樹堂骨董店へようこそ21
七緒も那胡もお互いに明日は仕事があるので、話を終えて解散した。
神社の周りは人通りも車通りも夜になると急に途絶える。そして街灯の数も少ない。真っ暗な道にポツンポツンとあるだけ。それでも、ふもとの町へ向かって道路が続いていることがわかるくらいにはある。
那胡はもののけタクシーを呼ぼうとスマホを取り出した。すぐ横にある樹堂骨董店はまだ明るい。この店、開店が朝の10時なのに深夜の2時くらいまで開いているのだ。誰も来ないのに。
へんなの…
その時ふいに山の上のほうから何か大きな音が近