【一次創作】 創作者がキャラクターに思い入れ深くするのは良いか悪いか
一次創作小説「迷宮遺失物回収業者 ハゲタカ」第三、四、五話までなろうに投稿し終えました。
※https://ncode.syosetu.com/n8023il/※
……先週は対世界用魔法少女つばめの記事を書くのにエネルギーリソースを使ってしまい、気がついたら自分の創作小説は五話まで終わっていました。
ちなみに今週の日曜で完結します。
【創作者がキャラクターに思い入れ深くするのは良いか悪いか】
毎回自戒的な意味を込めてこういうコラム書いているんですが、今回は本当にかーなーり気をつけているつもりで、でもやっぱり上手く実行できていないお話です。
結論から先に書きます。
短編ならOK。
長編ならアウト。
短編はですね、尺の問題があるのでどうしても焦点を当てるキャラクターが絞られます。
もはや思い入れする余地も無い。なので、短編で登場したキャラクターが長編作品に登場したりします。
有名所で言えばONE PIECEの尾田先生の描いた短編MONSTERSの主人公リューマなんかですね。
リューマは既に故人で、リューマ周りの設定がONE PIECE世界に深みを与ているので良い塩梅と言えます。
【長編ではなぜ駄目なのか】
ストーリー全体の整合性や、ご都合主義、特定のキャラクターが崩壊するなど色々な弊害が出ます。
特定のキャラクターを魅せるために頁数を使いすぎて、他キャラクターの出番が減ったり存在自体忘れられたり(いっそもう猿時空に飲み込まれて忘れ去られると諦めもついたりする)。
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特定キャラにとって妙に都合の良い事態にストーリーが運んだり。
ちなみに、ご都合主義は物語を作るうえである程度必要悪なところがあります。登場人物全員が最善を尽くしすぎたらそれはそれで取り返しのつかない面倒くさい事態になるので。
しかし何事にも限度があるということで、この限度をどこまで許容できるかは受け手によります。そらもうファン同士で抗争が起きるくらいに。
例を挙げるとThe Bookとかいうアンソロ本のファン同士で戦争とか起こるくらいですぜ。
※※※
キャラ崩壊で一番わかりやすくてアカン例は、お察しされている方も多いでしょうが、贔屓キャラの踏み台にされるために既存キャラが犠牲になるようなストーリー展開です。
踏み台にされたキャラのファンを踏み躙る行為なわけで、これで一気にアンチに回ったとかいう話はもう耳タコでございましょう。
ちなみに私は酒呑童子が大好きなので奴を登場させた作品での扱いが悪いとそれだけでもう放り出すぞ!!
【でも実践は難しい】
ただ、長編になればなるほどやはり思い入れ深いキャラクターや、どうしても描きやすいキャラクターの出番が増えてしまうのを避けるのは難しい。
人気連載形式の作品ならば、本来の予定のタイミングで退場させるつもりのキャラの人気が出てしまい、困った挙句に復活させたり後付エピソードを出すことでかえって台無しにしてしまう例も枚挙に暇が無く……。
個人製作でコレを留めるのは難しく、優秀な担当編集や良き創作理解者に恵まれる必要がありましょう。
なお大勢のスタッフが集まって創るはずのゲームやオリジナルアニメでも、シリーズを重ねるごとにこの現象は結局避けられなかったりするのもやはり身に覚えがある方も多いのではないでしょうか。
結局はオブザーバーの意見にどれだけ耳を傾けられるかという点にかかっているのですが、ぶっちゃけ規模の大きい作品の場合、出来そのものより売り上げの方がまず大事なので……。
【二次創作でも例外ではない】
ちなみにコレは二次創作でも例外では全くありません。
というか、二次創作の方がはるかに氾濫しています。さすがプロとアマチュアは創作に対するスタンスが違うぜ。
悪名高きメアリー・スーも元々は二次創作概念です。最近では逆手に取ったキャラクターが出てきて結構好き。
コミック版幼女戦記のメアリー・スーはチカ先生の性癖が詰まった美少女で見ている分には無害だぞ!(頭の残念さはこの作品のテーマの一つなので……)
【対応策?】
こういった状況を防ぐための対応策は、概ね二つあると考えています。
・製作したキャラクターの端々まできちんと詰める
「このキャラはこうする」「このキャラはああしない」を徹底するわけですね。
ストーリーが進行するうちにブレてこないよう、どういうキャラだったか書く前や書き出した直後あたりにがっちり詰めた設定メモ作っておき、時々見返しておくといいでしょう。
ただ、コレだけで長編が進むと風呂敷を畳むのが面倒な事態に陥ったりします。
・プロットを詰めておく
物語の最後までのプロットを大まかでもいいので詰めておくと、終着地点に向けてキャラ崩壊がしにくくなります。
「あ、これヤベ」ってなったら随時軌道修正する形ですね。
なおこっちもデメリットが無いわけではなく「ストーリーにキャラが動かされている印象がある」と読者に違和感を抱かせてしまう形にも。
この手法の場合は「5W1H」が重要です。これがしっかりしている作品は多少の違和感はごまかせています。
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なお、偉そうなこと書いていてなんですが、究極的に一番大事なのは製作者本人のメンタルやバイタリティです。
それらを削ってまで創作するとか呪いの妖刀とか所有者が死ぬ絵画とかかよって話になっちゃいます。
まぁ世の中には世界を呪い殺すためなら我が身が死んでもいいというスタンスで創作に挑む人もいるので、その場合はメンタルもバイタルもただのリソースでしかなくなるんですけどね……こわい。
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