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約15年ぶりに、中学時代の通学路を歩いてみる

今年のゴールデンウィークはずっと実家で過ごしているが、特にやることもないので「NARUTO」を読んで暇を潰している。
このまま家にいると腐ってしまいそうだ。とりあえず外に出てみる。
そうだ。今日は中学生時代の通学路を当時のルートで歩いてみることにしよう。なぜかは分かりません。

中学卒業後すぐに引っ越したので、通学路を歩くのは約15年ぶりだ。
道はほとんど覚えていないが、当時の断片的な記憶を頼りに歩いてみることにする。

まず当時住んでいた家の前に行ってみた。当時私たち家族は一戸建ての賃貸に住んでいた。住んでいた当時はかなりボロボロだったので、家族内では家のことを「ボロ家」と呼んでいた。それが今日、15年ぶりに行ってみるとめちゃくちゃに改装されていてびっくりした。私の知っているボロ家はそこになかった。

この家をスタート地点として、中学校を目指すことにしよう。
すると早速、懐かしいものを見つけた。

家の近くのゴミ置き場だ。
小学一年生の時、私はこのゴミ置き場の前でウ◯コを漏らした。
しかも当時好きだった女の子の前で。その後どうなったのかは覚えていない。
私はその後も何度か外で漏らすことになるが、ここは人生で初めて漏らした場所であり、非常に思い出深い。市が許すのであれば、ここに記念碑を建てたいところだ。


茂みだ。この茂みも懐かしい。
中学2年生の頃、持っていたエロ本をこの茂みに中に捨てたんだっけ。
確か親戚の家からエロ本を勝手に持って帰ったのだが、家にエロ本があることが急に怖くなり、夜一人で捨てに行った。「エロ本を公園の茂みに捨てる」という人生の実績が解除された瞬間だ。親戚の兄ちゃん、あの時はごめん。

歩みを進める。不思議なもので、15年経っていても通学路は頭に残っている。15年前に見ていた家や公園などの風景が、写真のように思い起こされる。誰とどんな会話をしながら歩いていたのかも割と鮮明に思い出せるから不思議だ。


バックネットがあった。ここも懐かしい!
小学生の頃、私は茂野吾郎になりたくて毎日ジャイロボールを投げる練習をしていた。男子小学生は壁があると延々と壁当てをする習性がある。茂野吾郎になりたかったはずなのに、結局中学校ではバスケ部に入部した。ジャイロボールは習得できないままだった。

中学校まであと少しだ。
ここまで歩いてみて、気づいたことがある。
それは、通学中に目にする家や標識、木などのオブジェクトが、当時よりもちっぽけに感じることだ。単純に背が伸びて視線が高くなったことも影響していると思うが、当時はもっと得体の知れなさというか、通学路に何か禍々しいものを感じていた。そういえば私の中学生活は、いい思い出ばかりではなかった。それなりに敵もいたし、通学中に悪口を言われたり、イジワルされたりすることも多かった。そういった良くない出来事があったせいで、通学路にもネガティブなイメージがこびり付いていたのかもしれない。
そういったイメージを今日の散歩で上書きできたような気分になり、少し心地よかった。

歩くこと30分。やっと中学校に着いた。
正門の前に立ち、校内を観察してみる。車で学校の前を通りかかることは度々あったが、まじまじと観察するのは15年ぶりだ。幸いなことに改装工事などは行われておらず、校内は在学当時のままだ。体育館、部室、理科室、昇降口…。視界に入るたびに思い出が次々と浮かび上がってくる。

しかし、固く閉ざされた正門を見ると、もう自分は部外者であることを突きつけられているようで少し悲しくなる。あんなに熱心に通っていたのに。もう二度とこの校舎で中学生活を送ることはできないのだと考えると、胸がキュッと苦しくなった。

正門の前で立ち尽くしていると、裏門から出てきた男子中学生二人組が私の前を通りかかった。ナップサックを蹴りながら、部活の後に公園でモンハンをする約束を取り付けていた。
その中学生らしさに私は完敗だった。彼らを見届けた後、私は帰ることにした。背後からずっと、下校途中の中学生の楽しそうな笑い声が聞こえていた。







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