見出し画像

「部活一筋少年が、AIを研究し、博士課程を修了した理由とは。」 エンジニア・中村 凌 l\\てんちびとインタビューVol.24

皆さんこんにちは! 天地人の学生インターンの鈴木です。
 
天地人(てんちじん)は、衛星データを使った土地評価コンサルを行っているJAXA認定ベンチャーです。地球観測衛星の広域かつ高分解能なリモートセンシングデータ(気象情報・地形情報等)や農業分野の様々なデータを活用した、土地評価サービス「天地人コンパス」を提供しています。
 
今回は、てんちびとインタビューの第24弾として、天地人のデータサイエンティスト 中村さんにインタビューします! 月1回、天地人の社員を紹介しています。
 

中村 凌(なかむら りょう)プロフィール
佐賀県出身で、大学時代はAIを研究。
天地人では、インターンとしてAIおよびデータサイエンスに関するプロジェクトに参画。
この春から、天地人にエンジニアとして本格ジョイン。
息抜きに、筋トレサウナ買い物のルーチンワークをこなす。
好きな野菜は、白菜。

大学受験、E判定からの逆転合格。

まずはじめに、博士課程のご卒業、おめでとうございます。つい先日、博士論文審査会があったそうですね。

ありがとうございます。博士課程は業績や基準が認められないと卒業できないので、かなり緊張しました。
今年卒業できなければ、天地人からの内定や、博士課程でいただいた奨学金など、いろいろ問題が起こってくるので、とにかくホッとしています(笑)

それでは、高校時代のお話を聞かせてください。

私は、中学時代から部活でソフトテニスに打ち込んでいて、高校を決めるときも、中学時代に強かった先輩が進学した高校を選び、ソフトテニスを続けていました。

運動に打ち込んでいたんですね。

そうですね。スポーツでは、優勝という目標を立て、その目標に向かって頑張ることが好きでした。
自分一人で頑張るというよりも、仲間と目標に向けて頑張ることが好きだったんですよね。このときは、運動にとにかく打ち込んでいました。

ただ、運動の傍ら勉強にも興味が湧き始めていました。
私が通っていた高校は、地方の普通科高校で、そこまで勉強に打ち込むタイプの学校ではなかったので、教科書を読み込んで勉強すると成績が目に見えて上がったんですよね。

それが自信になって勉強を頑張るようになったのを覚えています。

勉強にも打ち込むようになったんですね。

勉強も頑張るようになると、部活の仲間とは別に、勉強を一緒に頑張る仲間ができ、自分の中で、勉強に打ち込む空気感ができました。
このとき、目標に向けて頑張ることで仲間が集まってくるのは、部活と同じだなと思いましたね。

大学受験までの話を聞かせてください。

私は数学が比較的できたので、理系クラスに進むことにしました。
その流れで、いろんな経験ができそうな理系の総合大学を第一志望に選びました。
選んだ当時の第一志望校の最初の判定はE判定で、ボーダーにすら届かなかったです。

でも、高校生って、無敵の自信があるじゃないですか(笑)

その謎の自信を胸に秘めて、放課後や休みの日に仲間と勉強を頑張ることを続けることで、晴れて第一志望校へ合格することができました。
今振り返ると、目の色を変えることで、本気で合格を目指す仲間と巡り会えて一緒に頑張ることができたから合格できたのかなと思っています。

大学入学後、恩師との出会い

大学時代のお話を聞かせてください。

最初は、とにかくバイトと遊びに明け暮れてました。バイトで集めたお金で、ボーリング、カラオケで徹夜など、「the 大学生」なことに明け暮れていましたね。サークルも中学校から続けていたソフトテニスを続けていました。
ですが、恩師となる、研究室の指導教員に出会って考え方が変わりましたね。

どんな変化があったのですか?

研究室に入った当時、その場の雰囲気で物事を考え、生きていたので、語彙力がありませんでした。

その指導教員に、「本を読みなさい」と言われたんですよね。
当時は勉強しなさいというくらいに捉えていましたが、今思うと「言葉の表現力を鍛えろ」ということだと思います。
言葉の表現力が乏しいと自分の気持ちすら正確に理解、表現できないですし、理解、表現できないから物事の正しさを判断することができないんですよね。

もう一つ、「最近自分が取った行動を正しいと思えるか」も、心に残っています。
判断を下すため、人の評価に左右されず、多方向な視点からの判断とそれを評価する力を自分の中に持つ必要があると言われたことがあって。
この言葉は、特に印象に残っていますね。

就活はしたのですか?

学部生のとき、卒業するか、進学するか迷いました。
就活もしていたので、今後の人生を考え、バイトをしながら大学で学ぶか、給料をもらいながら会社で経験を積むか、その2つを天秤にかけたとき、素晴らしい先生と巡り会えたので、そのままその先生と研究ができる修士課程で積む経験のほうが魅力的でした。なので、大学院への進学を決めました。

修士課程での研究はどうでしたか?

