未経験でSEO業務に転職し半年で月間15万PVにした40代女のメモ【11】

オウンドメディア運用歴たった9ヶ月の元編集ライター。

今年3月にリリースした自社ECサイトのPV数を、現在で月間19万にまで引き上げています。

先日、前職のプロダクションで「文章のムダを省け」としごかれた話を書きましたが、もう一人、別の先輩からもしつこく言われたことがありました。

「この文章は誰目線?」
と。

文章がおかしい原因の多くは「視点がブレているから」

最近うちのオウンドメディア用に納品されたWebライターさんの記事の中から具体例を挙げましょう。例のごとくすぐ見つかりました。



■「チョコレートだけでなく、いただいて嬉しいプレゼントは多数あります」

これだけでもう私、すでにこめかみがピキピキきてますね。
こういう例は枚挙に暇がありません。
ナメられてますね、うちの会社。

まぁ、もっと高いギャラ払っていいライター雇えよって話になるんですけど。


それでこの文章、誰が見てもなんかヘンと感じるはずですが、「じゃあ具体的に何がどうおかしくて、どう修正すればいいのか」と聞かれると、すぐに答えられます?

編集に慣れていない人はちょっと考えてしまうかもしれませんが、これが「文章の途中で目線がブレている状態」です。


整理してみましょう。この文章を書いている話者は、以下のいずれでしょうか。

1 チョコレートをもらう側の立場
2 チョコレートを贈る立場
3 世間一般のことを客観的に解説する第三者の立場

この文だとたぶん3のつもりかなとは思いますが、1の立場に見えなくもない。

「いただいて」という1の立場から見た言葉を入れてしまったせいで、読まされる私たちは「誰目線で語ってるの?」と混乱し、気持ち悪く感じるのです。

目線がブレまくるほど、一本ビシッと筋の通った読みやすい文章からどんどん離れ、カオス状態になっていきます。


次の文も同じ状態です。

■「使い道のない道具はもらってもうれしくなく、捨てられてしまうかもしれません。」


ちゃぶ台をひっくり返したくなってきました。
これ、主語はいったい誰なんですかね?


一見「道具は」が主語なのかと思います。
しかしその後に「もらってもうれしくなく」とあるから、ここは「道具をもらった人の目線」で語っている。
そこからさらに「捨てられてしまう」とあり、これは「道具(をあげた人)の目線」に立った受け身形です。
目線がバラバラ、文章も分裂しまくってグダグダ。


この文を私が修正するとしたら(ていうかこれから修正するんですが)、


(A) もらった人の目線で
「 使い道のない道具をもらってもうれしくないので、捨ててしまうかもしれません。」


(B) 贈る人の目線で
「使い道のない道具を贈っても相手に喜んでもらえず、捨てられてしまうかもしれません。」


(C) 第三者の目線で
「使い道のない道具をもらって喜ぶ人はいませんから、きっと捨てられてしまうでしょう」

だいたいこんなかんじにまとめ直します。



「この文章は誰の目線で語られているか」を意識して統一すると、記事全体が見違えるほどスッキリします。
それが読みやすさの要因の一つです。



しかし、ライターと名乗らないで欲しいレベルの文章ですが、こんなのが実際に納品されてくるんですよねぇ。

私は間に立つ制作会社のディレクターにまたギャンギャン文句を言って「ライターチェンジ❗️」と突っ返さなければなりません。

転職した当初は
「こういう文章を平気で納品できるライターの顔を拝みに行って、いったいどういう了見なのか問い詰めてみたい」
と思ったものです。

しかし、最近はそこまで真剣に時間をかけて関わる価値もない使い捨てライターなんだと思うようにしています。

赤ペン先生のように
「このライターさんはこういうクセがあるようだから気をつけてください」
と朱書きをいちいち入れてディレクターに返したこともありました。

でもそのうち
「なんでお金を払ってるクライアント側の人間が、月謝ももらってないのに時間を割いて半人前を指導したらなあかんねん」
とアホらしくなってやめました。

お金を払ったからにはプロらしい仕事を期待する権利があると思うので。

こういう、関わる人みんなが誰も幸せにならないクラウドソーシングという仕組み自体に問題があるということでしょうか。
よほど上手く使いこなさないと、お互いに疲弊する一方ですね。



怒りのあまり話がそれてしまいました。

なぜしつこく文章の書き方の話をするかというと、私自身がライター出身者だからそこに目が行くという理由もありますが、それだけではなくやはりSEOにも関わってくるからです。

最近の校正ソフトを見ているとなかなかの精度で、誤字脱字どころか「この表現は稚拙です」などと指摘してきます。

そのへんの校正ソフトでもわかることが、Googleのロボットに隠せるわワケがない。

「とりあえずコンテンツマーケティングを始めてみよう」と、安いライターが書いたグダグダの記事をサイトに大量投入している会社は、たぶんその外注費をドブに捨てることになるでしょう。

ライティングという立派なプロの技に敬意を払わず、「文章なんて誰でも書ける」「誰が書いても大差ない」と甘く見た報いです。









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