった就職活動がやっと終わった。
いや、長かったのか、短かったのか。就活らしきことは去年の6月くらいからやっていたが、本格的に始めたのは今年の2月くらいからだから、3ヶ月半くらい。

正直しんどかった。
人生で一番しんどかったかもしれない。
実は去年の11月に大好きだった彼氏に振られた。初めての彼氏だった。
それが原因で、全ての物事に対するやる気が失われ、自分のこれまでの人生や自分の価値観など、何もかもに対して自信がなくなった。なんで生きているのか分からなくなった。
元々就活で自己分析とやらをする中で、自分のことがよく分からなくなっていた。そんな時に人生初の大失恋。
親にも友達にもバイト先の人にまでたくさん迷惑と心配をかけた。
そんな時に私を救ってくれたのは、私のことを大事にしてくれる友達たちと、吹奏楽だった。
所属していた吹奏楽サークルを引退する定期演奏会が失恋の1ヶ月後にあった。
そこで同期や後輩たちとなんでもない話で笑い合って、大好きな楽器を吹いて。そうしている間は彼のことを少し気にしなくて済んだ。
そのおかげで少しずつ、少しずつ自分の心を癒していき、失恋が原因で全く手につかなくなってしまった就活を何とか再スタートさせることができた。
考え方を変えてみると、失恋のおかげで私は自分を見つめ直すことができたし、正直あのまま付き合い続けていたら本当に私は就活に身が入らないまま時だけが過ぎてしまっていたように思う。
未だに失恋の傷は完璧には癒えていないが、とりあえずなんとかなっている。というかなんとかなっているように見せている。


話が逸れたが、私は「失恋」に「就活」という人の精神を病ませる2大原因(?)を抱えながら就職活動をしてきた。
実は第1希望だった企業には書類審査で落ちてしまった。
だが、最終的に自分のやりたいことであり、働く環境、働き方など全て自分にピッタリなのではないかと思えるところから内定をいただくことができた。

以前noteでも書いたように私は現在、法学部に通い、知的財産法という分野を主に学んでいる。
知的財産法とは、特許や商標、著作権など「誰かが創ったモノ」と「それを創ったヒト」を保護する法律だ。
私は、人はいつか亡くなってしまうが、その人が創ったモノはこれからも残り続ける。つまり、その人の想いが残り続ける。それが法律で保護されるって、なんて魅力的なんだろうと感じて、知的財産法を学び始めた。
そして、知的財産に関わる仕事がしたいと思うようになり、就職活動の軸とした。

人類の長い歴史の中で、何かを生み出す力を持った人々によって多くの知的財産が生まれた。そして、それ以上の数の知的財産を守ってきた人たちによって、後世まで知的財産が残されてきている。例えば歴史的価値のある絵画だって、それが描かれた当時は著作権がある知的財産だったはずなのだ。
私は元々そういった「何かを生み出す側」の人間になりたかった。しかし、早々に自分にその能力は無いと思い知り、そこから自分の進むべき道というものを考えてきた。
そんな時出会ったのが、知的財産法だったのだ。

就職活動を通し、最終的に私が選んだのは

特許法律事務所

で働くことである。最初は事務職として入所予定だが、ゆくゆくは弁理士資格を取得し、キャリアを積んでいこうと考えている。
紆余曲折あったが、私は最終的に法律の世界で生きていくことを決めた。
正直法学部で法律を学んできたが、法律はやはり難しい。試験のたびになんで法学部に入ってしまったんだろうと後悔したりする。判例は何言ってるかわからないし、六法は重いし、条文はややこしいし。
そんな私が法律の世界で生きていこうと決心できたのは、NHK連続テレビ小説『虎に翼』のおかげだ。
『虎に翼』のおかげで、法律が持つ力を改めて考えることができた。法律とはなんなのか、自分なりの答えを探すきっかけとなった。
作中では主人公・寅子が法について「綺麗な水の湧き出るところ」というような表現をしていたと思う。また寅子の夫・優三が「人は正しい時もあれば正しくない時もある。だから法律がある」ということも言っていた。
私は、法とは「全ての人に公正公平であるもの」であるべきだと考えている。また「どんな立場の人に対しても寄り添うもの」だとも考えている。この考えが正しいのかどうかはわからない。多分これから法律の世界に携わることによって考えも変わると思う。
『虎に翼』をきっかけに、私は法に携わる人間になりたいと思った。その中でも自分がいちばん魅力的に感じた知的財産法という分野を極めていきたいと思った。
大学4年のこのタイミングで『虎に翼』に出会えたのは運命的だったと思う。感謝してもしきれない。


せっかくだから私が就職活動を通して感じたことも書いておく。
私の結論として、就職活動は茶番である。
結局色んなことが要領よく、効率よく、うまいことできる人が勝っていく。
人に頼るのがうまかったり、人脈が強かったり、話すのがうまかったり、解答集を使うのを厭わなかったり。
1ヶ月かけて書いたESが落ちたのに1日で書いたESは通ったり、同じガクチカを書いても通ることもあれば落ちることもあったり。
真面目にWebテストを解いて落ちたり。

だからこれから就職活動を始める人は、何があっても気にしすぎないことを意識して欲しい。
どんなに頑張ったってダメな時はダメだし、何故か上手くいく時は上手くいく。その違いは正直全く分からない。
だからとにかく自己分析をして自分に合った就職先を見つけてほしい。私がまさか法律事務所で働くことになるとは思わなかったように、思いがけないところに選択肢があるかもしれない。
もうひとつ大切なのが、周りと比較しないこと。と言ってもそんなこと無理!!なのは百も承知だ。私も周りと比較しまくって病みまくっていた。就活業界やSNSなどで無駄に就活生を焦らせる情報が蔓延している。だが、その情報の通りに動かないと「就活が終わる」なんてことはありえない。サマーインターンは絶対行くとか、ガクチカ自己PR400字は早く仕上げるとか、自己分析は早めに終わらせるとかいろいろあるが、無駄に焦る必要は全くないと思う。実際私はサマーインターンは一切行ってないし、400字仕上げたの2月とかだし、自己分析はずっとやってたし。
もちろん早く始めるに越したことはない。実際早く始めて3年の年末に内定をもらって就活を終えた友達もいたりする。でも就活は早く終わらせることが正解ではない。
自分が納得できる就職先を見つけることが正解だから。
あとはよくある就活のテクニックとか正直あんまり関係ない。こういうテンプレでESを書いたらいいとか、面接ではこう話すと好印象とか、心底どうでもいいと思う。
いちばん大事なのは自分がどんな人間なのかを伝えることだ。ある程度の建前は使いつつ、自分に正直になることが大事だと思う。

長々と書いたが、
・就活は所詮茶番だから気にしすぎるな
・早く始めるに越したことはないけど無駄に焦るな
この2点を私は伝えたい。
26卒以降のみなさんはぜひ自分が納得できる就活ができるよう、応援している。

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