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【シリーズ第14回:36歳でアメリカへ移住した女の話】

  このストーリーは、
 「音楽が暮らしに溶け込んだ町で暮らした~い!!」  
 と言って、36歳でシカゴへ移り住んだ女の話だ。
 前回の話はこちら↓

  運命の彼は、

「毎週水曜日、キングストン・マインズに出演してるからおいで」

 と言った。


 そして次の水曜日、私はキングストン・マインズにいた。

 彼が演奏していたバンドは、アンドレ・テイラー&ブルース・アリー・キャッツ)。
 リーダーのアンドレの名前は、シカゴ以外の土地では、それほど知られていない。
 とはいえ、彼は子供の頃に、ブルースのレジェンド、バディ・ガイから師事を受けている。
 こういうストーリーを聞くと、やっぱりシカゴだなぁと思う。

 アンドレがキングストン・マインズで演奏している映像(↓)。
 新しい映像なので、運命の彼はメンバーに入っていませんが、シカゴのブルースクラブの雰囲気を感じてもらえるかも♬

 アンドレはガーデニング中のアクシデントで指を2本失くしかけたことがある。ピンを入れてつなぐ手術をし、1年以内にステージに復活した。
 その回復力はトカゲ並みに早いのか、それとも遅いのか、私にはわからない。
 けれども、セカンドチョイスがない彼らには、ゆっくり治療・・・なんて余裕はないだろうなぁ。
 仕事、保険、家があって、両親がいるなんて、彼ら黒人にとっては、奇跡に近いことだ。

 
 さて、運命の彼は、アンドレの右横でベースを弾いていた。

 ん~・・・やっぱりカッコいい♡

 ファーストショウが終わった後、バーカウンターに座り、友人と談笑している彼を発見した。
 
 突撃!!!!!

 私の顔を見た彼は、とろけそうな優しい笑顔で迎えてくれた。

 わ~い、わ~い🙌
 
 さらに!!!

 なんと、彼はそのでっかい手を、私の腰にまわし、自分の方へ引き寄せた!!!

 ・・・もう、デロデロです。

デロデロ中

 デロデロになりながら、あることに気が付いた。
 過去に、男性に腰を抱かれた経験がほとんどない!!
 というか、記憶にないのでゼロかも。
 私だけ?それとも、日本の男性は、あまり腰に手を回さないの?

 どっちでもいい!
 
 ドキドキするぞ~!!!
 
 ・・・どこから見ても、ミュージシャンに騙されているバカ女である。
 
 とはいえ、騙されているわけではない。
 これでも36歳だ。
 彼も私のことを好きなんだ!!!などという勘違いはしていない。

 でも、私の中では運命の彼だし、人生初ひとめ惚れだし、なるようになっても全然かまわない。
 というか、なるようになって欲しい。

 その日は、最後のショウまで残り、彼の演奏をじっくり聞いた。
 休憩中、彼はず~っと私の隣にいてくれた。
 多少はしゃべったのかもしれないけれど、まったく覚えていないので、内容は、ほとんど理解していなかったのだろう。

 ショウが終わると、彼は私の車まで送ってくれた。 
 
 「なんもしないのか?!?!?!」

 しゃべれないけど攻撃的、ただの動物と化した私に対し、彼はジェントルマンだった。
 ・・・と思ったけれど、翌日から、ジミー・ジョンソンのバンドで、ニューヨークツアーへ出発するので、時間がないらしい。
 
 ツアーから帰ってきた日の夜に、デートをしようと約束してくれた。

 🎉🎉🎉 わ~~~~~~~い 🎉🎉🎉



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