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ポルノグラフィティ「ワズビル」福岡公演 ほぼ全曲感想(4000字)

3月8,9日、ポルノグラフィティアリーナツアー「PG wasn't built in a day」福岡公演に行ってきた。

今回のツアーを一言で表すなら、「表ポルノ総動員」だ。
コロナ禍にて行われた過去二回のツアーは、どちらかといえば「裏ポルノ」という印象が強かった。

2021年のホールツアー「続・ポルノグラフィティ」では、あまりメジャーではないマニアックな曲が多く演奏された。全21曲中シングル曲がたったの9曲という、中々に尖ったセットリストだった。また『ANGRY BIRD』や『Fade away』、『鉄槌』といった「闇」をイメージする楽曲が演奏されたのも印象深い。

その翌年のアルバムツアー「暁」では、『Zombies are standing out』や『暁』といったロックチューンをライブのメインに据え、ポルノグラフィティのロックバンドとしての側面をより強調した構成となっていた。

そして今回のツアー「PG wasn't built in a day」では、4年半ぶりの声出し解禁、そしてメジャーデビュー25周年のツアーということもあり、「ザ・ポルノグラフィティ」を地で行くようなセットリストだった。長年のファンも、そうでない人も皆が楽しめるような構成だったのではないだろうか。

以下感想。

Opening

ライブ開始と同時に「Century Lovers」の特徴的なメロディが響き渡ると、ステージ上モニターに巨大な扉が映し出された。その扉が開く演出とともに、ステージ中央から晴一、昭仁の順で二人が登場。スモークと割れんばかりの歓声の中、二人は颯爽とセンターステージへ歩いてゆく。本ライブの幕が上がる。

1.Century Lovers

「来たぜ福岡!!!!」
昭仁の一声と共に、「Century Lovers」でライブがスタート。4年半ぶりの声出し解禁ライブということで、1曲目にも関わらず会場のボルテージはマックスに。渾身の「Fu!Fu!」が会場内に響き渡る。
「泣けた!」みたいなことを言うと薄っぺらくてあまり書きたくないが、センターステージに悠然と立つ二人を見て、あまりのかっこよさに涙が止まらなかった。

2.テーマソング

短い警告音の後、軽快なドラムのイントロが鳴り響いた。2曲目は「テーマソング」。当曲初披露のライブで「コロナが明けた後、みんなでこの曲を声に出して歌いたい」と語っていた昭仁。昭仁の「やっと歌えるね!」の声に会場は大盛り上がり。3曲目の「キング&クイーン」まで、モニターには歌詞とともに観客の様子が映し出されていた。泣いているファンの方たちの姿を見て、こちらも思わず感極まってしまった。

3.キング&クイーン

4.Mugen

5年前の東京ドーム振り、久々の披露となった「Mugen」。縦横無尽にステージを駆け回り、観客を煽りに煽る昭仁。渾身の「オーオーオーオーオー!!」で答える私たち。コロナ禍で声が出せなかった鬱憤を晴らすように、4曲目までコールアンドレスポンスがメインの曲が続いた。

5.REUNION

「声が出せなかった4年半の間、離れてしまった心をもう一度繋ぎ合わせたい」という昭仁の語りから「REUNION」がスタート。
なぜシングルカットされなかったのか未だに不可解な曲である。せめてライブでは大事に演奏していってほしい。

この曲は照明演出にめちゃくちゃ力が入っていた。
Bメロの盛り上がりとバチバチした照明演出が重なり、その瞬間だけ岡野昭仁は「神」と化していた。
そして一瞬暗転してからの
「リユニオンナァァァァヴ!!!!!」
で全員失神していた。神の咆哮。

6.俺たちのセレブレーション

7.アニマロッサ

8.ミュージック・アワー/メリッサ

1日目には「ミュージック・アワー」、2日目には「メリッサ」を日替わりで披露。ポルノグラフィティの看板を背負うこの2曲を日替わりにできるの、贅沢すぎませんか。松井秀喜と大谷翔平が日替わりで4番を打っているようなもの。「メリッサ」のロングトーンは健在。

9.Sheep ~ song of teenage love soldier ~(Acoustic Ver.)

サポートメンバー含めた全員がセンターステージへ移動し、「Sheep ~ song of teenage love soldier ~」をアコースティックバージョンで披露。
最近定番になりつつある、「最近演奏してないレア曲演奏しますよ」のコーナーだ。曲名がコールされた時の古参ファンたちの「ヴッッッッッッッッ」みたいな声にならない声が好き。
「こんな20年も前の曲をみなさんが覚えてくれていて、歓声もあげてくれるのは本当に嬉しい」と昭仁。

10.ジョバイロ(Acoustic Ver.)

