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ブロックチェーンが「インターネット以上のインパクトを社会にもたらす」理由
インターネットは1000年に一度の大革命。ブロックチェーンは2000年に一度の大革命になる
ブロックチェーンは、「インターネットと同等あるいはそれ以上のインパクトを社会にもたらす」と言われています。
しかし、残念ながら、「ブロックチェーン」というワードが話題になり始めて、かなりの年数が経過していますが、なかなか世の中一般には理解が広がっていません。
私自身、ブロックチェーンに興味を持ち始めて、約2年以上の月日経過しました。
2021年にDefiを触り始め、ようやくこれまでの断片的な知識が合わさって、このブロックチェーンが今後の世の中にもたらすであろう、恐ろしい程のインパクトを想像できるようになりました。
結論から始めに書いておきます。
インターネットは、情報の流動性の大革命でした。
ブロックチェーンは、価値の流動性の大革命となります。
少し長くなりますが、なるべく多くの人に伝わるように書いていきたいと思います。
インターネットが起こした社会変革とは?
インターネットが世の中に与えたインパクトはどのようなものでしょうか?
インターネット普及以前の情報通信手段は、次のようなものがあります。
紙(手紙)、新聞
電話、FAX
テレビ、ラジオ 等々でした。
紙の情報、手紙、新聞は、印刷コストがかかる上に、と伝達方法に最大の難があります。目の前に伝達する相手が目の前にいればいいですが、そうでない場合は、だれかに運搬してはいけません。ここに大変な時間とコストがかかるわけです。
インターネットは、電子という地球上でもっとも流れの良い媒体に情報を含めて送るため、スピードとコストにおいて紙情報に革命をもたらしました。
電話、FAXは、電話回線を使用して行います。情報は電子や電波で行うため、一見すると、流れの良さという点ではそれほど大きな違いは無いようにも思えます。
しかし、ネットに比べ送受信できるデータ量が少なく、ネットではテレビ電話、ビデオメッセージ、カラー画像、映像など、利便性においては革命的な進化を遂げています。
テレビやラジオに関しては、特に日本においては、電波法が厳格に整備されており、個人が公共の電波を使って何かを放送することは法律上できません。
また、仮にできたとしても電波を届けるための設備投資には大変なコストがかかります。
ネットにおいては、ブログ配信、SNS配信、Youtube配信、ライブ配信、音声配信等々がほとんどコストをかけずとも、できるようになりました。これまでは、一部の特権階級にしか許されなかった情報の発信を個人単位で行えるようになったのです。
インターネットは情報をどのように変えたのか?
「インターネットは情報の民主化である」という声があります。もちろんこれも上手な例えではありますが、インターネットの全てを表すには少々物足りなさを感じます。
インターネットが情報を民主化できたのは、あらゆる情報を、電子という地球上でもっとも流れの良い媒体に乗せることが可能になったからです。
流れが良くなったおかげで、情報が限られた一部の場所に留まらなくなったと考えられるのではないでしょうか?
上記をまとめて私は、インターネットを「情報の流動性の革命」と考えています。
情報の流動性が格段にあがり、誰でも簡単に情報を送受信でき、スピードが上がり、コストがかからなくなり、それにより社会全体は大きく変革されました。
インターネットが完全に浸透した今の世の中から振り返れば、これが社会にどれほどのインパクトをもたらしたか誰もが知っています。
しかし、インターネットの黎明期に、本質を理解して、今日のような世の中になる事を想像できた人はどれぐらいいたでしょうか?
私を含め多くの人が、「インターネットなんて、コンピューターの中だけの話なんだから、我々の実生活は変わらないでしょ?」
という扱いをしていたことをよく覚えています。
では、ブロックチェーンはどうか?
冒頭に”ブロックチェーンは価値の流動性の大革命”だと書きました。
次はこれを詳しく解説していきます。
ブロックチェーンは社会にどのようなインパクトをもたらすのか?
