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【Jリーグ第4節】FC東京 2-1 広島

■2022年3月12日(土) 15:00キックオフ
■味の素スタジアム

ホーム開幕戦。本来なら2月26日の名古屋戦がホームでの初戦となるはずだったが、COVID-19のクラスタが発生したため延期となり、今日が今季初めての味スタ。4月並みの陽気となった暖かい土曜日、ヴェスパで味スタに乗りつけた。

上述のとおり試合延期もあって日程の消化は遅れているが、リーグ戦はここまで1勝1敗。前節今季初勝利を挙げ、またCOVID-19で療養を余儀なくされていた選手もほぼ戻っているはずで、ホームでの勝ち点3が期待される。

青木が前節2度の警告で退場となりこの試合出場停止。そのためアンカーに木本を起用し、森重とトレヴィザンが最終ラインを形成することとなった。それ以外は前節と同じ布陣に。試合前のアマラオのスピーチが長すぎ、時間がなくなって恒例の『You'll Never Walk Alone』が途中で切られる珍事があった。

フォーメーション

スウォビィク
渡邊 森重 トレヴィザン 小川
安部 木本 松木
紺野 オリヴェイラ アダイウトン

前半

立ち上がりから両者が中盤で激しく主導権を争う展開になる。東京は青木を欠いてバランスが悪く、プレスの出足が遅くなりズルズルと下がる局面が多い。11分、スルー・パス1本で裏に抜け出されシュートを許す。これがポストに当たりゴールに入るがオフサイドの判定となりノー・ゴールに。だろうなとは思ったが肝を冷やした。

その後も広島の方が効果的にプレスを敢行、東京はボールの後追いに陥り前への推進力を失う。26分、小川の左CKに森重が頭で合わせるがGKがキャッチ。27分には松木が敵のパスをカット、オリヴェイラを経由してボールを受けたアダイウトンが左サイドを持ち上がってシュートを放つがファーに外れてしまう。

33分には左サイドのアダイウトンが逆サイドに振ったボールを紺野が受け、右足で狙うが敵DFがブロック。足許にこぼれたボールをもう一度紺野が今度は左足ボレーでシュートしたが枠に収まらず。34分には渡邊の右CKを再び森重が頭で合わせるが枠外に。流れから主導権を握れない中でチャンスはいくつか作ったが決めきれず、スコアレスで前半を終えた。

広島の早い寄せに遭い、中盤でボールを落ち着かせることができず、余裕のないパスをカットされるなどでボールを握ることができない。最終ラインにもプレスをかけられ、チャンスは結局長いボールが直接オリヴェイラかアダイウトンに収まったケースだけ。全体につながりが悪くノッキングを起こしており、やることと捨てることの整理が必要だ。

後半

後半からトレヴィザンと渡邊に代えて三田と長友を投入。木本をCBに下げ右SBに長友、中盤は安部と松木のダブル・ボランチになり三田がトップ下に入る格好となった。木本のアンカーをあきらめ、中盤の底を2枚にして守備を安定させたいということか。

後半の立ち上がりこそ、選手交代の効果があったか敵ゴール前までボールを持ちこむことができていたが、次第に拮抗した攻防となり中盤で主導権を争う。

60分、左寄りでFKを獲得。三田がけったボールにファーの森重が頭で合わせGKの逆を突く形でネットに。東京がセット・プレーから先制、1-0とリードを奪う。

さらにキックオフからボールを奪って敵陣に展開、オリヴェイラが右前にスルー・パスを送ると、縦に抜けた安部がシュート。これは敵GKにセーブされたがこぼれ球に左サイドから走りこんだアダイウトンがダイレクトで合わせこれがファーに決まる。61分、たて続けのゴールで2-0と東京がリードを広げた。

