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【ルヴァンカップPO第1戦】FC東京 1-2 広島

■ 2024年6月5日(水) 19:00キックオフ
■ 味の素スタジアム

ホーム&アウェイでの対戦となるルヴァンカップ・プレーオフラウンドの第1戦。ヴェスパで味スタに乗りつけた。昼間は暑かったが夜は肌寒ささえ感じる爽やかな気候となった。

東京は、長友、松木、野澤大、バングーナガンデ、荒木、佐藤が代表に呼ばれて不在。このため2種登録した中野、尾谷をベンチに入れた。白井、遠藤、小柏はメンバー外。白井は負傷で6週間の離脱が発表されている。


布陣

波多野
安斎 木本 トレヴィザン 徳元
高 小泉
シルバ 仲川 俵積田
オリヴェイラ

前半

立ち上がりは東京がボールを握り、パスをつなぎながら敵陣でチャンスを作る。両サイドを起点に攻撃を試みるが、中央は広島の守備も厚い。5分過ぎからは失ったボールから広島の攻撃を受ける時間も徐々に増え始め、拮抗した戦いになる。

10分、左サイドから速いクロスを入れられ、中央で頭で合わされて失点、0-1と早い時間帯に先制を許してしまう。左サイドからフリーでクロスを入れさせてしまい、中央ではほぼノーチャンスだった。

さらに直後の11分、自陣でハイプレスを受けてボールを失い、カバーが混乱したところでファーに送られたクロスを流しこまれてたて続けに失点、0-2とあっという間にリードを広げられる。失い方、そのあとの対応ともにつたない、お粗末な失点だった。

2点のリードを得た広島がややプレスを緩め、リスクマネジメントに重点を移した分、東京がボールを持てるようになり攻撃が形になり始める。最後の精度を欠きゴールには至らないが主導権を取り返したように見えた。

23分、ショートカウンターで仲川が持ちあがり、並走したオリヴェイラにスルーパスを出すと、これを追ってエリアに入ったオリヴェイラが敵GKに倒されてPKを獲得。25分、オリヴェイラがいつものアレでGKの逆を突きPKを決めて1-2と1点差に。

その後も東京がボール保持から攻撃をしかけるが、俵積田の切れこんでのシュートがことごとくブロックされるなど決め手を欠く。シルバも前半終了間際にたて続けにシュートを放ったが決めきれず、1-2で前半を終えた。

お粗末すぎる失点(特に2点め)で追いかける展開となりムダにバタついた。前半のうちにPKで1点を返せたのはよかったが流れからは決めきれていない。仲川、オリヴェイラに余力があるうちに追いつきたい。

後半

後半に入っても東京がボールは持つもののエリアでは広島のブロックが厚い。広島の攻撃は散発に抑えているが、互いに有効打、決定打がでないままにらみあう膠着した展開になる。交代で流れを引きよせたいがベンチのメンバーも限られている。

71分、仲川と俵積田に代えて原川と中村を投入。安斎が左ウィングに上がり、原川はそのままトップ下に入った。引き続き東京のポゼッションゲームになるが崩しきれずシュートは遠めからが多くなっている。大きな見せ場がないまま試合は終盤へ。

87分、シルバに代えて野澤零を投入、そのまま右ウィングに入る。90+3分、原川がオリヴェイラとのワンツーで裏に抜けだし、右サイドを並走した野澤零にドンピシャのラストパスを送るが、野澤零のダイレクトでのシュートはファーに外れる。決めるとしたらここというシーンだったが決めきれず。

結局7分のアディショナルタイムもゴールは遠く、序盤に喫した失点が重く響いて1-2のスコアでファーストレグを終えた。厳しい展開となりベンチに置いた若手を試すことはできなかった。

戦評

立ち上がりに流れを自分たちのものにしきれず、早い時間帯に続けざまに失点して難しい試合になってしまった。その後流れ自体は徐々に呼びこみ、PKから1点は返したものの、リスクマネジメントを徹底する広島を崩せず、絶好機も決めきれずにビハインドを詰められないままセカンドレグに希望を託すことになった。

シュート数12-16、CK2-4、ポゼッション62-38と、ボールは持ったものの、追いかける展開で広島にうまく逃げられた感が強い。しつこいようだが失点があまりにお粗末で、そのうえ流れからゴールできないのではどうやっても勝てないのはものの道理だ。

いない選手のことを言ってもしかたないし、実際攻撃では形も作れていただけに、最後のところで決めきれなかったことを真摯に検証してセカンドレグで取り返すしかない。せめて同点で後半に入っていればという試合だった。

俵積田がボールを持つとスタジアムが沸くのはうれしいが、そこからのしかけがすでにかなりスカウトされており、縦を切られて中央に切れこんでも枠に強いシュートが飛ばせていない。ここからもうひと山越えられないと結果につながらない。サブとしての起用の方が効くのではないか。

野澤零はカップ戦を中心に出場機会を得ており、この試合でも貴重な攻撃の手札として終盤に投入されたが、絶好機に決めきれなかった。起用された試合では必ずシュートを放っており、正しいタイミングで正しい場所にいることはできているということだと思う。ここの乗り越えないとプロとして先がない。俵積田とは逆に、先発させてもいいのではないか。

徳元はいいパスセンスがあり、またロングスローやプレースキックでも特徴を出したが、ビルドアップの判断がひとつ遅く、ダイレクトではたけていないのが難点。寄せも行くか行かないか呼吸がひとつ遅れるシーンが散見された。センスはあり続けて使えば絶対にチームのプラスになる選手だと思うが。

トーナメントなので内容よりも結果。ファーストレグはいつでもモチベーションのもって行き方がむずかしく、大敗さえしなければあとは次の試合でみたいな感じになりがち。1点のビハインドはまだ何が起こるかわからないスコアではあるが、もちろん楽観できるわけではない。

日曜日にアウェイでの対戦となるが、用兵も含めてどう修正してくるのか楽しみにしている。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
波多野(4.5) 失点するとテキメンに不安定になるときある。
安斎(5) いろいろやらせて申しわけない。
木本(5) 最後痛そうだったけど大丈夫か。
トレヴィザン(5) リスクはあるが代えが効かない。
徳元(5) ロングスローは夢がある。
高(4.5) 今日も受け続けてくれた。
小泉(4.5) そろそろ休ませてあげて。
シルバ(5) 使い続けたい。成長している。
仲川(4.5) 降りてくるようになって全体が安定。
俵積田(5) 強いシュートを枠に。
オリヴェイラ(4.5) 毎度心臓に悪いPKだが決めた。
===
原川(4.5) 野澤零へのパスだけで給料取れる。
中村(4.5) 復調を印象づけた。先発も見たい。
野澤零(-) 時間短し。ここが踏ん張りどころやぞ。

遠藤、小柏はなにしてるのか。

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