修士課程のときも、指導教員とコミュニケーションをしっかりと取りながら研究に打ち込むことができていたので、学会で表彰される機会にも恵まれました。
当時の目標は、個人でお金を稼ぐことが目標だったので、SNSなどでの自己アピールや、情報収集などに積極的に取り組んでいました。

そのSNSつながりで、産総研(AIST:産業技術総合研究所)の研究者に、学会で表彰されたときにDMをいただき、2人でお話をする時間が生まれたんですよ。

その研究者とお話する前は、博士課程への進学は考えておらず、修士課程で卒業して就職しようと考えていましたが、話してみて、博士課程への進学の気持ちが大きくなりました。

なぜ進学の気持ちが大きくなったのですか?

その研究者に、産総研のリサーチアシスタントとして雇っていただけるというお話を頂いたからですね。
産総研では、最先端の研究に打ち込めるのはもちろん、研究を社会実装できると感じました。
他にも、博士課程への進学を見据えると、金銭的な課題がありましたが、産総研から給料をいただけることも大きかったですね。

産総研に行き、環境が変わることに対してはどう思っていましたか?

修士課程まで地元暮らしだったので最初は寂しい気持ちでした。
ただ私にとって修行期間という意味合いが大きかったので、成長するぞとという気持ちでつくばに行きました。

恩師である研究室のボスから、産総研に行くにあたってかけられた言葉はありましたか?

私の研究室のボスは、元々つくば産総研で働いていて知り合いもいたので、「会いに行くね」という感じで送り出されました。私もボスが昔在籍していた所で働けるのはとても嬉しかったですね。

天地人では、いつからインターンしていたのですか?

私が天地人で働き始めたのは、ちょうど博士課程への進学を決めた頃です。
産総研の研究者のコミュニティの中で、天地人が募集をかけていたんですよね。
そこに応募して働くことが決まりました。天地人で働くことが決まり、金銭的な課題もクリアし、博士課程に進学したほうがいろいろな経験を積むことができるなと思いました。

天地人ではどんな仕事をしているのですか?

天地人では、通信衛星用の気象予測をするため、機械学習による予測システムを開発するプロジェクトのデータサイエンス部門のチームリーダーをやっています。
他にも、天地人コンパスの類似度分析機能のアルゴリズムを開発しました。


学会発表する中村さん

部活一筋高校生が、博士課程へ。改めて振り返る。

大学受験ではE判定を覆し、修士課程では学会賞を取り、博士課程をストレートで卒業する。すごく難しいことだと思います。

私がすごかったとかではなくて、ただただ人の運に恵まれたという要素が大きいです。
中学の部活では、自分の本気さを伝えるために「目の色を変えて練習しろ」と言われていました。
今振り返ると本気で頑張ってる人は多くの人が手助けしたくなるものですし、私もその想いに答えたくて日々の行動一つ一つを積み重ねてきた結果が良い方向に転がってくれたのだと思います。

博士課程を卒業し、天地人に入ることを決めた理由を教えてください。

理由は色々あります。
まず、天地人は色々な経験を積ませてくれるということが大きかったです。他の企業は、人間関係やポジションなども不透明なことも多いですし、大手企業も貴重な経験を得るために時間がかかるので、リスクとできる経験を踏まえると、天地人はすごく良い会社だと思いました。
他にも、会社のメンバーが好きでしたし、会社の成長に貢献したいと思い、天地人に入ることを決めました。

天地人に入るまでは、勉強や、テニス、研究などでも結果を個人競技として積み重ねてきました。ただ会社では個人競技主義だと、出せる成果に限界があるのでチームとしての仕事の進め方は、学びがあります。

任せてもらっているデータサイエンスのリーダーでは、どうやってモチベーティブに声がけをできるか、学びを与えるか、そして成果を最大化できるかなど、自分の意識に変化が起こったと思います。

これからの意気込みを聞かせてください。

研究では、データ分析、画像分析を専門にしてきたのですが、
天地人に入ると、AIを使う事自体は変わらないですが、扱うデータに関する専門性が変わります。来年度からは新しい専門性を高めて、天地人で働きたいと思ってもらえるような、すごいエンジニアになれるように頑張りたいです。

最後に一言どうぞ。

宇宙AIニキに俺はなる!!

 
以上、中村さんのインタビューでした。
これからも天地人のメンバーにインタビューしていくので、お楽しみに!
 
 
天地人では、衛星や地上の様々なデータとAIを活用して、課題解決に向けて情報分析、ソリューション提供を行っています。ご質問等ございましたら、info@tenchijin.co.jp までお気軽にお問い合わせください。
 
株式会社天地人では一緒に働く仲間を募集しています!

https://www.wantedly.com/companies/company_5025838/projects