室井光広日録(12)
2006.1月1日(日)くもり。庚寅
くすりとわらってクスリをやめた――元日。
蓑ひとつだに無きぞかなしき…という歌がひびく夢…。
山野河海にホネをまくような、そのような書き方。本をつくってヤマを誇示(頂上制ハをみとめてもらう)することからひそかに遠ざかり、ヤマをおりつづけることを<書くこと>とする歩み方。
文壇人からも大学人からも遠くはなれた野をめざす…そのためのチカラを与えたまえ、と紙神にねがいたてまつる。元日の、いのり。ヤマと平地のあいだの斜面の「/」をしずかに歩む晩年