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天地人コンパスを使って、京都と気候が似ている「リトル京都」を探してみた!〜「リトル京都」で京野菜は食べられる?〜

天地人は、衛星データを使った土地評価コンサルを行っているJAXA認定ベンチャーです。地球観測衛星の広域かつ高分解能なリモートセンシングデータ(気象情報・地形情報等)や農業分野の様々なデータを活用した、土地評価サービス「天地人コンパス」を提供しています。

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今回のテーマは、天地人コンパスの類似度分析機能を使って、京都と天候が似ている「リトル京都」を探すこと、そして「リトル京都」で京野菜が食べられるかを明らかにすることです。

今回は以下の記事で紹介されている天地人コンパスの「類似度分析」の機能を使い、気候(地表面温度・降水量)に着目をして「リトル京都」を探していきます。

ちなみに、一般的な「小京都」の定義は全国京都会議によって定められており、次のいずれかの条件を満たすことが必要となります。
①京都に似た自然景観、町並み、たたずまいがある
②京都と歴史的なつながりがある
③伝統的な産業、芸能がある
今回は「小京都」の定義には含まれていない気候の類似性に着目して、「リトル京都」を探してみました。

京都はどんな気候?

みなさんは京都に行ったことがありますか。京都在住の方、またそうでなくても修学旅行などで一度くらいは訪れたことがある人も多いかもしれません。まずは、京都府の県庁所在地である京都市の気候について、季節別に紹介していきます。

※地表面温度と気温:地表面温度は地面や水面など地球の表面で直接測定される温度を指しますが、気温は地上1.25〜2.0mの大気の温度のことを指します。
参考資料:https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kion.html

京都市の気候

春(3~5月)

  • 日中の地表面温度の範囲:22.8℃~31.4℃

  • 夜間の地表面温度の範囲:8.3℃~15.1℃

  • 月別平均降水量:358.9mm~441.1mm

  • 昼間は暖かい日もありますが、夜は肌寒い日が多いです。6月の梅雨の時期ほどではありませんが、他の季節よりも各月の降水量が多いことがグラフからも分かります。そのため、お花見目的で京都に行かれる場合は、こまめに天気予報を確認しましょう。

夏(6月~8月)

  • 日中の地表面温度の範囲:36.2℃~38.6℃

  • 夜間の地表面温度の範囲:21.2℃~26.2℃

  • 月別平均降水量:115.2mm~490.7mm

  • 昼間は非常に暑く、熱中症に注意が必要です。また夜間の気温も25℃以上と高くなる日が多いです。梅雨の時期である6月に一年で一番雨が降り、梅雨が明けた後は急激に降水量が減少します。

秋(9月~11月)

  • 日中の地表面温度の範囲:17.5℃~35.2℃

  • 夜間の地表面温度の範囲:9.0℃~20.7℃

  • 月別平均降水量:38.5mm~174.2mm

  • 9月はまだ暑い日が続きますが、10月になると一気に気温が下がります。また9月は一年の中で降水量が一番少ない月となっています。気温と降水量を考慮すると、10月が一番天候に左右されず観光できる月と考えられます。

冬(12月~2月)

このように、京都は三方を山に囲まれた盆地であるため熱気や冷気がたまりやすく、「夏は暑く、冬は寒い」と言われることがあります。そのため京都にお出かけの際は、その日の気温に合った服装を心掛けましょう。

全国各地と京都の気候の類似度分析

ここからは天地人コンパスの「類似度分析」機能を用いて、京都の気候と似ている「リトル京都」を探します。比較期間は2021年1月から12月の1年間です。ここでは6つの地域区分ごとに紹介していきます。
※比較対象を選定するにあたって、気候の特徴が似ていると考えられる盆地を数か所含んでいます。また市を選定している場合には、市役所を地点としています。

北海道・東北地方

比較対象は以下の5地点です。
①富良野市(富良野盆地)
②盛岡市
③仙台市
④山形市(山形盆地)
⑤会津若松市(会津盆地)

北海道・東北地方の「類似度分析」

結果は以下の通りです。総合評価を見ると、上記の5地点で京都と一番気候が似ているのは③の仙台市(84%)であることが分かります。
<類似度分析結果>
①富良野市(富良野盆地)→63%
②盛岡市→73%
③仙台市→84%
④山形市(山形盆地)→80%
⑤会津若松市(会津盆地)→78%

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