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大阪生まれ・育ち。日本と米国のメディアで40年間、記者活動。ニューヨークで4年間の特派…

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大阪生まれ・育ち。日本と米国のメディアで40年間、記者活動。ニューヨークで4年間の特派員活動をし、米国メディアの東京支局では社内公用語は英語の中で18年間も勤務したが、英語で苦労。60歳を過ぎて国際関係学で修士号取得。古武道で心身鍛錬。

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老犬ラック

    • まだ生きていますよ!-ある「高齢者」

       身内の死去に際して「大往生ですね」と一回だけ言われたことがある。20年前に母が83歳で亡くなった時だった。相手は職場の同僚で、格段違和感はなく、素直に受け止めた。ところが、最近、「身内の高齢者」についてまだ生きているにもかかわらず、年齢を聞くなり、「大往生ですね」と2人の知人から言われた。  「大往生」の言葉をちょっと調べたが、使う時注意が必要だ。ある葬儀会社のホームページでは、平均寿命より長生きしたときに使用するが、長寿大国の日本の場合、80歳半ばを過ぎたら大往生と捉え

      • 「すうどんでっせ」

         「すうどんでっせ」。ワイルドな名前に引かれて買ったカップ麺。1960年代初めのころ、大阪では「かけうどん」ではなく「すうどん」といったものだ。お好み焼きも、イカ、肉などのトッピングはなし、生地は卵を混ぜないタイプで、「素焼き」と呼んだ。それでも子供のころに食べた、すうどんや、素焼きの「おふくろの味」ならぬ、「大阪の味」は忘れられない。  この二つの味は我流ながら研究したが、とりわけうどんには思い出がある。20代前半、東京での独り暮らしが慣れたころ、講談社の「若い女性」とい

        • Norwegian Wood「誤訳」再考

           バイオリン奏者の高嶋ちさ子氏の父親、高島弘之氏が音楽業界にいた時、ビートルズの名曲、「Norwegian Wood」を「ノルウェーの森」と訳したというエピソードはウイキペディアなどで読んで知っていた。過日、テレビ番組でご本人がこの訳を話題にし、英語力不足などと恐縮されていたが、以来、このwoodのことが気になり、ちょっと調べてみた。 焦点の1つになっているのは誤訳ではないかという点だ。基本を整理するために、いくつかの英英辞典で再確認したら、中学か高校で習った通り、複数のw

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        老犬ラック

          カタコト日本語で頑張ります

          東京から長崎までの旅 知人の米国人が日本国内を旅行中だ。東京、広島に続き、19日、長崎入りした。広島から新幹線に乗ったが、3回も乗り換えるトラブルに見舞われたそうだ。日本語がほとんどできない。★本人によれば、東京、大阪当たりまでは英語で見知らぬ人に聞いても10人中8人は英語でおしえてもらうことができたが、南下するに従って、その比率は低下し、きょうはゼロになったらしい。 片言の日本語 ★それにしても、広島駅で博多行の列車は駅の掲示板で確認後、乗車したら、あとはそのまま博多

          カタコト日本語で頑張ります

          老犬ラックに声かける人たち

           愛犬のラックを連れて埼玉県の森林公園に行ってきました。ダックスフントのオスで15歳のおじいちゃんです。あと3カ月で16歳になります。自然の匂いがいっぱいして猟犬の野生の本能がよみがえるようで、ラックが大好きな公園です。最近は足腰がすっかり弱くなって公園ではそんなに歩きませんでした。特に上りの坂はきつかったようです。  途中ですれ違う若い犬仲間はすいすいと上っていきます。  ラックの若いころを思い出しました。元々公園の散歩は好きだが、ぐんぐんと歩き回るタイプではなかったです。

          老犬ラックに声かける人たち

          英単語のbuzzと「バズる」の関係

          6日付の日経夕刊の英語学習者を対象とする連載記事「Step up English」の「Quick Lesson」に書かせていただきました。この欄には英単語の由来などを書いていますが、今回はbuzzを取り上げました。 ハチ、蚊のブーンが由来もともとはハチ、蚊などの虫が羽でブーンと音を立てながら飛ぶことを意味する動詞のbuzzが語源で15世紀後半から使われ始めました。その後「ざわめく」「うわさなどを広める」などの意味も加わり、名詞では「ざわめき」「ゴシップ」なども意味するように

          英単語のbuzzと「バズる」の関係

          90年代初めのニューヨークの思い出ーボトルマン

           最近、ニューヨークのタイムズスクエアで発砲事件が起きたとの記事を見て驚いた。私は90年代初めにマンハッタンの中心部で日本企業の駐在員として働いていたが、治安の悪さが定説になっていた当時でも街中での発砲事件はなかったからだ。  それでも多少の危ない目には幾度かは遭い、危ない目に遭う日本人らを目撃することもあった。当時、なぜかしら日本人が狙われた事件では「ボトルマン」恐喝事件が有名だった。容疑者はだいたい、アフリカ系米国人の男で、日本人に当たったふりをして、紙袋を落とす。地面

          90年代初めのニューヨークの思い出ーボトルマン

          英単語flaw「欠陥]の便利な使い方

           写真は10日付の日経夕刊に書かせていただいた拙稿です。毎月一回、英単語の用法などについて執筆していますが、今回はflawを取り上げました。以下のようにnote用に編集、加筆しました: 語源はflaga(石板) flawは8世紀から15世紀にかけてスカンジナビア人らが用いていた古ノルド語のflaga(石板)が語源とされ、16世紀後半からはdefect(欠陥)、fault(欠点)の意味も表すようになったようです。mistake(ミス)、blemish(傷)などの意味もあり

          英単語flaw「欠陥]の便利な使い方

          pitchの意味あれこれー「投げる」「売り込み」などなど

           日経新聞の13日の水曜日夕刊に英単語の用法などについて書かせていただだきました。今月はpitchを取り上げてみましたが、その記事を参考にnote向けに執筆しました。 語源は古英語のpiccean  pitchを使ったイディオムで成り立ちがわかりづらいのが「テントを張る」を意味する“pitch a tent”です。記事に書いてあるように、実はpitchは5世紀から12世紀にかけて使われた古英語のpiccean(「prick=刺す」の関連語)が語源との説があります。テントを張

          pitchの意味あれこれー「投げる」「売り込み」などなど

          田辺先生から人生初の英語学習

           その英語の先生は田辺先生だった。中学に入学後の初めての英語の授業。田辺先生は教室に入ってきて正面の黒板前の教壇から笑顔を浮かべながら、英語で何かを話した。  「Good morning, everybody.」。確かこんなことを言ったと思う。  クラス中の生徒が反応した。  「分かれへん」。  これが英語学習の始まりだった。まったくゼロからのスタート。日本語とは言語的に余りにもかけ離れている英語。日本人には使いこなすのが極めて難しい英語。そんな英語の特性なんか知る由もなか

          田辺先生から人生初の英語学習