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$陸奥圓明流外伝 修羅の刻

陸奥圓明流外伝 修羅の刻

$陸奥圓明流外伝 修羅の刻』(むつえんめいりゅうがいでん しゅらのとき)は、川原正敏による日本格闘歴史漫画、およびこれを原作とする小説テレビアニメ

概要

修羅の門』の主人公・陸奥九十九の先祖である代々の陸奥圓明流の使い手達が史上に名高い猛者と闘い、影に隠れながらも日本の歴史を動かして来た様を描く連作シリーズ。時代を動かしてきた中心人物の生き様と陸奥の名を背負った主人公との友情や愛情、そしてその時代に生きる人々の想いを通し、「人と人との関わり」にまで踏み込んで、その「刻」を浮き彫りにしている。個々のストーリーは最長でも単行本4冊、多くは1・2冊で完結しており原則としてそれぞれ独立した話となっている。

1995年には作者自身の手によって「宮本武蔵編」が小説化されている。2004年には「宮本武蔵編」・「寛永御前試合編」・「風雲幕末編」3編がテレビアニメ化されテレビ東京系で放送された。

エピソード的には「昭和編」で本編に繋がっているが、作者あとがきによればまだまだ描きたい時代・人物はあり、時間と要望がある限り挑戦していきたいとのことで、2019年6月号および7月号にて織田信長編で陸奥を継いだ狛彦による「東国無双編」が、2019年8月号から同じく織田信長編で不破の名を与えられた虎彦による「西国無双編」が開始されている。

初出・収録

初出はいずれも講談社の『月刊少年マガジン』で、1989年7月号以降断続的に発表されている。初期には「修羅の門」との同時掲載もあったが、主に長期連載を一時休載して一編を短期集中連載する形で発表されている。

単行本は〈講談社コミックス月刊マガジン (KCGM) 〉より19巻までと13巻裏の計20冊が発売されており(2011年9月現在)、巻数の表示には大字が使われている。また2003年にはテレビアニメ化に合わせ、「宮本武蔵編」・「寛永御前試合編」・「風雲幕末編」のハードカバー・ハードケース入り愛蔵版が計5冊で発売された(各巻の書誌情報については書誌情報を参照)。2019年5月時点で累計発行部数は1700万部を突破している。

$宮本武蔵編

月刊少年マガジン1989年7月号および1990年1月号・2月号に、本編である「修羅の門」と同時に掲載された。単行本の壱巻および、愛蔵版「宮本武蔵編」に収録。

江戸時代初期を舞台に、陸奥八雲と宮本武蔵の対決を描く。

あらすじ(宮本武蔵編)

陸奥一族の陸奥八雲(やくも)が山茶屋で麦飯を食べていると、突然その土地の若様・吉祥丸が何者かに追われ、林の中から現れる。吉祥丸は八雲の目の前で刺客により斬られそうになるが、刺客がそれと知らずに宮本武蔵へ刀を向けたため、結果として助けられる。武蔵は吉祥丸の家老から用心棒になるよう頼まれるがこれを断り、代わりに目前で刺客が両断されても目を背けず、麦飯の椀に止まった蝿を無造作に箸でつまんだ八雲を推挙した。文無しであった八雲は山茶屋の勘定5を払ってくれることを条件に用心棒になる。吉祥丸は男の格好をしていたが、実は藩主である父を殺して家を乗っ取った叔父に復讐するため、家老に男として育てられた姫なのであった。家老は刺客に狙われないため女に戻るように薦めるが吉祥丸は頑として拒否する。そして、吉祥丸が外に出歩いていると叔父に雇われた柳生兵馬が率いる新たな刺客に囲まれるも、八雲がこれを倒す。5文ぶんの働きはしたと、八雲は去っていった。

一年後、女に戻った吉祥丸=詩織は政略結婚させられそうになったため、八雲を追って城を飛び出していた。安芸国で詩織は、再び食事の勘定を払えずにいた八雲と再会するも、安芸国福島家の雪姫が八雲を気に入ってしまったことで、兵法指南役の九鬼一門と八雲との争いに巻き込まれてしまう。詩織を人質に捕り、鉄砲隊までそろえていた九鬼一門であったが、八雲にことごとく倒される。九鬼一門との闘いを見守っていた武蔵は八雲に闘いを挑み、二刀流を持って八雲を追いつめるも、奥義『無空波』に敗れる。しかし、八雲のほうも武蔵の刀を受けるため自身の刀を抜いてしまっていたため「引き分け」という評を下していた。

八雲を新たな兵法指南役に召し抱えようとする雪姫に、詩織の払った飯代の働きが済んでいないと八雲は辞して、詩織と2人でいずこかへと旅立つのであった。

$風雲幕末編

『月刊少年マガジン』1990年8月号・9月号(「修羅の門」第二部と第三部の間)および1991年8月号・9月号(同第三部途中)に「修羅の門」を休載して掲載。単行本の弐・参巻、および愛蔵版「風雲幕末編」壱・弐巻に収録。

幕末を舞台に陸奥出海と坂本龍馬新撰組との交流および闘いを描く。

あらすじ(風雲幕末編)

時は幕末、黒船が来航してから日本は乱れに乱れていた。そんな中、陸奥一族の陸奥出海(いずみ)は江戸の土佐藩邸にて行われた御前試合で坂本龍馬の剣の才能を目の当たりにした。龍馬はずば抜けて強いが優し過ぎて全力を出していない、と感じた出海は本気の龍馬と戦いたいと思い、龍馬の通う千葉道場に居候を決め込む。そして龍馬と出海は友達となった。ある日、龍馬と出海は試衛館へ立ち寄る。そこには、剣の天才沖田総司がいた。試衛館は小さな道場であったため、土佐藩邸での試合に参加できなかった。そのことに対し出海が挑発とも取れる無神経な発言をし、沖田の反感を買う。沖田は出海に試合を挑む。天才ながらも若すぎた沖田は出海との差をまざまざと見せ付けられる。結局この試合は人斬り鬼・土方歳三により止められ、出海はもう少し月日が流れたら再び試合をしようと沖田と約束をする。土方は出海と龍馬に自分らの前に立ち塞がるようなことがあれば斬ると言い放つ。試衛館を去った後、出海と沖田の対決を見てついに「本気」になった龍馬は、闘いたいと出海に告げる。闘いの末に敗れた龍馬は剣一筋に生きることを諦め、世界の海へと旅立つことを夢見る。

龍馬は自分の新たな夢をかなえるために幕末の世界を動かし、ついには薩長同盟が成立。しかし、それを良しとしない薩摩の手の者や伊東甲子太郎らによって暗殺される。龍馬を守りきれなかった出海は、無為に時を過ごしていたが、沖田との約束を思い出し、病床の沖田と対戦。沖田の三段突きをかわし、死傷するほどの蹴りを入れた際に、遺言として土方を「よろしくお願い」されたことで、北走する土方を追うように北海道へ。

五稜郭から単騎で新政府軍本陣まで討って出た土方の前に出海が立ちふさがり闘う。土方の刀をあえて踏み込み、斬撃の勢いの乗らない鍔元部分を身体で受け止め組み付いた出海の拳を受け土方は敗北。土方はもう思い残すことは無いと新政府軍へ突撃し、銃弾に倒れた。


https://web.archive.org/web/20190425222831/https://www.tv-tokyo.co.jp/anime/syuratoki/





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