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【Jリーグ第9節】札幌 0-0 FC東京

■2022年4月16日(土) 13:00キックオフ
■札幌ドーム

ちょうど関西に帰省する移動中でリアルタイムでは見られず、当日夜にDAZNで時差観戦した。ネットを見る機会自体が少なかったので情報遮断も問題なかった。

東京は前節浦和とスコアレスで今季初めての引き分け。週央にはルヴァンカップの湘南戦でメンバーを入れ替えたとはいえ1-2で負けており、公式戦2試合勝利がない。アウェイだがしっかり勝ち点を積み上げたいところ。

ルヴァンカップにも出場した小川が先発、また前節欠場の木本、負傷退場の渡邊ともに重傷ではなかったようで先発メンバーに入った。前線は永井と渡邊となった。

フォーメーション

スウォビィク
長友 木本 森重 小川
安部 青木 松木
永井 オリヴェイラ 渡邊

前半

ボールを支配して押し上げようとする東京に対し、前プレからの速い切り替えでゴールに迫ろうとする札幌という展開に。東京は札幌のプレスに手を焼き、ボールを落ち着かせることができない。序盤はいくつかチャンスを作ったものの、次第に札幌に主導権を握られる。

19分、木本からのロング・フィードを裏に抜け出した松木が受け、敵DFに絡まれながらも落とすとこれを拾った永井がシュートを放つがわずかに枠外。これが東京のファースト・シュートとなるが、攻撃は単発で、組織的に前にボールを運ぶことがなかなかできない。

中盤で激しい競り合いが多く、試合が止まるシーンも増える。互いに大きなチャンスを作ることができず、一進一退の攻防となる。特に東京はフィニッシュに持ちこむこともできずビルドアップに苦労する。結局スコアレスのまま前半を終えた。

余裕をもってボールを動かすことができず、森重、木本のロング・フィード頼み。一方で守備も森重、木本を中心に集中できており、拮抗した展開だがゲーム・プランに近い戦いができているのは札幌の方だろうと思う。

後半

後半から渡邊と永井が左右を入れ替え、渡邊が右、永井が左のウィングに。東京がプレス位置を高め、前から積極的にボールを追うが、札幌の落ち着いたパス回しの後追いになり最後は自陣勝負になる。前プレにもやり方があるんだなと勉強になる。安部、松木が取りきる勢いでプレスをかけるが、かいくぐられて逆に数的に不利になってしまうケースも散見される。

58分、永井に代えてアダイウトンを投入、アダイウトンはそのまま左に入る。アダイウトンに預けて左からしかける選択肢は増えたが攻めきれない。チャンスの数は札幌の方が多い。

76分、渡邊に代えて紺野を投入、そのまま右のウィングに。両サイドからの切れこみを武器に攻撃の活性化を図る。78分、敵CKから正面至近でヘディング・シュートを放たれるがスウォビィクが右手一本でセーブ、さらにこれに詰めた敵のシュートをキャッチ。この日最大のピンチをスウォビィクひとりで防ぐ。

アディショナル・タイムにはアダイウトンが左サイドから深いところに入りこみゴール前に速いラスト・パスを流しこむ。ファーの松木がスライディングで飛びこむが合わせられず。思わず声の出るシーンだったが一歩足りなかった。

結局どちらも決めきれず、東京としては2試合続けてのスコアレス・ドローとなった。

戦評

シュート数5-12、CK3-2、ポゼッション64-36と、ボールは握ったものの試合の主導権そのものは掌握できず、守備的に試合を進めざるを得なかった展開が窺われる。ハイ・プレスを敢行し、攻撃のスタイルが共有されている相手には苦戦することが浮き彫りになった。

この試合ではとにかく森重と木本の守備力と展開力が圧巻。数少ないチャンスも森重か木本のフィードが起点になっていたし、敵のプレスをかわしながら時間を作って配球するスキルはズバ抜けている。逆にいえば全員これくらいのことができなければポジショナル・プレーはまだまだ先だということかもしれない。

右サイドの長友もバランスを取りながらボールを落ち着かせ、キャリアに見合う働きをしてくれた。中央を押さえられた時の出口や避難所としてしっかりボールを受けた。昨季の復帰以来最もよかった。

そしてスウォビィクは知ってはいたが人間離れしたセービングを見せた。特に最初にセーブした後のこぼれ球への対応、そのための体勢の立て直しが速い。足元がちょっと怪しいのとかもうどうでもいいくらい圧倒的。今日の勝ち点1はスウォビィクが勝ち取ったものと言っていい。

一方で攻撃は中央を制圧できず組織的な組み立てができなかった。それでも何度かはチャンスを作ったが、シュート5本では勝つことはやはり難しい。プレスをどうはがし、敵を後ろに置き去りにしながらボールを運んで前で数的優位を作るか、アルベル監督の最も本質的な部分はまだまだ形になっていないと感じる。

必ずしもゲーム・プラン通りに運ばなかった試合で最低限の勝ち点を確保できたことは前向きに考えたいが、課題は多いと思わせる試合だった。

東京はこれで8試合を終えて4勝2敗2分で勝ち点14(1試合あたり1.75)となり、順位はひとつ下がって6位に。これで公式戦3試合勝ちなし(1敗2分)となり、やや失速の兆しが見える。水曜日にはCOVID-19の影響で延期になった名古屋戦がホームであり、ここでしっかり勝ち点3を積み上げて順位を上げておきたい。

名古屋戦が終われば試合数が他のクラブと並び、次の週末の磐田戦が終わればACL出場で先に試合を消化していたクラブとも同じになる。この時点でどこに位置しているかは重要であり、日程的には厳しいもののメンバーをやり繰りして勝ち点を稼ぎたい。

2連戦で勝ち点4取れれば横浜と並び、6なら川崎に並ぶことになる。目線を高く持ち、チャレンジしながら結果も出していいサイクルを回したい。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
スウォビィク(1.5) 勝ち点1を守るスーパーセーブ。
長友(3) バランスを取ってボールをしっかり受けた。
木本(2.5) 替えの効かない選手に。いい補強だった。
森重(2) 今季いちばんの出来。淡々とすごいことをやり続けた。
小川(3.5) 軽い守備でヤバいヤツあった。
安部(3.5) 取りきったあとの展開頑張りたい。
青木(3) 彼も替えが効かない選手のひとり。
松木(3) いい飛び出しあった。すっかり主力に。
永井(3.5) 守備も含め貢献は大きい。ゴール欲しい。
オリヴェイラ(3.5) なかなかいい形でボールを受けられず。
渡邊(3.5) 技術は高いがチャンスに絡めなかった。
===
アダイウトン(3.5) いいクロスあった。敵は嫌がっている。
紺野(-) 時間短し。彼も終盤出てくるとイヤな選手。

サードユニが発表されたけど、着用1試合だけみたいだし、今季はファーストもセカンドも買ったのでもう買わない。昨季着る機会のなかったサードを着て行く予定。


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