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【Jリーグ第26節】神戸 2-1 FC東京

■2022年9月14日(水) 19:00キックオフ
■ノエビアスタジアム神戸

三宮に宿を取り、ミント神戸という商業施設に入っているひょうたんで餃子とビールの晩ごはんを食べてノエスタに向かった。神戸は僕が社会人になって最初の勤務地でありいろいろとゆかりのある街。9月も半ばだというのにむし暑い気候で汗を流しながらスタジアムに到着。

柏に6-3と快勝してから横浜、G大阪と勝ちきれない試合が続いている。今ならまだギリギリACL圏内を望める状況であり、ここからしっかり勝ち点を積み上げたいところ。ここまでの積み上げがどれだけ通用するか、今季の卒業試験のつもりで残り7試合を戦いたい。

中3日の連戦が続く真ん中の試合ということもあって、前節から一部のメンバーをローテーション。SBでは中村に代えてバングーナガンデを先発させたほか、ケガのためU21代表招集を辞退したはずの松木がインサイド・ハーフ、トップには前節帯同しなかったオリヴェイラが先発となった。また東がベンチ・スタートとなり、塚川がアンカーの位置に入った。

フォーメーション

スウォビィク
長友 木本 森重 バングーナガンデ
安部 塚川 松木
紺野 オリヴェイラ 渡邊

前半

東京は立ちあがりから身体が重い。前節に続いて森重のパス出しにキレがなく、敵の前プレのえじきになってさらわれるシーンも散発、全体にそれぞれ一歩遅く後手にまわっている印象の序盤となる。

11分、自陣に押しこまれる中で右サイドからクロスを放りこまれる。これをエリア外に落とされると、このボールをきれいに流しこまれ失点。0-1とビハインドを背負う。人はそろっていたが、敵にボールを動かされシュートにも対応できなかった。

その後も東京はパスのずれやミスが多く、また、敵ボールに対するプレスも甘く主導権を握れない。20分、安部が右サイドの深いところからファーにクロスを入れると、ここに入りこんだバングーナガンデがダイレクトで合わせるが枠におさまらず。

25分、敵の左CKに中央で合わされ失点、0-2とリードを広げられる。競ったものの高さで負けた。その後も東京はパスをつないで押し上げようとするが、神戸のハイプレスに苦しみ攻撃を組み立てられない。

38分、安部からパスを受けた紺野が切れこんでシュートを放ったが枠外に。紺野は45分にもシュートを放ったが枠外となり、結局0-2で前半を終えた。連戦の疲れからか動きが重く、強度で勝てておらずセカンド・ボールも拾えていない。気持ちはあるものの動きがついてきていない感を受ける。後半どこをどう修正するのか難しい。

後半

後半から紺野に代えてアダイウトンを、また安部に代えて東を投入、アダイウトンは左ウィングに入り渡邊が右にスライド。東はアンカーに入り塚川がインサイド・ハーフに上がる。

しかし後半に入っても神戸の組織的な守備に遭い、流れをつかむことができない。アダイウトンにボールを預けても打ち急いで攻めきれず、64分、アダイウトンがシュートを放つが敵DFのブロックされる。21分には松木のCKに森重が頭で合わせるが枠外となる。

66分、塚川とオリヴェイラに代えてレアンドロとフェリッピを投入、フェリッピはトップ、レアンドロは右ウィングに入り、渡邊がインサイド・ハーフに一列降りる。レアンドロが自由に動いてボールが動くようになるが、最後のところは神戸の守備も厚くフィニッシュまではなかなか持ちこめない。

76分、バングーナガンデに代えて木村を投入、3バックに移行し、3-4-3の布陣となったように見えた。松木を左サイドに押し出したか。その後は東京が反撃を試みるが、前線を入れかえて前プレをかけ続ける神戸に対し有効な打開策が見出せない。

90分、レアンドロの中央突破でようやくゴール。単騎でしかけたボールが裏にこぼれ、これをレアンドロが押しこんだ。1-2と1点差に詰め寄る。勢いを駆って5分のアディショナル・タイムも反撃を続けたが、いかんせん時すでに遅く、結局1-2での敗戦となった。

戦評

やりたいことは明確になっているものの、やるべきことをやりきれず、ズルズルと時間を浪費してタイム・アップとなった印象の試合だった。強度において神戸に遅れをとり、プレスもアリバイ色が強く実際ボールを取りきれるシーンは数えるほどだった。

