【体験談】ハゲてきた
▶敢えて言おう。『ハゲのサラブレッド』であると。
白血病の治療が始まる前から、何なら10年以上前から、「自分はハゲのサラブレッドである」と豪語してきました。理由は簡単、親族含め頭髪が薄い男性が多いからです。故に私は抗がん剤治療による副作用の脱毛についてはすでに覚悟完了状態です。
「やっとオレの番か…」病院の呼び出し案内順が前後したようなもんです。
▶太陽は見えているか?
しかし、これまで僕の頭髪達が防衛してくれていた頭皮が露出されるのは良くない、紫外線はお肌の大敵である。私は白血病と戦うこの体にこれ以上不要なダメージを与えたくはない。そこで最近は『ハゲた私に似合うスタイル』をよく空想している。
①帽子、②手ぬぐい、③かつら…など現在頭皮を防衛する手段は多い。一体どのスタイルが私にピシャリと来るのかはこれからの人生の楽しみになりそうだ。
しかし、仕事中はどうだろう?①は屋内では不適切だし、②は事務しながらもお祭り感を出してしまいTPOにそぐわない。
となると仕事中は③となるのか、しかしカツラって不思議なほどに「あっあの人は『被っている人』だな」ってわかっちゃいますよね。
周りが知人ばかりならばいいが、そうでない空間でそれが露見したときの空気感はとてもじゃないが耐えられない気がする。そしてそれによる気まずい空気感なんかもっと最悪だ。相手にもいい気分で仕事を行ってもらうことは仕事の基本だと思う。
ではそこをどうするか、そこが最近の悩みでもある。
仕事中の頭皮防衛についていい案があればぜひ皆さんのお知恵を与えください。
▶『漢』の価値とそこへ向けた進化
副作用による脱毛が始まり、明らかに頭髪のボリュームが減っている。
通常抗がん剤治療から3週間ほどで脱毛が始まるようだが、私は少し早いらしい。それだけ私が『漢』として日々強く進化しているというこなのだろう。
「男の価値は毛じゃない。『心』だ!」
というネタ画像をネット上で見たことがあるが、まさにそのとおり。
そりゃあ毛があればより一層自己を表現でき、そのきれいな頭髪は一部『髪フェチ』なる界隈が存在することもまた事実である。おしゃれな髪型はそれだけでその人をより魅力的に魅せる要素でもある。
ただ、進化を始めた私はすでにその領域を離れつつある。これからは私の全身から滲む『漢の心』がより一層私を魅力的に魅せてくれるだろう。
▶進化に向き合う日々
とはいえこの進化(=脱毛)の途中経過はお世辞にも美しいとは言えない。朝起きたら枕に大量の抜け毛、粘着ローラー『コロコロ君』から私の朝は始まる。
日常生活中も気がつけば足元に抜け毛 ⇛ コロコロ君 の繰り返し
もちろん無菌室のため毎日助士さんが部屋中を綺麗にしてくださるが、自身が出したものの後始末はできるだけで自分でしたい。
お風呂に入れば一発で排水溝を詰まらせるくらいには抜ける。もちろん自分で取り出してゴミ箱にお持込み。排水口の掃除は誰だって気が乗らない。
進化とは非常に大変なものだと日々実感している。
▶どうせなら華々しく逝ってもらうことにしたい
というわけで、短期でも退院できた時にはいつもお世話になっている散髪屋さんでまとめてやってやろうと思っている。まだ具体的な日は何も決まっていないが、立ち会える人がいれば(コロナ禍のため大勢は無理ですが)私の進化の過程を一緒に楽しみましょう。
こちらは多分身内だけでFacebook等でまた周知しようかと思います。
▶私の最も憧れる漢
私が世界で最もかっこいいと思う俳優さんは『ジェイソン・ステイサム』さんです。彼は『世界一セクシーなハゲ』だと思います。そんな人に僕もなりたいです。日本人なら妻夫木聡です。あの笑顔は眩しい。
こんなほぼ駄文をに1,600文字以上を費やしました。我ながら何を熱くなっているのやら笑