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世の中は、ブロックチェーンによって、具体的にどのように変革されるのか?

前回はブロックチェーンが価値の流動性により、経済や社会を根底から改革すると記述しました。

 少し、前回の内容をまとめておきます。

 そもそも経済は、価値の交換によって、価値が流れ、そして循環していくシステムです。

 価値交換がなされないと、価値の移転は半永久的におきず、経済は一切回らなくなるのです。

 そして、現状の世の中では、価値を媒介するものは法定通貨となっていますね。

 ただし、法定通貨は人間が発行し、管理するものであり、その発行・移転・保管等々にすべて”人間”という不確定要素のノイズがまとわりつく事になります。

 そのため法定通貨を媒介とする価値交換には、常に「人の目・人の手」が入り、その都度「検証や、信頼の担保」などが求められ、流れが止まり、渋滞を引き起こします。

 結果的に、価値交換の流動性(スムーズな流れ)は損なわれ、経済全体を循環する血液にあたるお金の流れは、至る所で病気を引き起こしていました。

 人間の体で言えば、サラサラの血液は健康の象徴であることに対し、ドロドロの血液が様々な成人病の原因になっていることに似ていると思います。

 私は、今の世界全体を覆う資本主義社会の行き詰まり感や、矛盾の一因に、この価値の流動性の悪さが根底にあると考えています。

 一方、ビットコインを代表とする仮想通貨はその「人間による不確定要素」を極限まで取り除きました。また、これまで無限にコピーができたデジタル情報を、識別可能なものにすることにより、地球上でもっとも流れの早い電子データそのものを価値に置き換える事に成功しました。。

 さらには、ビットコインが自ら生み出した副産物であるブロックチェーンにより、スマートコントラクトという新たな概念を生み出しました。

 そのスマートコントラクトによって、価値交換の際に行われる契約において、人間のノイズをほぼ完全に取り除かれ、あらゆる価値交換は極限までにスムーズに行われるようになります。

 この仮想通貨によるお金の流動性の革命と、スマートコントラクトによる価値交換の流動性の革命の最強タッグが、前回提唱した「ブロックチェーンによる価値の流動性の大革命」です。

 この大変革により、あらゆる価値の流れは、今後くらべものにならない程スムーズになります。

 そして、それが現在世の中で起こっている経済や社会問題の解決策になると、私は確信しています。

 少し、話が飛躍してしまうかもしれませんが、いくつか具体例を挙げます。

  • 世界全体の平均所得は上がっています。それなのに、なぜ貧困問題は一向に解決しないのでしょうか?

  • 本来、社会的には価値のないはずのブラック企業がいつまでも存続していたりするのは何故でしょうか?

  • 本来、社会全体として、子どもを産み育てるのはとても価値のある事です。なのに、先進国では少子高齢化が進んでいます。何故でしょうか?

これらの問いに対し、これまでの社会は、
 「それは答えの無い、難しい問題だ」
 「政治家がすべて悪い」
 「社会主義は無理があるし、資本主義も限界・・・どうしたらいいんだろう」

と、問題の本質が見つけられないまま、ただただ、後の世代にこういった問題を積み残ししていくしかありませんでした。

 実は、こういうった現代社会が抱える多くの問題は、この「価値の流動性の革命」で大部分が解決されると考えています。

 さらに言えば、現在のインターネットのように、将来ブロックチェーンが物理空間に十分に接続され、web3.0が世の中に浸透すれば、国家間の「戦争」すらも完全に無くすことができるとさえ思っています。

web3による2000年に一度の大革命は今どの地点にいるのか?

 web3は今年のバズワードです。しかし、世の中全体を見ると、単なる流行語程度のとらえられ方をしているようです。

 多くの人はgoogleで「web3」と検索し、一、二記事の概要を読んだ上でなんとなく理解した気になって、
 「今は盛り上がってるけど、そのうち消えてなくなるだろう」
程度に扱っているのではないでしょうか?

 しつこいですが、ブロックチェーンがもたらしたweb3の世界は2000年に一度の社会変革です。

 今後10年~50年の間に、社会はweb3によって根底から覆される事になるでしょう。

 例えば、ここでweb3による社会変革の内、比較的規模の大きめな一例を挙げてみます。

今、資本主義社会においては、の世の中の経済のほとんどが、株式会社によって成り立っていますね。

 株式会社の起源は、1602年のオランダの東インド会社の設立が始まりであると言われています。

 株式会社が無かったそれまで時代は、仮に、画期的なビジネスアイデアがあったとしても、そのアイデアを持つ創業者が、奇跡的に大金持ちでないかぎり、そのビジネスアイデアを実現することはできなかったわけです。
 
 この株式会社の誕生以降、株式会社は資本を生み、資本は株式会社を生み、この相乗効果により、世界経済は加速度的に著しい進化を遂げてきました。

 株式会社という仕組みは、世界経済における言わばエンジンのような存在です。

 しかし、ここに来て、そんな経済の心臓部ともいえる、株式会社という仕組みそのものが、web3の誕生により完全に型遅れな存在へとなりつつあるのです。

株式会社は今後トークンエコノミーの劣化版になる

 これまで株式会社は、株という有価証券を媒介とし、資本と労働力の間の価値交換を流動的に結ぶ大変上手な仕組みでした。
 ただし、これはあくまで法定通貨をベースとした経済においての話です。

