サンタは痩せた方がいい

昨今の世間(主語がでかい)に蔓延る一つの代表的な風潮といえば「細ければ細いほど良い」である。

NewjeansとかIVEとか、K-POPのスターたちはみんなとんでもなく細くて可愛いくて綺麗だから、彼女らに憧れて細身を目指すのは、共感はできる。憧れの人たちのようになりたくて、ファッションを真似てみたり、筋トレしてみたり、髪型を変えてみたり、というのはいつの時代もあったと思うから。

もちろん、痩せようとしている人たちがアイドルに憧れているのか、と言われれば違うと思うけど。でも何らかの理由で痩せようとしている人は多いように感じる。

ただ、たまにSNSで見受けられる、K-POPアイドル並みに痩せたいと頑張ってる人たちには、少し行きすぎかな?とは思うけれど。ダイエットする人は健康第一でやってほしい。

そんな世間の中で、細身を目指す現代の中で、時代の風潮に流されず、長い間そのわがままボディを維持し続けた男がいる。彼は赤い服を着て、聖夜の夜に空を飛び、子供達にプレゼントを配るのだ。それは


サンタ(敬称略)


だ。


彼はつい1ヶ月前に世界中の子供達に笑顔を配っていたと思うのだけど、彼こそ痩せるべきなのではないだろうか。彼ほど痩せるべき人間はいないのではないか。いかに二つの理由を述べる。



1.トナカイが可哀想

クリスマスといえばサンタクロース。プレゼントを配るといえばサンタクロース。世界中の子供達に笑顔を届けているのはサンタクロース。これが私たちの認識だが、トナカイたちの功績を忘れてはいけない。

空飛ぶソリとサンタがいても、そこにトナカイがいなければソリは動かないのだ。トナカイも必要不可欠の大切な役割を担っているはずなのに、彼の功績はサンタに比べたら過小評価されている気がする。

そして、トナカイはその存在感の薄さにも関わらず、彼の労力は半端ではない。彼は世界中の子供達のプレゼントと、太っている成人男性を乗せた空飛ぶソリを、平均二匹で動かすのだ。このご時世にとんでもない重労働である。

皆さんは、今、トナカイに対して可哀想と思っただろう。その可哀想な彼らの負担を減らすには、子供のプレゼントを軽くするか、ソリを軽くするか、サンタを軽くするかの3択である。

まさか子供のプレゼントを減らすわけにはいかないし、ソリはおそらくこの長年の研究によって軽量化されていると思う。ここ二十年あたりの技術の進歩は凄まじかったから、携帯があれだけ小さくなっているのなら、ソリだって軽量化できるだろう。

つまり、残る選択肢はサンタがその自らのアイデンティティであるわがままボディを捨て、ナイスバディになるしかないのだ。

しかし、彼らの体系は依然としてあのままである。彼らは全くダイエットをすることなく、のほほんと髭を蓄えている。

そう思うと、彼らの笑顔が狂気的に感じる。

クリスマスの手柄を欲しいままに独占し、自らの体重を減らす努力もせず、技術者の汗と結晶の塊である軽量化されたソリに乗って、重労働者のトナカイに鞭を打ちながら、満面の笑みを浮かべる・・・

よく今までトナカイは我慢してきたな、と思う。よく頑張った。これからは大丈夫だから。いち早くトナカイによる労働組合が結成されることを願う。



2.長生きしてほしい

当然だけど、あそこまで太っているのは体に悪い。

いくら外国人だからと言って、サンタほど太っている人は何らかの健康被害は受けているだろう。肥満の域は軽く超えて、人間ドックにも絶対に何らかで引っ掛かっている。

また、若者のサンタを見たことがないことから、おそらくサンタクロースは、日本の職人界隈と同じように次世代の担い手が不足しているのだと思う。現在、サンタとして働いているのは60代あたりのおじさんが多いのではないだろうか。

60代、肥満。あんまりこんなこと言いたくないのだが、十年後あたりでサンタが一気に減ってしまいそうで怖い。予備人材もいないから、その年のクリスマスではプレゼントが届かずに泣いてしまう子もいるかもしれない。

そんなクリスマスは誰であっても願い下げだろう。

子供達に笑顔を届ける彼らには長生きしてほしい。そう、思うのだ。



サンタクロースがこの文章を読むことを願う。本当に、本当に願っている。





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