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【Jリーグ第10節】FC東京 2-0 G大阪

■2022年4月29日(金) 19:00キックオフ
■国立競技場

新装なった国立競技場での初めてのJ1の公式戦。東京としては昨年1月のルヴァンカップ決勝以来2試合めとなる。あいにくの荒天となり、一時は10ミリ/時を超える激しい雨が降るなかでの試合に。気温も低く風が吹くとかなり寒く感じられた。

東京はここまで3試合続けてスコアレス・ドロー。無料入場券も相当数配布してのスペシャル・マッチで久しぶりにゴールを挙げ勝ち点3を手にしたい。この試合が終われればACL出場クラブと消化試合数が揃い、ここまでの戦績が可視化される。重要な試合だ。

前節試合終了間際に腰を痛めた様子だった森重がメンバー外に。一方で開幕直後のケガでずっと戦列を離れていたレアンドロがベンチ入り。また昨季からのケガで、先週のルヴァンカップ磐田戦で公式戦復帰したバングーナガンデもメンバーに入った。

フォーメーション

スウォビィク
長友 木本 トレヴィザン 小川
安部 青木 松木
永井 オリヴェイラ アダイウトン

前半

東京が積極的なプレスからボールを引っかけて敵ゴールに迫る立ち上がりに。開始直後に立て続けのCKを与えた局面をしのぐと、6分、敵陣で奪ったボールをオリヴェイラが左サイド裏に流し、ここに走りこんだ安部がシュートを放つが枠外に。

安部は直後の7分にもアダイウトンが縦に落としたボールを追ってシュートを放つがこれも枠外に。可能性を感じさせるシーンが続く。9分にもオリヴェイラが左へ流したパスを中央の小川がスルー、ファーのアダイウトンがシュートしたが枠外に。

その後は中盤での攻防が中心になるが、互いに大きなチャンスは作れず。東京は全然からのプレスが効かなければ自陣でしっかり中央を固め隙を見せない。一方で攻撃も最後のところの精度を欠きゴールには至らない。チャンスはカウンターが多い。

38分、右CKを小川がけると、中央でトレヴィザンが高い打点のヘディング・シュート。これは惜しくもクロス・バーを直撃しゴールにならなかったが、エリア前にこぼれたボールに猛然と突っこんだアダイウトンが抑えたシュートを放ちゴール。東京が久しぶりの得点を挙げ1-0とリードを奪う。

東京が押し気味となり、ボールを支配して追加点もあるかと思ったがそこは押しきれず、1-0で前半を終えた。最近の試合同様固い展開になったが、セット・プレーからトレヴィザン、アダイウトンのシュートで貴重なリードを得た。後半も守りに入ることなく次の1点を取りに行きたい。

後半

後半に入るとG大阪がやや前に出る展開に。バー直撃のシュートを打たれるなど押され気味となる。57分、長友ボール奪取からパスを受けた松木が持ち上がりエリア手前から強烈なミドル・シュートを放つが敵GKが腕一本でセーブ、惜しかった。

63分、アダイウトンに代えてレアンドロを投入。復帰初戦なのでもう少し遅めに出てくるかなと思っていたが意外に早かった。

すると64分、オリヴェイラがハーフウェイ付近左サイドでブロックして奪ったボールをレアンドロに展開。レアンドロはドリブルで持ち上がりながら敵DFをフェイントでかわし、エリアに侵入したところでシュートを放つとこれがファーに決まりゴール。2-0とリードを広げる。

追加点を得た東京が押せ押せになり、70分、小川のクロスに中央で松木がバイシクルで狙うがバーを越える。76分、永井が中央で敵DFにプレスをかけボールを奪うと完全に裏に抜け出す。敵GKが対応に出たところで並走したレアンドロにパス、レアンドロがこれを無人のゴールに流しこんでゴール。

しかしVARのゴール・チェックで永井のプレスがファウルとの判断になりゴールは結果的に認められず。会場のビジョンに永井がボールを奪った時の映像が何度も映ったが、「まあファウルで仕方ないな」と思えるレベルだったので仕方ない。

