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娘のやる気スイッチと母の作戦

夫は出会ったときから自己肯定感が低くて、人に嫌われたくなくて、でも人の痛みの解る優しい性質を持っている。

そんな彼だが、娘が生まれた後、特に自身が育休を終えて働きだして主たる養育者になってからというもの怒ることが増えた。
多くの主たる養育者にはあるあるだろう。
だって赤ん坊や子供は大人の思う通りには全く動いてくれないのだから。
自分のペースで物事を進められないことのストレスは、育児はしたことがなくても仕事や学校で経験があろうかと思う。そして心の余裕がなくなり感情がコントロールしにくくなるのだ。
優男然とした旦那さんでもやはり男性、怒りを発露するとかなり迫力がある。子供からしたら恐怖だろう…。

幼児期は食事時が厳しかった。いや今も厳しい。零すと凄く怒る。(拭いて零して拭いて零しての繰り返しで賽の河原状態になるのでこれはホントにしんどい)そしてテーブルを叩いたりするから娘もビクつく。
確かに片付けるのは大変だけども、熟練度が低いのだから仕方がないと私は思っている。
零されるのが嫌だと食べさせてしまうものだから、補助のない箸が使えるようになったのは実に小学三年生になってからだ。
他にも怪我をさせたくないばかりに過保護過ぎる結果、運動系は特に未だに出来ないことが多い。
過保護なのは夫だけでなく自身にも結構当てはまっている。

夫の良くないところは、存分に失敗させて熟練度をあげるということをさせないで“なんでこんなことが出来ないんだ”などと自己肯定感が下りまくるであろう呪いの言葉を投げかける時があることだ。
自身も立場が入れ替わったらストレスやらで同じことをしてしまうのだろうか…。
しかし、あれは言われたくないな。

主たる養育者の立場は今のところ入れ替えることが出来ないし、物申したら夫としては“だったらお前が全部やれ”の気持になってしまうから、自身ができることとしては休日と夜の時間はせめて娘に寄り添うべく、寄り添うふりをして生ぬるく見守ることだ。

ご飯?こぼした?あ、そう。じゃあこれ布巾ね。これで拭いてね。

はい、これで顔洗ってみて。自分で流せる?

え?失敗してもいいじゃん。この方法は駄目だったっていう発見だと思えば。
ほら、巻戻士のリトライだよ♪

とか言って本人にやらせる。
失敗を恐れる気持ちが強いのでなかなかチャレンジしてくれないが母の前では存分に失敗しまくってくれ(=上手くいかないパティーン探し)という態度でいる。
良かったことは、出来たら褒めまくるのは夫も一緒にやってくれることだ。

なお、夫も夫で親からの「宿題やりなさい」などの反発しか湧かない声掛けが良くないことは充分承知していて、声のかけ方は工夫している様子。
以前よりも自身の帰宅時に宿題が終わっていることが増えた。いいぞ。

そうしてなんだかんだと今年に入って娘は一人でできることが増えた。
厳しいながらも繰り返し教える父と適当見守り母はバランスがいいと思いたい。

子供自身が余程興味のあること以外は、周りに認めてもらったり“凄い!”と言われたりすることが原動力になっているのは、自分の子も他人の子でも見ていて同様に感じる。
多くの子が周りにドヤァしたいのだ。
だから我々両親は「(本当は出来なくてもいいんだけど)出来たら凄くない?やってみてよ!」と彼女のやる気スイッチが入るぐらいの期待をかけてあげることをもう少ししようと話したところだ。

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