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2024.06.16 体力勝負

昨日は熟睡できなかった。
ベッドでゴロゴロしても仕方ない。強い日差しの中、歩き出した。

トプカプ宮殿。
オスマン帝国時代のスルタンの居住や宝物が展示されている一大観光スポット。
だが行くのを悩んでいた。何故なら、外国人観光客は約7500円の入場料かかり、果たして、それだけの価値があるのか...?と思ったから。だが、他にやることもないのでとりあえず足を運んだ。

9:00。ツアーが来る前にと思い、早めに行ったら門が閉まっている。
警備員曰く、今日はイードだがら11時からしか開かない...。

仕方なく、昨日トルコ人におすすめされたギュルハネ公園を散歩。
木々の揺れる音に癒される。日陰に入ると風が気持ちいい。
そのままヨーロッパ側の先端まで歩いた。
釣りをしているおじさま。その魚を狙う野良猫さまを横目に、私も胡座をかいて海を眺める。

しばらくして、エジプシャンバザールへと向かう。
今回の旅でスパイスとドライフルーツを大量買するつもりだ。
イェニ・ジャーミィを覗いた後に、バザールに向かったが、今日はイードのため閉まっているらしい...。おっと、色々と嫌な予感。

とりあえずモスクはやっているので、スレイマニエ・モスクへ。
小高い丘の上にあるのもあり、到着すると街が一望できた。
お兄さんが芝生の木陰で、リュックを枕に寝ていた。それを見て、私も真似る。
寝不足と、暑さで徐々に身体に負担を感じていた。

イスタンブールで4つ目のモスク。
どれを見ても、ため息が出るほど美しい。これまでヨーロッパで教会は何十と見てきた。一つ一つの記憶も薄れてきている。だが、モスクはまだ新鮮で感動する。

お昼でも食べてから、トプカプ宮殿に戻ろうと思うが食欲がない。
朝からお腹の調子が悪く、初日に調子乗って食べた貝が原因か...?と不安になる。
とは言え、食べないとダメだと思い、無理やりフムスとサクスカ、パンをいただく。

トプカプ宮殿に着いた頃には、目が死んでいたと思う。
信念だけで入る。
午後に来たのもあり、旗の後ろに続くツアー客で賑わっていた。その隙間をすり抜けるように私も観光。居住空間は、八面玲瓏なトルコタイルで敷き詰められていた。青を基調とし、チューリップなどが描かれており、好みドンピシャだ。
宮殿と宝物館を回っても、2−3時間もあれば十分とされている。だが、1箇所見て10分ベンチで休憩するのを繰り返したおかげで、私は4−5時間ぐらい滞在していた。

気がついたらツアー客も減ってきた17:00。一番の見どころのハレムに滑り込む。
本来人が敷き詰められるであろう場所が、貸切状態。
よくガイドブックでは「朝一に行きましょう」と書かれているが、夕方も狙い目だ。

ハレムは、多い時で1000人の女性とスルタン、その母が生活していた場所。ハーレムというと、男性の楽園的な言い回しで使われることもあるが、歴史上で見るとなかなか残酷だ。豪華絢爛な室内とは対照的に、愁苦辛勤した女性たちが生活していた。またその相手をしないといけないスルタンも大変だっただろう。

気合いだけで、ここまで回った。
「40度あっても、カラッとしてたら汗かきにくいんですよね。だから気がついたら熱中症ってこともある。」
同僚のエチオピア駐在員が言っていた言葉を思い出す。確かに、汗は大してかいていないが、頭は痛い、お腹も気持ち悪い。ついでに歩きすぎて腰と足も限界。

もう無理と思いながら、ホテルまで戻った。
だがトルコもラストナイト。何がなんでも、ガラタ橋から夕陽と夜景が見たかった。
2時間ベッドで寝て、20時ごろに動き出す。

向かうバスの中、インド系の女性の横の席が空いた。
「座る?」と声をかけれれ、腰を下ろし話を始めた。
「あなた観光客?私昨日、トラムの中で鞄とパスポートを盗まれたの。今から警察に向かうんだけど、本当に気をつけてね」
夕陽と夜景をガラタ橋から見るのは観光客ぐらいだろう。腕にスマホやカメラを巻き、かばんは片手で抑えながら写真を撮る。サクッと見たら足早に、その場から離れる。
女性の一人旅なのもあり、警戒体制万全。
夜ご飯に念願のケバブを食べ、塩分摂取もできたので満足。


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