人に注目されるということ

阪神がアレして、大阪は大盛り上がり。

私はスポーツそのものへの関心は比較的薄いのだけれど、スポーツに熱を上げる人々の心の動きには関心がある。自分の生活の足しになるとは限らないことでもあれだけ盛り上がって、応援 できる/したくなる というのはなかなか興味深い。

どんな事業でも、結局一番お金がかかるのは広告費で、裏を返せば、要は人に注目してもらえれば、モノが良いものでなくとも売れてしまうようだ。

格闘技ではBreaking Down(ほとんどの選手がアマチュアの1分間の殴り合いの大会)が注目を集めていて、出場選手はパンツスポンサーだけでもRIZIN(プロしか出られない、総合格闘技の国内最大級のイベント)の選手より稼げているらしい。
(念のため言っておくと、技術の高さではなくエンタメとしてのクオリティがBreaking Downの売りなので、これを批判するつもりはない。)

学術関係のアウトリーチでも、結局難しいのは人に見てもらうという部分。
その部分をクリアさえしてしまえば、"CO2回収装置 ひ○っしー"みたいなエセ科学ですら一定数の人を騙せてしまって、公的な委員に名を連ねることに成功してしまう。

話を戻して、阪神について。
ストーリー性がコアな人々を熱狂させ、人が集まることでよく分かっていない人も集まっている、という構造のように思う。
阪神は強くはない

優勝するか?と思われる年も、期待されると成績を落として優勝を逃すという流れが定番化

優勝という言葉を使うのがタブー化、各紙"アレ"で統一するほどに

18年ぶりの優勝
それだけ優勝できていなかったんだから、応援していた人はそりゃ熱狂もしますよね。

真っ当に研究をして、その分野ではそれなりに評価してもらえていても、それが基礎研究の場合は直接的にはお金には繋がらない。アカデミアの若手の賃金の低さが問題視されているけれども、その賃金を上げるためにはどこかからお金を引っ張ってくる必要があるわけで、そのためには注目を集める術を持っている人/団体から学ぶ必要があるのではないか?
(真っ当に評価されるためには、その方法がペテンであってはいけないというのは注意しないといけない。)
スポーツやエンタメが注目されるのは、そこにストーリーがあるからで、研究でもそこにストーリー性を乗せることはできるはず。

アカデミアが科学のアウトリーチをする上では
・アウトリーチ相手の層の想定を明確にする(中高生?企業?一般参加者?)
・ストーリー性を乗せる(○○年未解決だった問題、〇〇が難点だったが、誰々と誰々の貢献を重ねて、最終的に〇〇の手法を組み合わせて解決されました!)
・一般の人が聞いてわかる言葉で説明する(専門用語は最小限に)
・集客力が担保されている人を呼び、まず注目している人の第一陣を集客する。
くらいは最低限必須。

何はともあれ、面白いと人に思ってもらえないようでは、人を集めることなど不可能だよなぁ・・・と考えていたら、そもそも「面白い」って何なのか分からなくなりました。


面白いって何?

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