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【Jリーグ第5節】川崎 3-0 FC東京

■ 2024年3月30日(土) 15:00キックオフ
■ Uvanceとどろきスタジアム By Fujitsu

急に暑いくらいの天気になった3月末の土曜日。最寄り駅までヴェスパで行ったらiPhoneを忘れたことに気づき、取りに帰っているあいだに時間が厳しくなってしまったが、武蔵中原でニュータンタンメンを食ってから等々力まで歩いた。マジ暑かった。

代表ウィークをはさんで2週間ぶりのリーグ戦。前節はアウェイで福岡に快勝、この流れでしっかり勝ち点を確保したい。勝つと負けるとでその後に見えてくる景色がまったく違ってくる大事な試合。上位に食いこむためには連勝が必要だ。

勝ったメンバーはいじるなの鉄則どおり前節と同じ0トップの布陣。ベンチにはオリヴェイラが復帰、小柏もメンバー入り。一方で前節途中出場ながら途中交代となった東はケガで欠場。中盤のリザーブがだれもいない攻撃的なメンバー構成に。

布陣

波多野
長友 木本 森重 バングーナガンデ
小泉 高
仲川 松木 遠藤
荒木

前半

序盤はほぼ互角の立ちあがり。どちらもボールを握って押し上げようとするが、川崎のプレスのかけ方が上手で押しこまれる時間が徐々に長くなる。サイド裏に出して遠藤や仲川を走らせる形にややチャンスの芽が見えるが数は多くない。

中盤での競り合いでボールが確保できず、セカンドボールも拾えない。自陣でのパスも窮屈で押し上げられず、チャンスは散発。23分、自陣でボールを持った荒木が、敵のGKが前に出ているのを見てロングシュートを放ったが枠に行かず。可能性はあった。

34分、右サイドから流しこまれたクロスを木本がニアでクリアしようとしたが、これがポストに当たりこぼれたところを押しこまれて失点、0-1と先制を許す。不運ではあったがそもそも押しこまれた状況で厳しかった。

その後も東京は前進を試みるが局面で勝てず、競り合いになったところから奪われて逆襲を受けるシーンが散見される。45+3分、荒木がCKをファーの戻りめにけり、松木がワントラップから狙ったがわずかにバーのうえ。結局0-1で前半を折り返した。

意図は見えるものの中盤でボールを持つことができず、縦に刺すことができないのでサイド裏をねらうしかない。ベクトルは前を向いているのでチャンスはあるはずで、交代で流れを変えたい。焦れずにじっくり戦いたい。

後半

しかし後半になっても流れは変わらず。特に高と小泉が敵にしっかり消されてボールを持てないので攻撃のバリエーションが広がらない。ハーフチャンスしかなく決定機が作れていない。川崎の戦い方がうまいし球際も勝てていない。

59分、スルーパスから裏を取られゴールに流しこまれるがオフサイドの判定。まあそうだろうなとは思ったが簡単に抜け出されたのはヤバかった。

64分、遠藤、松木、荒木に代えてシルバ、小柏、オリヴェイラを投入。オリヴェイラと小柏を2トップにした4-4-2に近い形に変化したか。気温が高く、また週央に次の試合もあることから松木、荒木の消耗を懸念したか。

それでも状況は好転せず。70分、敵FWが完全に裏に抜け出す。波多野が飛びだして対応したがボールにプレーできず、敵FWを倒してしまい決定的な得点機会の阻止と判断されて退場となる。

VARで敵FWの抜け出しがオフサイドではなかったか検証されたがオフサイドはないとの判断。75分、やむなく仲川に代えて野澤を入れる。小柏を1トップにした4-4-1になったか。

それでも自陣からつないで攻撃をしかけようとしたが、83分、ショートカウンターから右サイド深いところに入られ、ゴール前に流しこまれたボールを押しこまれて失点、0-2となって試合はほぼ決まってしまう。

84分、木本に代えて中村を投入。木本は負傷か。土肥がベンチにいたが使わず、交代の準備をしていた中村をそのまま投入した。長友がCBに入り、高も最終ラインに落ちて守備をするがバランスが整わない。

90+2分、ショートカウンターからエリア手前で落としたボールをけりこまれ再び失点、0-3となって試合終了。終盤失点を重ねて完敗した。

戦評

試合を支配できず終始川崎に主導権を握られ、それでも最少失点で耐えていたが、波多野の退場でもちこたえられなくなった。地力の差を感じる敗戦になった。

シュート数5-20、CK4-5、ポゼッション47-53と、フィニッシュまでもちこめなかったことがはっきりわかる。ボールを持ってもやりきるまえに奪われることが多く、ボール保持で効果的に攻撃できなかった。シュート5本、枠内1本、無得点では勝ち点を取るのはむずかしい。

特に球際で競り負けるシーンが頻発。複数で奪い合っても最終的に川崎に持って行かれることが多く、身体の使い方なのか、ボールの隠し方なのか、気持ちや意識だけではない技術の差を感じた。強度というのは荒っぽさのことではなく、激しさのなかの技術なのだと思った。

狭い局面で勝てないためスペースを使うことができず、展開ができなかった。高が狭いスペースでも臆することなくボールを要求していたが、出す方が怖がってパスを通せず、無難なところにボールを逃がし続けた結果出口を失い、刈り取られるケースが多かった。

そこから一気に裏に出されるシーンも多く、波多野がリスクを冒さざるを得なかったのも敵FWの抜けだしを簡単に許したところから。彼を責めるのは酷だろう。野澤に代わってからも似たようなシーンがあって肝を冷やした。

やろうとしていること自体が間違っているわけではないが、そのためにはまだまだ足りないものがあり、川崎のようなベースのしっかりしているチーム相手だとそれがはっきり出てしまうということではないかと思った。

つきつめるべきものと捨てるべきものの取捨選択をしなければならないが、悔しい敗戦で高い授業料となった。日程に余裕はなく、中三日での三連戦となる。走りながら修正するしかないが、ベースになるものはできつつあり、それを信じて積み上げたい。

5試合を終えて1勝2敗2分で勝ち点5(1試合あたり1.00)で順位は15位に。ホーム二連戦で勝ち点が増えて行かないと厳しい状況になる。大事な試合を落とした対価は高くついたというほかない。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
波多野(4) 失点、退場も責めるのは酷。よく守っていた。
長友(5) 守備に追われ前に行けず。仲川とも合わず。
木本(5) ラインコントロールに苦労。負傷が心配。
森重(5) 敵FWに手を焼いた。裏を取られすぎた。
バングーナガンデ(5) マイボールを収めきれず守備に追われた。
高(4.5) 敵に消されいい形でボールを持てなかった。
小泉(4.5) 低い位置での仕事が多く黒子に徹した。
仲川(5) いい形で勝負させてもらえなかった。
松木(5) 中央でボールを持てず決定機を作れなかった。
遠藤(4.5) 裏抜けに唯一希望を感じたが中が薄かった。
荒木(5) ボールを保持できなかった。
===
シルバ(5) スペースなく持ち味出せなかった。
オリヴェイラ(5) サポートなくフラーストレーションつのった。
小柏(4.5) 動きは悪くなかった。先発で見たい。
野澤(4.5) 重心が前に行ってからの失点はやむなしか。
中村(-) 時間短し。先発で見たい。

武蔵中原のニュータンタンメンはトッピングのニラが少なかった。

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