サトシナカモトにより2009年に生み出されたビットコインはその仕組みの中に、ブロックチェーンというとてつもない副産物を抱えていました。
その副産物はヴィタリックブテリンという当時19歳の天才少年が生み出した「スマートコントラクト」により、インターネットと同等あるいは、それ以上に社会に大きなインパクトをもたらす革命へとつながる事になるのです。
ブロックチェーンが社会を変えるという事はしばしばささやかれています。
しかし具体的にブロックチェーンの何が、どのように社会を変革するのでしょうか?ブロックチェーンで接続された経済圏の世界を体験することで、それが具体的に見えてきたので、まとめてみます。
法定通貨をベースにした現状の価値交換の現状
ブロックチェーンは、社会全体にどのような変革をもたらすのかを考えるには、法定通貨による経済活動と、ブロックチェーンが浸透した場合の経済活動を比較する必要があります。
まずは現行の法定通貨(日本円)をベースにした経済について考えてみます。
例えば、一番身近な経済活動として、スーパーでのレジの清算を思い浮かべます。
買い物かごに必要なものを入れ、レジに並びました。合計金額が3447円であったとします。あなたは財布から5000円を支払います。ここでレジの人が確認すべきことは、あなたの支払いが合計金額以上であること。さらにあなたの5000円が偽物でないこと、さらに、おつりの額が正しいかの確認、さらには取り出したお釣りの額を間違えていないかという確認が必要です。
あなたが、レジの人を100パーセント信用していたとしても、レジの人は細かく見ると最低でもこれぐらいの確認が必要となります。
一つの買い物という取引に、これだけの確認作業が必要です。例えば現金での支払いの場合はこれだけの確認作業をすべて、人間がやっていますね。
また、この取引にも、実際には相手を信用して、ある程度省略されている事もあります。
使われているお金は偽札ではないか?
レジかごに入れずにポケットに入れた商品はないか?
バーコードのない商品の場合、手打ちした金額に間違いがないか?
このあたりは、あるお互いに相手を信用するという事で、取引を円滑にしないと、疑い始めるときりがありません。
レジでの決済は、物とお金の交換です。これは言い換えると、価値と価値の交換の取引きです。
このように現状の価値交換の取引きは、かなり人間の手に依存していますね。
さらに、価値交換に使われる法定通貨についても考えてみましょう。
例えば日本の法定通貨である円は日本銀行が作っています。
その紙幣を新規に印刷するマシンを動かし、制御しているのは人間です。どれくらいの新札を発行するのかを決めるのもの人間です。さらに、それが正しい枚数発行されたか、偽札でないか、だれかが勝手に持って帰ったいないか、すべての確認作業に人間が関わります。
ご存じのように、人間というものは、間違えるし、失敗するし、ウソをつきます。本来は経済活動における価値の交換は、ミスや間違い、不正などが起きては困るのですが、人間がその作業にかかわっていれば、それは避けられません。
このように、法定通貨をベースにした、現行の世の中で行われる価値交換作業には、人間という最大のノイズが「これでもか」と言わんばかりに間に挟まるため、いちいち信用の問題や確認作業がまとわりつきます。
さらには、人間を使う必要があるという事は、人件費という多大なコストがかかってきます。「その作業に支払うコストが妥当かどうか?」という検討も必要になります。
結果として、価値交換の流れが大変悪くなってしまいますね。この価値交換における流れの悪さは、実は経済活動に渋滞を引き起こし、大変なブレーキをかけているのです。
ブロックチェーンの世界(web3.0)における価値交換の流れ
一方、ブロックチェーンの世界における、価値交換の流れはどうでしょうか?
その前に、そもそもブロックチェーンの世界というものがある事をご存知でしょうか?