数字を見ればシュート数9-9、CK3-5、ポゼッション56-44と、ボールは握ったものの、最後まで試合の主導権は握れなかった。レアンドロにゴールが生まれたことと東のアンカーの安定感が収穫だが、全体としてはいいところを見出すのが難しかった。

この試合で入れかえるべきだったのはおそらく森重、木本の最終ラインであり、ここに疲労が蓄積していることは前節のG大阪戦で明らかだった。思いきって木村を先発させるなどして主力を休ませるわけには行かなかったのか。この試合でも森重のパフォーマンスは満足できるものではなかった。

オリヴェイラもケガを抱えており、以前のような前線での鬼キープは難しく、そこから反転してフィニッシュに持ちこむことはかなりキツい印象を受けた。日程的なものを考えても、若手にチャンスを与えるべき試合ではなかったのだろうか。

あと塚川はインサイド・ハーフが適任で、アンカーもできなくはないが、やはり後半東がアンカーに入ってボールが動き出したように見えた。日程が苦しく、また敵にも対策されるなかで、確実に勝ち点を持ち帰るだけの総合力がなく、隙間にハマって動きの取れなかった試合だったというべきか。

日程やケガ人など万全でない状態で戦わなければならないときの対応力のようなものが問われる局面でまだまだトップ・フォームとそうでないときの差が大きく出るということを見せつけられた気がする。そういう状況を「なんとかする」力はタイトルを狙ううえでは必要なもの。

人がそろっていてコンディションも整っているときにしっかり戦えるのは当たり前で、そうでない時にどうやって帳尻を合わせるか、そこまでを考えてチームを作ることができるかというのは来季も展望するうえで考えなければならないことだ。

そういう意味ではこれもまた今季チームを作りかえようとするなかであり得た試合であり、ストレスのある試合だったことはもちろんだが、シーズン初めに覚悟したことの範囲ではあるのではないか。この試合でなにもかもがダメになったということではなく、やれること、まだやれないことの限界がひとつ明らかになったと受けとめるべき試合だと思う。

これで28試合を終了し11勝10敗7分、勝ち点は40で足踏み(1試合あたり1.43)となったが順位は暫定8位と変わらず。残り6試合で到達できる最大の勝ち点は58となり、勝ち点60到達は不可能になった。

1試合あたりの勝ち点が1.50となる51を目指したいが、そのためには残り6試合を4勝2敗とか3勝1敗2分とかのペースで乗りきる必要がある。本来なら勝ち点51にどれだけ上積みできるかで上位を狙えるかが見えてくるわけだが、ここ3試合のもたつきで勝ち点51すら結構厳しい水準になってしまった感がある。

まずは週末の京都戦でしっかり勝ち点3を積み上げたいが、森重、木本あたりに相当疲労が蓄積しているようでもあり、思いきって選手を入れかえる考え方もある。チーム作り、戦術の落としこみと戦績の両方を同時に追いかけるのは難しい課題だが、今季はそれを覚悟の上でアルベル監督に指揮を委ねているわけで、残り試合、我々の監督がチームを、クラブをどこに連れて行ってくれるのか楽しみにつきあいたい。あれこれ言うのはシーズンが終わってからで遅くない。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
スウィビィク(4) アンカーに何本当てられるか楽しみに見ている。
長友(4) 連戦出ずっぱりでこのパフォーマンスはスゴい。
木本(4.5) さすがに疲れたまってる。休ませたい。
森重(4.5) パフォーマンス落ちてる。休ませたい。
バングーナガンデ(4.5) もっと前向いてしかけていい。判断速く。
安部(5) 前半交代は残念。空回り感あってフィットしきれてない。
塚川(4) アンカーは適性が違う。後半の方が生きた。
松木(4) どこをケガしていたのかわからない動き。
紺野(4) 敵のイヤがる仕事はできたが決めきれず。
オリヴェイラ(5) コンディションが万全ではない感を受ける。
渡邊(4) やり続けたが正確さを欠く場面も。
===
アダイウトン(4) 気持ちがはやってフィニッシュが不正確に。
東(3.5) 今チームでいちばん充実している。
フェリッピ(5) 彼をどう生かすかがまだだれも分かってない。
レアンドロ(3.5) やはり頼ってしまう。ゴールはよく決めた。
木村(4) お粗末なプレーもあったが使い続けたい。

神戸来たんならお土産は一貫楼の豚まんで。

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