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殴り書き

駅のホーム、とぼとぼと歩いていた。大学に行くだけなのにものすごく疲れる。でも、これをいうとHSPとか言われる。自分にHSPという名前をつけてくくる集団も苦手だ。社会が苦手、救いがない人生。

朝起きて大学に行って講義に出てきちんと帰る。これだけでしんどい。体がいうことをきいてくれない。

私の朝は胃酸を抑える薬と吐き気どめの服薬から始まる。その前にマウスウォシュで口を濯いでたか。こうでもしないと歩きながらえずいてしまう。

私は世間で見ればそこそこいい中高一貫に入った。勉強がずば抜けてできる集団でもないので、いわゆる「変わっている天才肌」みたいな人たちにはなれない。かといってチャラつく度胸もない温室育ちの中途半端な人間を入れた箱みたいな学校だった。

その学校が嫌いだったし、クラス運も悪かったから中高は地獄だった。大学生になれば、社会に出れば世界は広いと聞いた。それだけを糧に生きた。

でも、そんなことなかった。私は大学生になり色々なバイトやインターン、社会人の方と関わる経験をした。

「いいね、君たちは明るい未来があって、いい大学入って将来も明るい」

「色々なことが出来るっていいね」

その場の空気や相手のために言うことも沢山ある。でも、どうにも私には気持ち悪くて、無理になっていった。よく考えれば彼らは学校を卒業した人間で、学校で少数派の私みたいな人間が社会で多数派なわけないし、彼らみたいなので社会は回っているのだろう。

世界は広いと言うから、世界中の人と会ってみたいと思った。でも、よく考えれば、彼らもどこかの社会共同体に属していたのだから、その共同体がよほどいわゆる「学校」と違うものでない限り私みたいな人間は少数派だ。

世界は広いが、世界中どこに行っても「人間」という生き物はいる。気持ち悪かった。自分が正しいと正当化しないと生きていけない人生だが、自分が正しいと無意識に思い込むその生き物に反吐が出て、胃酸を抑えて生きていく人生。

こんなくだらないことを頭で考えながら通学の電車をやり過ごす。こんなくだらないことを頭で考える余裕があるのも自分がそこそこ恵まれている証だろうし、それは自分が人間である証明でもある。結局環境に影響を受ける生き物。

いつかこんな気持ちに整理がつく日が来るのだろうか。そんなことを思いながら呆然と夜風がなびく木々を窓から眺めながら人間が作り出したサイトに人間が作り出した文字で書いていた。


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