62分、紺野に代えて永井を投入、永井はそのまま右SHの位置に入った。2点のリードを得てやや余裕の出た東京がボールを動かすものの広島を圧倒するには至らない。

74分、中盤からDFの間を抜くスルー・パスを出され、敵FWに裏を取られる。スウォビィクが飛び出すが股を抜いてシュートを決められ2-1と1点差に。スウォビィクはたぶんクリアできると思って飛び出したのだと思うがタイミングがよくなかった。

80分、アダイウトンに代えて東を投入、東が右SHに入り、永井は左にスライド。終盤は1点を返して流れをつかんだ広島がリスクを取って攻撃を試み、東京がそれを受ける流れになる。ほぼ防戦一方に。

88分、オリヴェイラがドリブルで持ち上がり、パスを受けた長友がエリア内右から中央にパスを入れると東が押しこんでゴールを決めるがオフサイドの判定となりノー・ゴールに。一応VARチェックも入ったようだが判定は変わらず。

アディショナル・タイムは5分あったがオリヴェイラに代えて山下を投入するなどして時間を使い、なんとかしのぎきって2-1で辛勝した。

戦評

全体としては広島のゲームで、決してやりたいことがやれた試合ではなかったが、セット・プレーとワンチャンを決めきり、1点は失ったもののなんとか守りきって勝ち点3を手にした。結果として勝ちきったことで、やりたいことにトライし続けるための自由度を手に入れることができたと考えれば大きな勝利だった。

数字を見ても、シュート数7-12、CK5-6、ポゼッション53-47と、内容的には広島が優位だったことが窺える。スウォビィクが要所を締め、最後まで集中できていたものの、自陣の危ないエリアでボールを失うことも少なくなく、特に1点差に詰め寄られてからはかなり圧をかけられて苦しかった。よく守りきったと思う。

最終ラインからのビルド・アップがほぼできていないのと、今日は青木がいないせいで安部、松木が思いきって前に出るシーンが減り、結果として中盤を広島に使われた感があった。青木があの位置で攻守にボールを触ることが東京にとって重要であることを改めて印象づけた試合だった。

この試合でできたこと、できなかったことは整理して次に進まなければならないが、アルベル監督の言うとおり、今季ここまでで内容的には最もよくなかった試合だった。個の踏ん張りで勝ったが、失点も含め課題は多かった。

これでリーグ戦3試合を消化し2勝1敗で勝ち点6(1試合あたり2.00)で5位に浮上。まだ順位を云々するステージではないし、消化試合数に跛行があるので一喜一憂しても仕方ないが、シーズンのスタートとしては悪くない。勝ち点を積み上げながら課題に取り組むのは容易ではないが、今季はそれをやらなければならない。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
スウォビィク(3.5) ナイス・セーブあったが失点は残念。
渡邊(5) 押しこまれて持ち味出せないまま交代。雪辱を。
森重(4) ゴールはあったが出来は必ずしもよくなかった。
トレヴィザン(4.5) 出しどころに迷うケースが多く前半で交代。
小川(4.5) サイドでのボール・ロスト多く苦しかった。
安部(4) ボール・アプローチが後手に回った。
木本(4.5) アンカーは微妙。CBでも安定感を欠いた。
松木(4) いいボール奪取あったが守備に苦労した。
紺野(4) 決めたいシュートあった。やり続けよう。
オリヴェイラ(3.5) 前線で身体を張ってくれた。尊い。
アダイウトン(3.5) 結果的に決勝点。よく働いた。
===
長友(3.5) 試合を活性化し前への推進力を作り出した。
三田(3.5) 正確なキックでゴールを演出。
永井(4) カウンターのシーンあったが…。
東(-) 時間短し。役割は果たした。
山下(-) 時間短し。

そういえば試合前の運営が時間足りなくてボール・パーソンの紹介もなかった。あと選手紹介時の花火の音がデカすぎて心臓に悪いので開幕戦だけにして欲しい。ナゾの火も出てた。選手入場のときの空気人形がなくなっていたのは残念。


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