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わたしのお掃除システム

我が家は夫婦共々自宅マンションで仕事をしています。いわゆるSOHO。
私たちは誰かのためにモノや空間をデザインする仕事をしていますが、
我が家は誰のためでもない自分たち自身のために思い通りにかたちづくる、
自由な創作の場。モノをつくりだしたり考えたりする実験室なのです。

SOHO暮らし

この暮らしのスタイルは、1日の時間を目一杯まるごと使っている感じ
なので、公私のメリハリをつけるのが大事です。

家はちょっと変わったつくりで、4つの部屋が「2つのワークルーム」と
「リビングダイニングとキッチンとベッドルーム」と左右に振り分けられていて、間を廊下がつないでいます。
しいていえば、この廊下が職と住を分けている感じ。今は作品展示の
ギャラリースペースも兼ねています。
1日24時間自宅にいる生活、うまくバランスがとれるようになると、
家事は気晴らし、気分転換になり、リラックスした状態で仕事が出来ます。
そして何より家事、つまり料理も掃除も洗濯も、仕事と同じくらい
クリエイティブなのだと気づきます。お掃除や片づけにはモノを生み出す
ためのたくさんのヒントがあるのです。

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いつもきれいに

というわけで職住一緒のSOHOゆえ、家には打ち合わせなど仕事関係の
人たちもやって来ます。なので、いつも家のなかはすっきりしているよう
こころがけています。
もちろん家が片づいていて一番気分がいいのは、住んでいる本人たちですが、公私にかかわらず人が訪ねてくるというのは、一定の緊張感というか
客観的な視点をもたらすので、家をきれいに保つのに効果があります。
友人や知人を招ぶ食事会は、暮らしを演出して楽しむ機会にもなります。

イタリアでは人を招んだ時、まずひと通り家の中を見せる習慣があります。手荷物やコートを置く場所やバスルームを案内する目的もありますが、
家を見てもらうのは、自分たちのことを知ってもらうコミュニケーションの手立てでもあるのです。

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お掃除システム


我が家では大掃除がありません。大掃除はしたくないからです。できるだけ最小の掃除で最大の効果を生みたいと考えた結果、なんとなくシステム
らしきものが出来ました。
毎日のルーティンの掃除を基本に、週1回、月1回の掃除。それと最も肝心
なのは、汚れやゴミを見つけたらすぐに拭き取るか、捨ててしまうこと。

後回しにするほど掃除はおおごとになります。すぐその場なら、秒単位で
すみます。それには掃除の道具をさっと出せるようにしておくことも大事。もうひとつのポイントは家の中のモノに定位置を与えること。
場所さえ定まっていれば、使ったらもとに戻せばいいのです。
単純なことですが、この継続こそが結果を生みます。
そうそう、それから引っ越しの時、盛大にモノを処分したことも大きい。引っ越しは暮らしをクリーンアップするまたとないチャンスです。

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毎日のルーティン掃除とプラスワン掃除

毎日の掃除はごく簡単。朝食の後、洗濯機を回しながら約15分間。
主に床用箒で掃き掃除、ゴミをまとめたり、洗面ボウルやトイレなど
水まわりの拭き掃除です。
仕事がとても忙しい時はしませんが、このルーティン掃除になにかテーマを決めてプラスワンします。
例えば、家中のドアの把手とスイッチプレートだけ磨くとか、絨毯の埃を
払うとか、カップの茶シブを抜くとか、鍋を磨くとか、ベッドカバーや
クッションカバーの洗濯、郵便物の選り分けと整理、など。
当然ですが1日ひとつやれば1週間で7つ、確実にきれいになるというわけ。いっぺんにいくつもやろうとすると億劫になって続きません。
「今日はシーツとピローケース洗濯したからクリア」という具合です。

時に気持ちがクサクサする時は、お掃除解消法をおすすめします。
体を動かす床の拭き掃除などはエクササイズ代わりにもなるし、
鍋磨きはひたすら集中できて雑念も払われます。ピカピカになった鍋には
大いに達成感もあって、気分もすっきり爽快に。
気分も家もクリーンアップできて一挙両得です。

バスルーム


バスルームこそ清潔にキープしたい場所なので、こまめにメンテナンス。
とにかく水気を残さないことに尽きます。バスやシャワーは使ったら、
窓ガラス拭き用のスキージでタイル面やガラスの水気を取ります。バスタブはバス専用洗剤をブラシにつけ、軽く洗い流すだけ。

出しっぱなしでも絵になるブラシをはりこんで、すぐ手に取れるようにしておきます。
洗面ボウルも1日1回洗剤でさっと洗うほか、使うたびに乾いた専用タオルでくるくると水気を拭き取ってしまいます。
拭き取り用タオルもすぐ使えるように掛けてあるので、ついでに鏡も拭いてしまえば、わざわざ磨く必要もなし。
トイレの掃除もこまめにすればラクチンです。
日常的には専用拭き取りシートと専用クレンザーで。プラスワン掃除で、時々クエン酸を使って洗面&トイレまわりの拭き取り掃除をします。
慣れてしまうと面倒ではないし、ほんとにあっという間です。
バスルームはすべて白いタイル貼りですが、この拭き取り作戦に加え、
グレーの防カビ剤入りの目地なのと、換気の窓をつけたせいかカビが発生
することはありません。

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キッチン

食器や道具が多く、最も使用頻度が高いキッチンは、モノの定位置を
はっきりさせておくことが大切。

棚にきちんとしまうモノ、ざっくり引き出しにまとめておくモノ、
すぐ使えるように出しておくモノ、と収納にメリハリをつけています。

調理をしながら、使い終わった道具などはどんどん洗っていき、料理が
出来上がった時点でざっと片づいているというのが理想的。
ここでも拭き取り作戦が基本です。ふきこぼれや飛んだ油なども、
すぐに拭き取れば簡単。使い終わったペーパーナプキンはストックして
おき、拭き取り用に再利用してから捨てます。
夕食後の洗い物はいつも夫のイサオ君が手伝ってくれるので速攻です。
洗って拭いたそばから食器を棚に戻せば、いつも初期設定モード。
食器の収納は、和食器、洋食器、グラス類、お茶の道具、にカテゴリー分けしています。
プラスワン掃除はシンクや水栓周りを磨いたり、鍋磨き、樹脂タイルの床掃除、レンジフード掃除。
キッチンでは中性洗剤、クレンザーの他に重曹が活躍します。

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週1月1の片づけ


やや念入りな掃除は週1回クールで。掃除機をかけるのはイサオ君の担当。
そのほか、フローリングの床拭きや窓ガラスなど面積モノは基本男の仕事
です。その間、ふだんよりややていねいな拭き掃除と水まわりの掃除をしておしまい。所要時間はふたりがかりで約30分。

月1回と決まっているわけではないけれど、およそこれくらいのタイミングでふだんできない片づけものをします。
例えば雑誌の整理、トランクルームや納戸の片づけ。ストーブや絨毯を
しまうなどの季節もの。衣替えの時期には、着なくなった衣類を処分しつつついでにクローゼットの片づけ。最近は玄関の靴の戸棚を整理しました。
ここでも、なにかテーマをひとつに絞ることが重要。
あれこれやろうとすると大変で、結局モノになりません。


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デザイナー、美術家、料理家。イタリアはヴェネツィアに通い、東京においても小さなエネルギーで豊かに暮らす都市型スローライフ「ヴェネツィア的生活」を実践しています。ヴェネツィアのマンマから学んだ家庭料理と暮らしの極意を伝えます。