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事業ドメインってなんだろう?

こんにちは!川内です。
今日は「事業ドメインの重要性」ということで、経営学の分野に触れてみたいと思います。
経営学は、組織論と戦略論という2大要素で構成されていて、今回の事業ドメインは、戦略論に含まれるものになります。

戦略を決めるということは、①ドメインを定義し、②資源配分を決定し、③競争ポジショニングを行う、ということです。
ここで示した「①ドメインを定義する」ということがドメイン戦略になります。
②資源配分を決定する=資源戦略、③競争ポジションニングを行う=競争戦略については、機会があれば書かせていただきます。

さて、そもそも「ドメイン」とはなんぞや??ということなんですが、それは組織の活動範囲や領域のことで、その企業が今どんな事業を行っていて、これからどんな事業を行おうとしているのか?という質問の回答がドメインということになるでしょう。
つまり、売上や利益といったかたちで今のところ表出していない潜在的な状態にとどまっているものも、ドメインという言葉には含まれるということです。

戦略論では、既に事業として具体化されている事業領域としてのドメインと、企業の事業展開の方向性やポテンシャルに重きを置き、目指すべき領域や範囲としてのドメインの側面を強調するために使う戦略領域としてのドメインがあります。

さらにドメインには、①物理的定義と②機能的定義というものがあります。

①物理的定義とは、製品・サービスなど実体に着目したものです。例えば、自動車メーカーであれば自動車というドメイン、お菓子メーカーであればドメインはお菓子となります。
しかし、戦略論においてはこの種の定義は推奨されていないです。なぜかというと、活動の成果だけを述べたものであり、物理的実体に着目しているため領域が狭いからです。ですので、将来に向かい企業がどういく方向に向かおうとしているのかが見えないのです。

②機能的定義とは、鉄道会社が事業を鉄道事業を捉えるか、それとも輸送事業と捉えるかと説明すると分かりやすいでしょう。輸送事業は、機能に関わる概念といえます。このような機能的定義で捉えることにより、その柔軟性は高くなります。

このようにドメインをどう定義するかで、その企業は何を事業とし、これからどこに向かおうとしているかが大きく異なってくるのです。

さて、勘のいい皆さまはお気づきかもしれませんが、定義したドメインがあってもそれって自己満足じゃないの?それじゃ仕方ないでしょう…ということです。
そう、おっしゃる通りです!
それはつまり、ドメイン・コンセンサスの重要性にお気づきということです。

ドメイン・コンセンサスとは、経営者と従業員とのやりとりを通じて、または企業と外部環境とのやりとりを通じて形成される、ドメインについての合意のことです。
つまり、ドメインの社会的合意といえるでしょう。

ドメイン・コンセンサスの形成はマネジメント上の重要な課題であると同時に、合意形成ができるかどうかはドメイン自体の問題でもあります。
そういう意味で、ドメインは丁寧に言葉を尽くして説明しなくても、組織のメンバーが納得できるもの、広く社会の共感を得られるものである必要があるのです。
このようなドメインを定義することは非常に難しいことでもあります。

ここまでお読みいただいただけでも分かっていただけると思いますが、事業ドメインの世界は非常に奥が深いです。
それではドメイン・コンセンサスはどのように形成されるのか?など、非常に重要なことがまだまだ存在します。
このあたりは別の機会で触れてみたいと思います。

テナアダムは、クリエイティブの戦略的パートナーとして、このような経営戦略からデザイン、プロモーションまで一気通貫でサポートしています。
少しでもご興味がありましたら、お気軽にお声がけくださいませ🙇‍♂️

ちなみに、ドメインと似て非なるものでありますが、コーポレート・アイデンティティについても過去に書いてますので、ぜひ読んでみてください!

今回もお読みいただき、ありがとうございました!!
川内でした!


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