バスの中で思うこと

窓に寄りかかるようにしてうたた寝をしている後ろ姿。
時々、降車停なのではと虚ろげに辺りを見回すがまだ先だとわかると夢の中へ。
髪に陽の光が降り注ぐように彼女の髪を照らす。
陽だまりの中で深い眠りに落ちる。
バスの窓の隙間から心地よい風が頬を撫でる。
行く先は分からない。
ただ彼女の姿に目が離せなかった。
バスに乗る人達の行き先は様々。
友達との待ち合わせに胸を膨らませる人。
家族と目的を果たすために淡々と乗る人。
これから先のことに思いを馳せ不安や焦燥感に駆られている人。
乗り心地の良さにただひたすらに身を任せている人。
どこへ行ってどんな一日を過ごすのだろう。
同じバスに乗る人達に思いを馳せては、ひとつあくびをしてひと眠りするのだった。

心地よいあの時間

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