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通訳養成にこそ音読・暗誦をすすめる理由

昨日は通訳の個人レッスンで、
スバラシイ体験談を伺いました。

そこで、今日は
ベテラン英語講師でもあるKさんの
「日本語がよくなった!」体験談を
皆さんにもお伝えします。


KさんはMBA取得や大学院留学を目指す
大変ハイレベルな大人の生徒さんを
たくさん教えていらっしゃいます。


そんなKさんはご自身の学習体験を
言語化するのがとてもお上手。
これ、優れた先生の証拠です。


今日はレッスンの始めに
どうしても報告したいことがあると
おっしゃいました。




そのご報告とは…


「日本語が急に良くなった」


どういうことかと言うと…



前回のレッスンで私は、
いわゆる「リテンション」の
力を高めるべく
まずは日本語の暗誦を
お勧めしました。



Kさんはすぐに行動に移し、
「知らざあ言って聞かせやしょう」で
始まる歌舞伎のセリフに挑戦。


まだ暗誦は3ぶんの1ほどだそうですが…

その後、2、 3日して
レッスンで生徒さんに話す自分に
ビックリしたそうです。


「自分の日本語が急に良くなった」
そうです。


でも、生徒さんに歌舞伎の調子で
話したわけではありません。
もちろん普段の日本語です。


以前から、年齢のためかと気にしていた
「かむ」「言い間違う」が
なくなった、というのです。



江戸時代の日本語を少し暗誦したら
ふだんの自分の日本語が整った?



さぁ、これは一体どういうことでしょう?

私はニヤニヤがとまりませんでした!



音読、暗誦なんて時代遅れ?



いいえ、とんでもない!


Kさんのようにお手本の音声なしで
文字を音読すると、
「セルフモニタリング」と呼ばれる
自分をよく観察して調節する力が
大いに発揮されます。



この力、普通におしゃべりしながら
発言権争いに気をとられていると
ほぼ働きません。



でも音読ばかりでなく、
暗誦をめざして声に出すと
いつもの何倍も集中して
自分の声をよく聴くことになるのです。



人間って面白いですね!


何か1つ暗誦するという事は
何か覚えて終わりでは
ありません。



暗誦のプロセスで甦った良いチカラが、
別の場面でもおのずと生きてくるんです。
これは嬉しいことですよね。



もう一度いいます。
文字を声に出して読んで暗誦なんて
時代遅れのようですが、違います。


Kさんのように、
すでに十分に日本語・英語を
インプットした人は
音読、暗誦のほうが
むしろ自分で自分を磨く良い機会になるのです。



はるか昔の
文豪夏目漱石や斉藤勇先生も
ネイティブの発音に触れる時間以上に
自分で音読した時間が
ケタ外れに長いのです。


そうしてイギリス人も驚くような英語を
明治の日本で身に付けました。



さて、みなさんの何も見ずに
芸として唱えられる
日本語・英語の十八番は何でしょう?


ない、と言う方は
ぜひ何か自分が
ほれぼれするような(これ大事!)作品で
挑戦してください。


エキスパート通訳トレーニングでは
ほれぼれするような(これやっぱり大事!)
英語、日本語の珠玉の作品を
これでもかというくらい暗誦します。



で、その先にもう一段階、
創造の段階がありましてね…
それはナイショ。

まあ、今日はそんな英語作品のひとつを
ご紹介します。


混迷の時代を生きる人を励ます
素晴らしい散文詩Desiderataです。



英語圏でひろく愛され、
カリグラフィであちこちに
飾られています。




出だしのGo placidlyを
私が唱えると、顔をほころばせて
続きを唱える人たちの
なんと多いことか!




作者は20世紀前半に
弁護士、実業家、文筆かとして
活躍したドイツ系アメリカ人
Max Ehrmannです。



最後にリンクを貼っておきますね。



さて1つイベントのご案内です。
5月30日火曜日、13時から
無料勉強会を開きます。

テーマは
「イメージ思考のカギ★
うっとり!英文法の美、再発見」
詳細は明日の投稿でお伝えしますね。

では、今週もあと1日
佳き日をお過ごしください。

【いつまで経ってもコトバ選びが苦しいひとのための
ドンピシャな英語⇔日本語通訳がスラスラ湧いてくる
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