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【ブンデスリーガ第34節】グラードバッハ 2-0 アウグスブルク

■ 2023年5月27日(土) 15:30キックオフ
■ Borussia-Park

最終節は全試合が土曜日の15:30キックオフ。もう毎節こうしてくれればいいのに。スカパーでリアタイ観戦した。グラードバッハはもう10位か11位なのが確定しているが、アウグスブルクは残留のかかった重要な試合のようだ。

今季限りでクラブを去ることが決まっているシュティンドル、テュラム、ベンゼバイニが先発。特にシュティンドルは長いあいだキャプテンとしてクラブに貢献してきた功績が大きく、スタジアムは彼との別れを惜しむモード。試合結果はだれも気にしていない。

GKにはオムランがケガから復帰。一方でコネ、クラマーが負傷でメンバーを外れた。3バックでのスタートとなった。

オムラン
板倉 エルヴェディ ベンゼバイニ
ライナー ヴァイグル ノイハウス ネッツ
ホフマン テュラム シュティンドル

試合は序盤からグラードバッハのペース。ボールを握り少ないタッチでパスをつないで縦に速く押し上げて行く。

早くも3分、中央で縦パスを受けたテュラムがこれを右サイドのホフマンにワンタッチで落とすと、ホフマンもこれをワンタッチで中央へ。ファーから入りこんだネッツがこれをゴールに流しこみゴール。1-0と先制する。

その後もほぼ一方的にグラードバッハがボールを支配、前線の3人のコンビネーションで何度もチャンスを作るがフィニッシュに甘さが出て決めきれず。テュラムは最後に1本決めておきたいし、ホフマンはシュティンドルに取らせたいのがわかる。

40分、テュラムからパスを受けたホフマンが持ち上がり、シュティンドルからワンツーの戻しを受けてファーにシュートを決める。2-0とリードを広げる。内容からすればもっと早く決まっていておかしくないはずの2点め。

前半アディショナル・タイム、シュティンドルからのパスを受けて正面からエリアに入ろうとしたテュラムが敵DFと交錯して倒される。主審はPKスポットを指さし敵DFにイエローカードを示した。

しかしここでVARが介入、確認の結果ファウルの場所がエリアのわずかに手前だったとの判断になりPKは取り消しになりエリア手前からのFKになるとともに、敵DFにはイエローカードではなくレッドカードが示された。

決定的な得点機会の阻止ということで本来なら退場となるべきところ、エリア内ならPKが与えられるとともに三重罰回避のため処分が一等減じられてイエローカードとなるが、エリア外なら原則に戻りFK+退場となるということだろう。

結局そのまま2-0で前半を終了。関心はシュティンドルにゴールを決めさせることができるかどうかに移っている。アウグスブルクはこの試合に負け、ボッフムとVfBが勝つと入替戦にまわることになる。この時点でボッフムは勝っており、VfBはスコアレスだったのでアウグスブルクはギリ残留圏だが、VfBがゴールを決めるとわからなくなる。

後半になると両チームともガツガツ勝ちに行く気はあまりなく、のんびりした展開になる。グラードバッハはすでに2点をリードしており、チャンスはシュティンドルに決めさせようとするがなかなかうまく行かない。

アウグスブルクは状況次第では降格の可能性があり、勝利が必須であるにも関わらず、一人少なくなったことも影響してか同じようにのんびりしたペースにつきあってくれているのが不思議といえば不思議。なにを考えているんだろう。

70分、テュラムに代えてプレアを投入、テュラムはスタンディング・オベーションで送り出された。またこの日ゴールを決めたネッツに代えてヴォルフを投入。その後もチャンスは作るもののプレーに雑さが出て決めきれない。

85分、シュティンドルに代えてヘアマンを投入。シュティンドルは満場のスタンディング・オベーションで送り出される。こうやってクラブを去る選手は試合終了前に交代で退かせ、栄誉を受ける機会を作るのが慣例であり、それができる試合になったのはラッキーだし、ファルケ監督も心得ている。最後の試合でゴールがほしかった。

動意の乏しいまま試合は進み、90分にはライナーとノイハウスに代えてフリードリヒとヤンチュケを投入、もうだれがどこを守っているのかよくわからなかったが特にそれで困ることもなく2-0で試合は終了した。

アウグスブルクはVfBが引き分けたため結果として残留が決まった。よかったね。

それにしてもアウグスブルクはVfBがアディショナル・タイムにゴール決めて勝ってれば16位に落ちる可能性があるというのに、なんであんなに後半のんびりしてたのかまったくのナゾだった。入替戦上等の覚悟ができてたってことか。まあよそのクラブの話だからいいんだけど。

これでグラードバッハは11勝13敗10分でシーズンを終了、勝ち点は最終的に43となったが、1試合あたりの勝ち点は1.26にとどまった。順位はひとつ上げて10位でのフィニッシュだが、順位表の下半分でもちろんヨーロッパにはかすりもしなかった。

ファルケ監督のやろうとしていることはわからなくもなく嫌いじゃないが、ハマらないことの方が多く苦しいシーズンだった。板倉、ヴァイグルというキー・プレイヤーが離脱したことでシーズン中盤につまずき、それをリカバーできないまま勝ったり負けたりを繰り返す不安定なシーズンになった。

エバールSDがクラブを去り、テュラム、ベンゼバイニという主力が契約を更新せず、将来像に不安を抱えたままの戦いで集中もしにくかった。シーズン終盤にはシュティンドルのKSCへの移籍も発表され、ひとつの時代が終ったことを強く印象づけた。終りと始まりが混在し、集中しにくい環境で、自信や確信をもって戦うことがむずかしかった。

今季の成績はまったく満足できるものではなく、来季についてはファルケ監督の去就もまだはっきりしていないし、シュティンドル、テュラム、ベンゼバイニ以外の主力が残留してくれるかどうかも未知数。

ファルケ監督でもう一年見てみたい気はするし、オムラン、板倉、エルヴェディ、ヴァイグル、コネ、ホフマン、ノイハウス、プレアあたりを主軸にしたチーム構成は十分骨格として機能すると思うが、しばらくは報道に一喜一憂する日々になるだろう。

ダニエル・ファルケ監督談話:
「シーズンの最後の試合の絵を自由に描くことができるとすればまさに今日のような試合になるだろう。シーズンの終りとして完璧だった。我々は勝ち点3を上積みし、ケルンを抜き、ホームでの戦績をよくして、クラブを去る選手たちに完璧なお別れをすることができた。チームには大きな賞賛を贈りたい。しっかりとボールを握り、ポゼッションでは相手に非常にしんどい試合をさせ、ほとんど完璧だった。ふたつのゴールはとても素晴らしかった。後半はこうしたパンチがなくなりやや試合を終わらせることに偏った。ただ全体としては完封できたことが喜ばしい」

この試合では来季のユニを着用。襟のついたクラシックなデザインだ。板倉が残ってくれるなら3番を買いたい。

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