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【FC東京】2023年シーズン・プレビュー(6) 開幕へ

気がつけば開幕まで1週間、注文していた今季のユニも、年チケも届いた。いよいよ今年もフットボールのある週末が始まる。

我々は何をめざすのか

アルベル監督初年で、チーム作りの1年という割りきりのあった昨季に比べ、今季は現実的になにをめざすか難しいシーズンになる。特に昨季、チームのベースを作りながらそのなかで成長を続け、戦術の定着が目に見えて進んで行ったうえ、悪くない結果も出たことで今季の発射台は確実に高くなり、その分、サポやメディアの期待も高まった。

サポとして森重とリーグ・タイトルを獲りたいという悲願は当然あり、その意味では昨季は断腸の思いでその準備に費やした1年であったが、それを受けた今年は当然タイトルをねらいに行くべきシーズンだということになる。強化も的確で昨季のベースもある。アルベル監督を信頼して任せる2年目のシーズン、結果を求めるのは自然だ。

実際、少なくともACL圏内を目指す力はあると思うし、沖縄、宮崎でのキャンプでそれに見合うチーム作りはしてきたはずだ。アルベル監督のいう「常に上位争いをし、タイトル争いに絡み続けるポテンシャル」をまずは確かなものにしなければならない。

しかし、そこから先は単にいいフットボールをしたからといって保証される世界ではない。そこにはさまざまなめぐり合わせがあり、時の運もあり、思いどおりにならないときにどうやってつじつまを合わせるかという変事対応力が必要で、なにより少々の逆境でも簡単に投げ出さずそれを克服することのできる強い精神力、最終的に目標を達成することを自分に対してコミットできるいわゆる「勝者のメンタリティ」がどうしても必要になる。

我々はどんな景色を見るのか

そうした未知の部分、あるいは自分たちで容易にコントロールできない部分について今から悩んでもしかたがない。目の前の試合をひとつひとつ丁寧に戦い、ひとつでも多く勝ち点を積み上げ、そして34試合が終わったところでどうなっているかを見てみるしかない。そのときにどんな景色が見えるのか、そこに期待できるだけのストーリーは昨季からオフを経てここまで語られてきたと感じている。

タイトルをめざすなら昨季の最終戦からさらに少なからぬ上積みが必要なのは間違いない。このオフにアド・オンしたものに加え、あとはシーズンを戦いながらどこまで成長できるかが勝負だ。ひとりひとりの選手はもちろん、チームとして、クラブとして、そしてサポも合わせたファミリーとして、高みをめざすビジョンを共有しながら、そこに向かって幹を伸ばすしかない。

その過程は決して「開幕ダッシュから独走で優勝」みたいなものにはならないだろう。納得できない敗戦、大事な選手のケガ、理由のよくわからない不調、大事な一戦での不甲斐ない戦い。我々はなんどもつまずき、立ち止まり、後退を余儀なくされるだろう。それでもシーズンは続いて行くだろう。その先にしか我々の望むものはない。

一方でそこには歓喜の瞬間もあるだろう。いくつものゴールがあり、逆転があり、勝利があるだろう。最後に我々はどこにいるのだろうか。

それはなんて楽しく、心躍るシーズンだろう。

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