私がここで表現しているブロックチェーンの世界とは、最近のバズワードでweb3.0というキーワードに置き換えられるかもしれません。ただ、一般的なweb3.0の定義を読んでもいまいちピンときませんし、定義はまだ明確になっていないようです。
ここでは、イーサリアムメインネット、バイナンススマートチェーン、ポリゴンネットワーク、ソラナチェーン、アバランチ、ポルカドット等々のパブリックブロックチェーンで接続された経済圏を意味するとします。
より具体的には、メタマスクなどのウォレットアプリを接続することで、様々なDAPPSを介して、自由に価値交換を行うことのできる世界の事です。
これ以降、ブロックチェーンの世界=Web3.0の世界 として話を進めていきます。
このWeb3.0の世界のDAPPSは急速に広がりを見せていて、2020年頃から一気に話題となった Defi に関連するものや、2021年に話題となった、NFTの取引き市場、さらにメタバースに関連するものまで、想像を超えるスピードで経済圏が拡大しつつあります。
ビットコインや、仮想通貨の本質を語る上で、このWeb3.0の世界の中で実際に行われている価値交換の体験をせずに、本質を理解することはまず無理でしょう。
よく著名人が、仮想通貨・ブロックチェーン・web3.0を批判している映像・記事を見かけます。
多くの仮想通貨の否定論者は、Web3.0の世界の外から、想像でものを言っているだけなので、全くと言っていい程、ブロックチェーンの現状や未来を想像すらできていません。
下手をすると、「仮想通貨取引き所」がブロックチェーンやWeb3.0だと思っている否定論者も多いのではないでしょうか?
取引所は、いうならばWeb3.0の世界への入り口のゲートのようなものです。そこからウォレットアプリに資産を移さなければ、中の世界は一切見えてきません。
前置きが長くなりすぎました。それでは本題に入ります。
前章では、インターネット以前からあるアナログな買い物の例を挙げました。
ここでは、インターネットが普及した世界における買い物と、web3.0の世界の買い物の違いについて説明していきます。
既存のインターネットで買い物をした場合
例えば、既存のインターネットの画像購入サイトで、有料画像を購入するとします。
画像一覧から必要な画像を見つけました。購入ボタンを入力すると、
「新規会員登録が必要です」と表示されました。
名前、メールアドレス、パスワードを設定し、会員登録をすると、メール認証のため、メールが送られてきます。
メールを開いて、認証リンクをクリックすると、ようやく画像購入画面に戻りました。
そして、購入ボタンをクリックすると、ページが遷移し、開いたページには、決済画面が表示されます。
一番、手続きが楽なクレジットカード決済を選択したとします。
クレジットカード番号
カード有効期限
カード保有者名義人
セキュリティーコード
を入力し、送信すれば、ようやくここで画像のダウンロードが可能になりました。
あなたの作業はここまでです。これで取引は一見すべて終わったように見えますが、実は、この裏側ではまだクレジットカードによる決済手続きが粛々と行われています。
クレジット会社は、あなたの決済額をデータベースに集約し、月末にまとめて請求します。銀行引き落としを選択している場合は、その情報が銀行に伝えられ、銀行はその引き落とし金額をあなたの口座から指定日に引き落とします。
クレジットカード会社も銀行もボランティアでこの決済にかかわっているわけではありません。それなりのコスト(費用、労力)をかけて、これらの作業を請け負っています。
もちろん、そのコストはカード会社の手数料から捻出されていますので、当然間接的に、あなたの支払い分から出費されていると考えていいでしょう。
インターネットが誕生して、物理的な決済に比べると、決済あたりにかかる時間やコストはかなり削減されました。それでも、現状では間にこれだけの人や会社が仕事をしなければ成り立たないのです。
また、クレジットカード会社や銀行は決済にかかる作業の他にも、個人情報の保護などの責任を負っています。これらの負担もコストとしてのしかかってくる事は言うまでもありません。
では、似たような買い物をWeb3.0の世界で行った場合はどうなるでしょうか?
