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詩歌

ひさびさに詩を書く。


わたしは踊らない
ともだちの掌うえを
気を抜くとわたしの言葉ではなくなる
この儚い命を抱えている
隠してばかりで知らぬふりをした心の悪魔に
どうか悲しみを滲ませまいと
そう祈ることしか出来ない!
少女であることを謳歌するともだちよ
他人より己を愛してやまぬともだちよ
あなたが不思議でたまらない
あなたは誰よりも若さを抱きしめてゐる
とくべつ定義に正解のない青春において
いつも優越に浸ることを許されないわたし
惨めでなくて何でありましょう



疑う必要も意味を考える必要もない
夏、あなたの微笑みを知る
わたしの不気味で歪な疑問に
わざとらしく笑ってゐることも
無視して別の話を持ちかけることもない
ぎこちない心配話より耳を傾けたあなたは
ごく自然に意味を手放し
わたしは意味から解放される
疎ましいことから逃れるようにふたりでゐる



幼いわたしが撮った花
蝕まれるように枯れてゆく紫陽花
雨上がりの快晴に俯く向日葵
悲しみばかり育てる夏のはじまり






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