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2024.07.12 ドーサナイト

「次いつ家に来る?」
先日仲良くなったインド人家族から、何度も聞かれた。
同じマンスリーマンションに住んでいるのもあり、今週は3回も偶然道端で会った。
加えて、what’s upでのメッセージ。
その度に、同じ質問がきた。

「仕事が忙しくって...。」
「今日は疲れちゃって...。」
平日は、自分の時間が欲しいのもあり断っていた。
だが、せっかく誘ってくれるので、今日は自ら連絡してお邪魔した。

左端の部屋。
ドアをノックする前から、3歳の息子くんの声が聞こえる。
中に入ると靴を脱ぎ、独特なインドの香りが鼻をつく。

夫婦と息子の3人暮らし。
ビジネスホテルにキッチンを付け、少々広くした程度の部屋は、彼らには手狭だろうと思う。男の子は、3台の車のおもちゃを持っているだけで、他に遊び道具は見当たらない。お母さんも「テレビ漬けになっていて...」と心配し、ときに公園には連れて行っている。だが、公園か娯楽のない部屋の二択で、日中を母子で毎日過ごすのは精神的に厳しいのだろう。息子は小部屋を走り、ベッドの上で飛んでいる。

3年程前からスパイスを調達し、自らカレーを調理している私。
「カレーの作り方教えて!」と以前会ったときにお願いしていた。
それもあり、10分少々話をしたら、彼女はドーサを作り始めた。

米と豆を茹でてすり潰し、発酵させた生地を作り置きしているらしい。今日は、それを平たいフライパンで、クレープの要領で焼く。
プレーンのものと、少し厚みを出して玉ねぎ、すりおろし人参、青唐辛子を入れた二種類を作ってくれた。
それをピーナッツ・チャトニーと一緒に食す。


美味い。
ドーサは、日本だとなかなか食べられない。見つけたとしても1500円以上はする。
それを、こんな簡単に作ってくれるとは感動である。

30分ほどすると、旦那さんも帰宅した。
雨に降られたらしく、髪が濡れている。息子とベッドの上で、「ボクシングするか」とパンチの振りをする(ときに叩いていた...)。少年が食べるドーサを横から奪い、「ママ、アーディブ(仮名)がテレビ変えさせてくれない!」などと奥さんに苦言もする。なんともチャーミングな男性である。まるで2人の息子を抱える友人は、なんとも大変そうだが。

最後に、彼女から「何歳?」と聞かれた。
お互いの生まれ年を言うと、同い年であることが判明した。
年上だと勝手に思い込んでいた。そうか、3歳になる息子がいる人生を、私が送っていても、おかしくないのか。

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