web3.0の世界における買い物の流れ
例えば、バイナンススマートチェーン上にあるPANCAKESWAPというDAPPSがあります。このDAPPS上で販売されている、NFTを購入するとしましょう。
初めてPANCAKESWAPにアクセスすると、ウォレットアプリ(ここではメタマスクとしましょう。)が起動し、あなたのウォレットアドレスがPANCAKESWAPに接続することを許可するか否かのボタンが自動的に表示されます。
ワンクリックで接続を許可すると、その瞬間にあなたのウォレットアプリは本人確認等一切不要で当該のDAPPSに接続されます。
次に、アプリ内のNFT販売所のページに移り、気に入ったNFTを探します。気に入ったNFTを見つけたら、購入ボタンを押します。するとウォレットアプリが起動し、手続きに必要な手数料(ガス代)が表示されるので、確認してクリックすれば、購入完了です。
トランザクションに数秒(混雑時は数十秒)かかりますが、その後あなたのウォレットアドレスに、購入したNFTが反映されます。
ここまでの手続きにおいて、あなた以外の人間は、基本的に一切関与していません。
基本的にDAppsには管理者はいません。アプリ内のすべての挙動があらかじめプログラムされたコードによって動きます。さらに、取引の検証を行うマイナーも、実際に働いているのはマシンです。
取引する対象に人間が関与しないため、間違いや不正が起こりえず、あなたが承認すれば流れるように契約が成立します。
間に人間を介さないため、手数料(検証を行うマイナーに支払う報酬。ブロックチェーンでは”ガス代”と呼びます)はブロックチェーンの種類にもよりますが、一般的には大変安い手数料で済みます。
このブロックチェーンを利用した取引きをスマートコントラクトと呼びますが、ひとたびスマートコントラクトを体験すると、感の鋭い人は、一発でブロックチェーンの末恐ろしさを実感することができます。
では具体的には、「スマートコントラクトによる価値交換」と「人間を介して行う価値交換」を比較すると、一体何が優れているのでしょうか?
その答えは、スマートコントラクトは信用を一切必要としない取引きであるからと言えるでしょう。
これを一般的にトラストレスと表現しています。
「トラストレス」が価値の流動性に革命を起こす
スマートコントラクトは、様々な契約の間に人間が入る余地を完全に消しています。
人間が入らないという事は、つまり、手違い、間違い、不正、改ざん、ウソといった、人間によるノイズが全く発生しないのです。
そのため、契約という面倒な手続きにおいて、信用の問題を一切排除することが可能になっています。
当然、その信用を担保するためのコストもほとんどかかりません。
スマートコントラクトが世の中に浸透した場合、価値交換は恐ろしい程にスムーズになる事は、使ったことの無い人でも想像できるのではないでしょうか?
ありとあらゆる経済活動における価値交換が、あっという間に完了し、ほとんど手数料がかからなくなり、一切の間違い、不正、改ざんの心配から解放されるのです。
これが、まさに価値の流動性の革命なのです。
価値の流動性が世の中に与えるインパクト
経済の全体像は、価値を媒介とする循環装置のようなものですね。
経済全体を人間の体に例えれば、価値の流れは、血液の流れという事になるでしょう。
血液の流れは、人間が健康状態を維持する上でどれほど重要かは言うまでもありません。
これまでの経済は、価値の流動性に限界があり、ドロドロの血液のような状況だったと考えられます。
あるところには、価値が滞留し、固着化し、あるところには価値が流れてこない。
いたるところに、機能不全を起こし、社会全体の新陳代謝を悪くしていました。
よくよく考えてみると、今の世の中では、価値の流れの悪さに起因する、典型的な社会機能不全の問題がたくさんある事に気が付きます。
私は、現代社会が抱える多くの問題は、実はすべてこの価値の流動性に起因していると考えています。
例えば、思いつくものを挙げると
格差問題(貧困の問題)
ブラック企業問題
少子・高齢化問題
これらの問題は、将来的にweb3.0による価値の流動性の革命によって、将来的には完全に解決できる問題であると、ある種の確信を持っています。
今、日本では、メタバースや、NFTが話題になりすぎていて、その背後にあるブロックチェーンを、「仮想空間上のもの」と勘違いしている人が多いです。
そもそもNFTなどは、「NFT ≒ デジタル絵画」という完全に間違ったイメージを持たれてしまっています。
詳細は今後の記事で書いていきますが、NFTは今後web3.0の世界を物理空間と接続していく画期的な技術の一つです。また、メタバースは無限の可能性を秘めているブロックチェーンのごくごく一部の応用分野に過ぎません。
現状のweb3.0の世界は、あくまで、今後現実世界と接続されていくブロックチェーンの「シュミレーション」の実験段階なのです。
インターネットが世の中に浸透するまでにかなりの時間がかかったように、一般市民が、ブロックチェーンによる社会の変化を実感するまでには、まだまだ数年の時間を要する事になるでしょう。
次回以降の記事では、この価値の流動性革命が、具体的にどのように社会全体を変革したり、様々な社会問題を解決するのかを解説していきたいと思います。
今回の記事は以上です。
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