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『Just Because!』-静かに、でもざわざわと動く人間ドラマ-(レビュー)

こんにちはー!
最近リコリスリコイル、月がきれいと、色々なアニメの感想書きすぎだろって感じですが、実はそのアニメよりも前に観ていた作品がもう一作品だけあります。
それが『Just Because!』。
ずっと書こうとは思っていたのですが、先に直近見たアニメの感想を書きたくなって溜めてました。
アニメ鑑賞も一通り落ち着いてきたので、そろそろJust Because!感想も書いておきます。
あと今観てるアニメは現在進行形のウマ娘くらいなので、しばらくアニメの感想は月がきれいの単話感想くらいだと思う。

この手の恋愛アニメで鬱じゃないのはいい!

『月がきれい』はまず深夜アニメの枠組みの中でも大分イレギュラーなので置いておいて。
それ以外の深夜アニメの恋愛もので、こういうしっとり雰囲気のやつって、結構鬱っぽくなるやつが多いというか。ギャルゲのどれか一人のルートに焦点を当ててそれ以外の子は不幸せ、みたいなやつが多いと思うんですよね。
その分、このアニメはいわゆる群像劇、そもそもゲームが原作じゃないので、誰かのルートを誰かの視点で攻略するとかそういうのじゃないんです。
だからそれぞれの登場人物の間で心情が自在に揺れ動くというか、矢印の方向がくるくる動いて行ったり、うまく行きそうでいかなかったり。
主人公が昔住んでた土地の学校に、半年くらいだけ在籍するというのも珍しくていいなと思いました。こう、昔から知ってる人も新しく出会う人もいて、物語が主人公の転校きっかけで動くけど、半年だけだから人脈は広がり過ぎず、アニメで描写する期間も1クールで半年間だけっていうバランスがね、ちょうど良いですよね。

OPとEDがいい

このアニメ、OPとEDがいいですね。
OPはやなぎなぎさんが歌ってて、EDは声優さんたちが歌っているのですが、どちらもこのアニメのしんしんとした静かな雰囲気に合っているというか。
私にとってやなぎなぎさんといえば『凪のあすから』なのですが、あのアニメのEDでもいいなーと思ってましたが、今回で改めてこういう人間同士のドラマみたいなアニメに合う感じの曲を作るとピッタリとはまるなあと思いました。
ちなみに、『凪のあすから』を観ている私は、OPの登場人物たちの目線でこの先誰が誰を好きになるのかまで一発で分かってしまいましたが・・・表現方法同じなんだもんよ。

小宮恵那が魅力的過ぎる(良い意味でも悪い意味でも)

小宮恵那というのは、主人公が転校した学校でカメラ部をやっている一つ下の後輩です。
この子が良過ぎるんですよ。良い意味でも悪い意味でも。
小宮恵那ははじめのほうはカメラ部に執拗にこだわってるただの変な女で、OPで小宮恵那がこの先主人公に想いを寄せるであろうことを予期していた私でさえ「え?この子がこの恋愛の中に入ってくる?」くらいのポジションだったのですが。
彼女が主人公を意識してからの、グーーーンと伸びてくるこの感じ、とんだ差し馬タイプの女子でした。今まで恋愛とかどうでもいいしとか言ってたのですが、好きだと自覚したらものすごく素直にアタックするんですよ。その様子がもう健気で健気で・・・。
好きと自覚した途端LINEの一言一言も悩むし、デートに来ていく服はどれにしようになるし、ても主人公が幼馴染を好きなのも知ってるから、想いは伝えつつ、主人公が幸せならそれでと、主人公が幼馴染と同じ大学受かるために地元中の神社回ってお守りかき集めてきたりするんですよ・・・。
さて、しかしこれが私的には悪い意味でも魅力的過ぎると思っていて。
というのも、この子のキャラが立ち過ぎて主人公が好きなヒロインが霞むんですよ!こんなにこのキャラ際立たせるんだったらもっとヒロインも魅力的に書かなければいけない!
小宮恵那は自分の気持ちに気づいてきちんと正面から向き合って素直に伝えてるしでも気持ちを押し付けて主人公を困らせないように色々配慮もしてるし主人公のためを思って色々動いたりもしてる。
一方でヒロインの夏目は特に主人公のために何かするでもなく、むしろずっと別の男が好きだし、主人公好きと思ったところで気持ち伝えてもいないのに小宮恵那と一緒にいるところに泣いて怒ったりして主人公を困らせているし、最終回も何故か大学の入学式までずっと連絡取らないし、なんだろう、これだと主人公がずっと昔から好きで気持ちを伝えられていないという一目惚れからの未練だけで幼馴染を好きでい続けてるだけみたいに見てるんですよね。せめて再会してからの半年間でもう少し、これは小宮恵那捨ててこの子選んじゃうわ、みたいな強いエピソードがもう少し欲しかったです。

面白かったけど相対的な評価としては

総合的に、面白かったです。
今回あまり触れなかったですか陽斗と葉月というキャラの恋愛模様も絡んできてその二人がどうなるのかも気になったし、小宮恵那が台頭してきてからは先の展開が更に気になるしで、中弛みしない。しかもOPEDは雰囲気たっぷり。この物語の秋〜冬で且つ受験時期という静かでざわざわとした空気感が観ているこっちまで伝わってきます。
ただ、恋愛アニメとしては私はやっぱり『月がきれい』の方がより心理描写は丁寧かなと思うし、群像劇という面の恋愛アニメとしても『ef - a tale of memories.』(←二期のmelodiesの方も)の方が優れているかなと思います。もし『月がきれい』なら小宮恵那を削ってでもきちんと正ヒロインである夏目との描写を丁寧に描いていたと思いますし、efシリーズだったら夏目も小宮恵那も双方が輝き幸せになれるような物語が描かれていたと思います。
そういう意味で「何回も観たい!」となるアニメまでは行かなかったかなーと思います。
でも十分面白いので、興味ある人、なんかとりあえずアニメなんか観たいんだけどという人は、見て後悔しないアニメだと思います!

では!

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