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【ルヴァンカップ第6節】FC東京 0-0 福岡

■2022年5月18日(水) 19:00キックオフ
■味の素スタジアム

日中は気温も上がったが、陽が沈むとややひんやりする感じの気候。仕事を早く切り上げて味スタに向かった。キックオフをあと30分遅らせてくれると本当にありがたいのだが。

東京はすでにグループステージ敗退が決まっており消化試合。対戦する福岡は引き分けで突破が決まる状況で、ともに目の色を変えて勝ちに行く必要のない試合。

負傷で戦線を離脱していた森重が先発。児玉も今季初めて公式戦先発、ルーキーの安田、二種登録の東廉、熊田らも先発に名を連ねた。ベンチにも岡庭、蓮川、荒井、土肥らフレッシュなメンバーが控える。失うものはなにもなくしっかりアピールして欲しい。

フォーメーション

児玉
中村 東廉 森重 バングーナガンデ
品田 東 渡邊
三田 熊田 安田

前半

立ち上がりから中盤で主導権を争うつばぜり合いに。互いに激しいつぶし合いとなり、フィニッシュまで持ちこむことができない。一進一退の攻防となる。東京は最終ラインからのビルドアップを試みるが、パスがズレることも多く思うように押し上げられない。

基本的にはボールを保持する東京に対して守ってカウンターを狙う福岡という流れだが、どちらも得意の展開に持ちこみきれず、押したり引いたりの内容となる。特に福岡はリスクを負いたくないのだろうと思われ、基本的に固く、チャレンジしてダメならまたセットし直す感じ。

東京は森重、東廉にアンカーの東慶が加わって敵を左右に揺さぶりながら縦を通す意図は見えるが、福岡のブロックが大崩れしないのでムリ目に出して攻守交替となるパターンも多い。森重も試運転の色合いが濃く万全とは言い難い。

それでも残り15分くらいからはパスをつないで何度かチャンスは作り、敵のバイタル・エリアでしかけるシーンもあったもののなかなかフィニッシュに至らず、結局スコアレスで前半を終了。若手が元気よく動き回っていたのと、東慶のアンカーが思ってた以上のいい出来だったのが収穫。

後半

後半から森重に代えて蓮川を投入。森重は週末のリーグ戦に備えるんだろう。敵も選手交代で前への推進力を高めてくる。東京は引き続き東慶、三田が若手を下支えする形で攻撃を組み立て、積極的に走り回るがチャンスは限定的。

58分、渡邊と安田に代えて岡庭と荒井を投入。この時点で東慶と品田のダブル・ボランチになり、岡庭は左のSH、荒井はトップ下に入ったか。さらに62分、バングーナガンデに代えて鈴木を投入。結果としてこんな感じの3バックになったと思うが、中村の位置が自由すぎてよくわからなかった。

児玉
中村 東廉 蓮川
鈴木 品田 東慶 岡庭
荒井 熊田 三田

終盤は東京がボールを握りシュート・シーンも作ったが、福岡が最後は引き分け狙いで時間を使いにきたのもあってゴールを奪うことはできず。結局スコアレス・ドローとなった。

戦評

東廉のナゾの落ち着きや、安田、熊田、荒井、蓮川らのフレッシュなプレーもあり、全体としては若手のショーケース的に「いいものを見た」感のあるゲームだったが、結果につなげることができなかったのは残念。

「若手が躍動した」と「若手が躍動して勝った」では、成功体験としての質が何倍も違う。勝っても何もない試合だったからこそ思いきって戦えたのだし、だからこそ「いい試合だった」ではなく結果を出したかった。

若手の動きで特に印象に残ったのは、アリバイ的にディレイさせるだけの寄せではなく、取りきるためにスライディングも辞さずボールを狩りに行くところ。もちろんそれをかわされて置き去りにされ1枚足りなくなることもあるので、リーグ戦でそのままやるわけに行かないが、プレスというのはこういうものだろうという気がして清々しかった。

あと、東慶のボランチ適性は改めての発見だった。東慶はもともと羽生の後枠だと思っていて、スペースを埋めながらリスクの芽を摘みチャンスの種をまく仕事は向いている。守備では敵のボールを狩りながら、ビルドアップではボールを預かり配球する、特に縦にパス1本で打開できる空間感覚があることを実証した。青木と併用できると思う。

森重は序盤こそパスがズレたりしていたが、次第に勘を取り戻し前半の終わり方にはさすがの対角線のロング・フィードも通していた。コンディション的にどれくらいフィットなのかはともかく、見ている限り確実に回復の途上にあると感じた。

この試合で今季のルヴァンカップは終わり、この後はリーグ戦と天皇杯に集中することになる。この6試合で積極的に若手を試したのはムダではなかったし、ひどい戦いをしたわけでもないが、にもかかわらず結果を出せなかったのも確か。最後のところの迫力不足はリーグ戦でも課題になるところであり、チャレンジと結果をどう結びつけて行くかは悩みどころだ。

カップ戦がなくなったなかで、若手をどうやって育成して行くのかも考えなければならない。一部の選手についてはレンタルなどもあるかもしれない。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
児玉(3.5) ビルドアップへの参加が頼もしかった。
中村(3.5) フルに引っ張ったということは土曜日は控えか。
東廉(4) パスミスもあったが落ち着いて役割を果たした。
森重(4) 尻上がりに調子を上げた。土曜日は先発か。
バングーナガンデ(4) 攻撃参加で持ち味は見せた。
品田(4) センスは随所に見せた。
東慶(3) アンカーとして選択肢になることを示した。
渡邊(3.5) 果敢にシュートを打って行った。
三田(4) 骨惜しみせず手本を見せた。
熊田(4) 前線から積極的にボールを追った。
安田(4) ボールを持てばチャンスの予感もあったが。
===
蓮川(4) 持ち出しはいいがミスもあった。
岡庭(4) 特徴を出すに至らず。
荒井(4) 前を向いて積極的にボールを追った。
鈴木(4) リーグ戦で見たい。

最後の方はちょっと寒かった。


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