11.フラワー

メンバーが本ステージへ戻り準備するまでの間、皆川真人がキーボードで繋ぐ。
ちなみに前回のツアーでは、キーボードのつなぎにご当地ソングを忍ばせるなどの遊びがあったようだが、今回福岡の会場ではその「遊び」があったのかは分からなかった。

「フラワー」は2019年の「UNFADED」ぶり、二回目の披露となる。
サビでの「弱さと強さ持つ花」は「私のことを歌ってくれているのでは?」と観客全員が感じていたに違いない。

12.夜間飛行

バラードが続く。イントロ1音目の「ポロン…」を聴いた瞬間、「BUTTERFLY EFFECT」ツアーの情景が蘇った。
あの、当時披露した時よりも数段上手くなってませんか?特にサビ前の「フラァーァァァァイ!!!」の部分。
迫力ありすぎて飛行機ではなくもはやジェット機になっていた。

13.オレ、天使

突如会場が暗転し、赤いレーザーとサイレンが響き渡る。そして突然入る「ああ、俺天使。そうエンジェルーー」というセリフ。
「オレ、天使」じゃん!マジか!
私が興奮していると、突如ステージ上に現れたのは天使の羽(実物)を背負った昭仁だった。
「Search Out!愚か者がはびこるこの街ぃ!!」

昭仁が現れた瞬間、会場がめちゃくちゃざわついていた。
私も「え?羽?どういうこと?本物?なんで?どういうこと?」
と混乱してたらいつの間にか曲が終わっていた。

14.170828-29

一生曲名覚えられないでお馴染みの「170828-29」。
前々回ツアーの「Fade away」しかり、本ツアーの「夜間飛行」しかり、「BUTTERFLY EFFECT」の収録曲を再披露してくれるのは嬉しい。この流れで次回は「真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ」と「MICROWAVE」をお願いしたい。
しかしこの後の新曲2曲に繋がる大事な局面を任せてもらえるなんて、「170828-29」君、出世したなあ。

15.アビが鳴く

16.解放区

新曲を2曲続けて披露。
「解放区」のフルバージョンを聴くのはこれが初めてだ。正直「解放区」に関してはあまりピンときていなかったのだが、やはりライブで聴くと違う。特にラスサビ。

「星が流れたなら おしゃべりをやめて」
「疲れた心を 寝かしつけて…」
私「スヤスヤ…」

「…この国はおーーわらなァァァァい!!!!!!!」
私「!!!!!?????」

頭カチ割られたのかと思った。

17.空想科学少年

だいたい新曲はラストに演奏されることが多いので、もしかしてこれで終わりなのか!?と心配していたら、「まだまだ行くど!!」と昭仁が煽っていたので安心した。
ここからがライブ終盤戦のようだ。

そして始まったのは「空想科学少年」。
最後に単独ライブで演奏されたのは2011年であり、実に13年ぶりの披露となる。
ライブ終盤戦の最初に演奏される曲は、会場の盛り上がりを最高潮に持っていく非常に重要な役割を持つ。そしてそこに「レア曲」を持って来れるのは、自分たちの楽曲は決して色褪せないという自信と、どんな曲でも愛してくれているというファンとの信頼関係があってのことだろう。

18.ハネウマライダー

19.アポロ

20.サウダージ

21.オー!リバル

ちょちょちょちょ。ちょっと待ってくれ。なにこの並び?
こんなん夏フェスに出演した時に「これがポルノグラフィティじゃ!!!黙って聴いとけ!!!」とブチかますとき用のセットリストじゃん。それをツアーのセットリストに組み込んできやがった。それも本編ラストに。

本気を出したポルノグラフィティに全力でぶん殴られている感覚だ。その拳には25年分の重みが全て詰まっている。これがポルノグラフィティか…。すげえよ…。

今回のツアーを「表ポルノ総動員」と表現したのは、この並びが強過ぎるからだ。ポルノは本気を出せば、こんなセットリストを組めるのか。

ちなみにハネウマライダー→アポロ→サウダージの3曲はノンストップ。昭仁はもう気迫で歌っていた。さすがにしんど過ぎたのか、1日目は「アポロ」あたりから高音が出なくなっていた。

22.アゲハ蝶

昭仁と晴一2人だけでの「アゲハ蝶」。「ラララ」の大合唱の際、2人が観客席を見渡し、喜びを噛み締めるような表情をしていたのが印象的だった。
ポルノの2人にとっても、私たちファンにとっても待ち侘びた光景だった。

23.ジレンマ

本ツアーの新たな試みとして、「ジレンマ」のみが撮影・SNS投稿可能だった。
面白い試みだと思ったけれど、ほぼ全員が曲中ずっとスマホを掲げてたからびっくりした。みんなそんなに撮りたいものなんだね。
昭仁が最後の力を振り絞って盛り上げてくれてたから、こちらも全力で応えてあげたかったな。


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「PG wasn't built in a day」"ポルノは1日にして成らず"というツアータイトルにあるように、デビュー曲の「アポロ」から、最新曲の「解放区」まで新旧問わず幅広い楽曲を楽しめるライブだった。
ポルノグラフィティが25年間積み上げてきた歴史の偉大さを感じるとともに、この先もまだまだポルノグラフィティは続いていく、という力強いメッセージも受け取ることができた。


ポルノグラフィティへ
25周年イヤーということで、周年記念ライブの開催や、「解放区」に続く第2弾、第3弾のシングルの発表も期待しています。忙しい1年になると思いますが、どうかお体にだけは気をつけてください。またこうして"REUNION"できることを楽しみにしています。










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