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【文理選択】文系人と理系人の違いについて

 理系は論理的で、文系は非論理的だと言う人がいる。
 
 全くもって遺憾だ。文系が論理的でないというのは大間違いだと思う。
 理系の論理は目に見えるが、文系の論理は身体に染み込んでいて目に見えにくいだけである。
 もし非論理的に思えるなら、それは文系の論理を理解できていないだけだ。

 国語、数学で比較すると、そりゃ数学のほうが論理こね回して証明やら何やらするじゃないか、と思うだろう。
 
 実際論理とは何なのかというと、推論、より厳密な演繹、つまり筋道だっていることを積み上げて論じることがそれにあたる。

 そう考えると現代文の評論読解は非常に論理的思考力が要求されるものだ。
 この一節が次の文章を修飾していて、ここは反語表現で、接続詞に当てはまるのはこれで...つまりA=Bということをこの文章は言いたいのだな、というように厳しく語句と語句の関連を把握していく必要がある。
 問題用紙を見れば自分が書いたメモや注釈、補足説明だらけという人も多いだろう。

 感覚で解いている、と言っても頭の中では主語述語表現技法その他諸々言葉に表しがたい論理が渦巻いていて、全部無意識に考えた上でなんとなくこれが答えだろう、と正解に辿り着いてしまうのだ。

 国語の論理読解力は日常で読んできた文章の量や質にも左右される。

 何が言いたいかというと、問題文になっている以上は文系だろうが理系だろうが頭の良い奴は論理的で、頭の悪い奴は非論理的だということ。
 
 具象やら抽象やらロゴスやらパトスやら、呪文のような評論文を解読して見事高得点を叩き出す人たちに「非論理的」なんて言葉は似合わない。


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