 この株式会社という仕組みは、web3におけるトークンエコノミーで完全に置き換え可能です。

 そして、置き換える事によって、圧倒的に資本と労働力の間の価値の流動性が上がります。

 インターネットの登場により、株券という有価証券自体は、デジタル化することはできましたが、証券会社などの会社を間に挟まなくてはいけませんでした。

 また、そもそも法定通貨ベースなため、間に銀行が挟まります。

インターネットでの株式売買が可能になってからは、それまでの株式の売買の手続きに比べ、格段に流動性は上がりました。
 しかしながら、それでもweb3と比較してしまうと、圧倒的に流動性が悪い事に気が付きます。web3と比較した場合の、既存の株式投資の決定的なデメリットを挙げます。

  1. 新規口座開設手続き、ログイン手続きなどが面倒

  2. 他のアセット(金融資産)との互換性が無い。

他にも手数料の高さや、最低購入株数などが決まっている事などもありますが、特に、上記の①②はweb3と比較した場合の決定的な差となります。

 これについては、私の個人的な経験を例にしたいと思います。

価値の流動性の悪さは、人々の行動のブレーキになる

 例えば、自分の経験で言えば、私は15年程前からFXをやっていたのですが、株の取引き口座は持っていませんでした。

 ある時同僚に「Appleの株はずっと上がり続けている。いつまで上がり続けるんだろう」と言われた事があります。

 これを言われた当時、Appleは一番最初のiphoneの発売当初でしたので、この時にApple株を買っていれば今頃は10倍ほどになっていたでしょうね。

 しかし、当時の私は
「魅力的だけど、別にこれから絶対上がる保証はないし、わざわざ新規口座を開設してまで買うのは面倒だな
と、結果的に行動に移しませんでした。

 すでに株式の口座を持っている人には、新たな株を購入することは簡単な事ですが、FXも株もやったことがない人であれば、このハードルがなおさら高くなるでしょう。

 あなたがもし、仕事でマーケティングに携わったことがあれば、この行動を妨げる小さなハードルを、お客さんに乗り越えさせる事の大変さはご存じでしょう。

 恐らく、私と同じように、株を保有しないまでも、Appleやiphoneの潜在的な価値は感じていた人は、株保有者よりも圧倒的に多かったと思います。

 つまり、現状の株式は、会社の価値を100%反映できているとは到底言えないような仕組みでできていると言えますね。

 結果的に実際には、ある程度価値を感じているものにも、この行動の壁があって、価値が流れていきません。

 これが既存の株式投資やFXの価値の流動性の悪さなのです。

もし仮に、おにぎりを買うために入ったコンビニで、ついでにアップル株を買う事ができるような世界であれば、もっと圧倒的多数の人がアップル株を保有していたでしょう。

 恐らく100%に近いぐらい潜在価値が反映された株価となっていたと思います。

 そして、価値の流動性が良くなればなるほど、あらゆるものの価値は本来の価値により近くなっていきます。これこそが価値の流動性がもたらす最大の効用なのです。

 web3の場合、現実世界でいう「財布とお金」つまり、「ウォレットと何らかの暗号資産」を持っているだけで、あらゆるトークンが、新規口座開設や、ログイン無しに買う事ができます。また買ったトークン同士をすぐに、交換することも可能です。

 コンビニの例で言えば、おにぎりを買いに行ったついでに、アップル株を少量買って、数日後にそのアップル株と、ジャムパンを交換するという事が可能だという事です。

 いずれにしても、現行の株式が持つ機能は、そっくりそのままweb3に持ってくる事はできます。
 
 「株式でできる事の内、web3でできない事はありません。」
 「web3でできる事が、株式でできなことは多々あります。」

 つまり株式は既存のweb3におけるトークンエコノミーの劣化版という位置づけになってしまいますね。

 今、株式投資をしている人達は、その点について、よく知っておいた方がいいでしょう。

 この株式と、web3の対比は、FAXとインターネットの関係にとても似ていると思います。

 現状でも、FAXは使われていますね?特に、DX化ができない旧人類の方々との通信には、残念ながら未だに必須アイテムです。

 株式投資もこれと同様、10年後も50年後も続いているとは思います。

web3の黎明期である現在でも

「米国株は、長期的に見れば、上がり続けている。だから今後もずっと上がり続ける」

と言っている人がいます。

それは、インターネットの黎明期にFAXを製造する会社の株を買うようなものですね。

 短期的な目線で言えば、一時的には上がるかもしれませんが、長期的な視点で言えば絶望的だと思います。

 株式は、資本主義の社会の中のエンジンにあたる心臓部ですね。
その心臓部分がまさにこれからとてつもないアップデートを迎えようとしています。

 ただし、web3の世界を疑う人は多いですが、現状では「株式市場」そのものを疑っている人は、ほとんどいません。金融市場の専門家ですら、そういう声を滅多に聞きません。

 まだまだweb3は、黎明期にも入っていないかもしれない、初期の初期の段階と言えるでしょう。

 ただし、この資本主義の中核を担う心臓部の大変革ですら、web3のもたらす価値の流動性の革命の、ごく一部分である事を、ここで強調しておきたいと思います。

 次回は、web3による、価値の流動性によって起こる、社会変革~働き方編についてお届けします。ぜひ次回も読んでください。

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