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がんサバイバーという呼び方に違和感があるという話

サバイバーって、本来であれば普通は死んじゃうような状況から生還した人に使う言葉だと思う。
だから、がんは不治の病ではないと思ってる私からすると違和感がすごい。
私は乳がん治療中の身だけど、サバイバーという感覚ではない。

だいたいどこからがサバイブなのか良く分からない。
手術が無事に終わったら?
でも手術のあとも再発予防のために薬物療法をやり続けるから、まだサバイブしたとは言い切れない気がする。
だけど10年間のホルモン療法中にサバイバーを自称する人もたくさんいるしなぁ。

じゃあ薬物療法が終わったら?
乳がんの場合は10年以上経ってから再発することも稀ではないので、やっぱりまだサバイブしたとも言えないような……。
それとも再発するまではずっとサバイバーと呼ぶのかな?
そしたら再発したらサバイバーじゃなくなるの?

もしくは生きている限りサバイバー?
だったら誰もが何かしらのサバイバーだよね。

私は病気と「闘ってる」という意識があまりないからなぁ。
入院生活もエンジョイしちゃったし、手術で全摘した胸はなぜか気に入ってるし、食事や運動などの生活習慣の改善も楽しんでる。

これから抗がん剤やホルモン療法をやることになるけど、それも副作用が怖いっちゃ怖いけど、そういう運命なのだと思ってやるべきことを粛々とやっていこうって感じ。

全身に小さな転移があるかもしれない。
何年かしたら再発するかもしれない。
そういう恐怖がないわけじゃないけど、そんなことを言ったら誰だっていつ病気したり事故に遭ったりするか分からないわけで。
病気になる確率が人よりちょっと高いってだけの話。

飛行機事故のサバイバー。
津波のサバイバー。
強盗事件のサバイバー。
このくらいならサバイバーと呼ぶのもしっくりくる。

もちろんステージとかサブタイプとか人によって病状は大きく違うし、「余命3ヶ月って言われたのにもう5年も元気です!」っていう人はまさしくサバイバーだなって思う。

そもそも乳がんの10年生存率は、全体で見ても80%と非常に高い。
ステージ0なら100%だし、ステージ2でも90%を超える。
ステージ4でも2割の人が10年間生きている。
繰り返しになるけど、10年もあれば誰だっていつ病気したり事故に遭ったりするか分からない。

だから私はサバイバーではなく、あくまで乳がん治療中の身ということで。
ついでに肩こりと慢性じんましんも持っているので、肩こり治療中の身でもあり、じんましん治療中の身でもある。

自分がサバイブしているという意識を持つことで前向きになれる人もいるだろうし、サバイバーという呼び名を勲章のように感じる人もいるかもしれない。
そういう人たちにとっては、とても誇らしい呼び名なのだろうと思う。
私にとっては違うってだけ。

まとめると、サバイバーは自称するには良い呼び名だけど、周りが言うのは違うかもってことかな。

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