80分、オリヴェイラ、永井に代えて山下と髙萩を投入。82分、敵FKに頭で合わされゴールとなったがオフサイド。VARでのチェックも入ったようだが結局ゴールは認められなかった。

90分、敵CKに頭で合わされるがスウォビィクが片手でセーブ、今日もまたスウォビィクが失点を防ぐ。6分のアディショナル・タイムは守勢にまわったもののゴールは許さず、2-0で東京が久しぶりの勝利を挙げた。

戦評

G大阪に元気がなく、数字的にはシュート数9-11、CK4-7、ポゼッション51-49と拮抗しているものの、実際には東京がチャンスを生かして勝ちきった試合だった。特に後半途中から入ったレアンドロは復帰試合ながら高いパフォーマンスを見せ貴重な追加点を挙げた。

激しい雨が降りしきるなかでの難しい試合だったし、実際最終ラインのパス回しは危なっかしいところもあったが、G大阪のシュート・ミスも多く救われた。東京のゴールはセット・プレーと個人技で、なかなかまだ組織で崩して最後にストンと決めるところまで行ってない感じはするが、割りきりも入れつつ結果を出して歯車を前に回し続けることは重要だ。

森重が欠場で、トレヴィザンも終了間際のプレイで肩を痛めたとの情報もあり、だとするとCBは少し厳しい状況になる。ともに軽傷であることを祈りたい。森重のいない最終ラインはかなり危なっかしかった。

この試合では松木が前線から積極的なボール・アプローチで存在感を示したほか、安部も出足のいいスタートでチャンスに顔を出した。また、永井の献身的な守備からのチャンス・メイクも素晴らしかった。永井が交代で退くとき、レアンドロがハグを求めに行ったのが印象に残った。

東京はこれで10試合を終え、5勝2敗3分で勝ち点18(1試合あたり1.80)。すべてのクラブの試合数が揃ったが、首位鹿島とは勝ち点差4の4位が現在地である。2位川崎とは勝ち点差2、3位の横浜とは同勝ち点で得失点差で順位を譲った。

今季はチーム作りが主眼であるというステートメントからすれば、この成績は望外のもの、先へ進むベースを作ることはできた。集客した大きな試合ではなかなか勝てない印象があったが、最後まで粘り強く戦うことで、リスクの高い試合に勝ちきれたのは大きい。

こうした試合で「面白い」「スゴい」と思わせるレアンドロはやはり貴重な選手。初めてフットボールを見に来た親子連れや若い人たちにも面白さは十分伝わったのではないだろうか。天気はあいにくだったが試合自体は見に来る価値のあるものだった。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
スウォビィク(3) 今日も完封。ウチに来てくれて本当によかった。
長友(3.5) 上下動の判断がさすがなのと守備で頑張ってくれた。
木本(3.5) 引き続き好調。縦に付けられる貴重なパスセンス。
トレヴィザン(4) 対人強いがパス回し危なっかしすぎて声出る。
小川(4) チャンスに絡むこと増えたが守備にはまだ課題ある。
安部(3.5) 積極的にボールを追いチャンスに顔出した。
青木(3) 森重がいない分最終ラインに落ちることも多かった。
松木(3) 積極的な守備でチャンスを作った。決まってりゃな~。
永井(3) ゴール数には表れない貢献が大きい。幻の3点め惜しかった。
オリヴェイラ(3.5) 配球役になることが多く自身のシュートはゼロ。
アダイウトン(3) あわてず落ち着いて転がしたのが奏功した。
===
レアンドロ(2.5) あれを自分で決めてしまうのがレアンドロ。
高萩(-) 時間短し。役割は果たした。
山下(-) 時間短し。

帰りは雨もかなり小降りになっていた。来場が4万人を超えていたので、大江戸線の国立教場前やJR千駄ヶ谷は混みそうだと思って副都心線の北参道から帰ったが人も少なく快適だった。

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