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MTG Arenaイコリアドラフトガイド

はじめに

こんにちは

MTGアリーナではイコリアのリリースからプレイヤーとのドラフトが実装され、これまでのボットとのドラフトに飽きてきていたプレイヤーの間で盛り上がっています。

僕自身もリミテッド初心者ながら、とても楽しんでいます。構築戦よりもドラフトは難易度が高く、躊躇している方も多くいるのではないでしょうか。そこで、初心者の目線からドラフトガイドを書いてみることにしました。主にドラフト初心者のみなさんに参考にしていただければ幸いです。

ドラフトの難しいところは再現性が低く、状況によって柔軟に動かなければいけない点だと思います。初心者が陥りやすいミスは、「強いカード」ばかり取ってデッキレベルでの構築やシナジーを無視しがちだというところです。

今回は再現性を少しでも上げるため、僕が7勝したデッキタイプでもあるコモンが中心の強力なデッキタイプ、三種類に絞って解説します。最初に始めるのであればこの三種類で間違いはないと思います。

この記事は全文無料ですが最後の部分に投げ銭を付けました。投げ銭してもらえると励みになります。以下、コモンはC、アンコモンはU、レアはR、神話レアはMとカード名に併記し、1‐1(1パック目の1ピック目)、3‐4(3パック目の4ピック目)などと省略します。

デッキタイプ三種

はじめに構築を目指すデッキタイプ三種を僕の7勝のリストとともに軽く解説したいと思います

白黒人間

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このデッキタイプはコモン除去が優秀な白黒を中心に、人間アタッカーである《日勤隊の指揮官C》、全体強化である《防衛線の兵長C》、《聖域封鎖U》を軸に物量で早期に決着をつけるアグロデッキです。

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序盤に除去でブロッカーをどかしながら殴るデッキなので、色事故して止まってしまうと負けます。このことから色は白黒で組まれることが多いですが、まれに中盤以降も戦えるように青をタッチすることもあります。

その場合は優秀なバウンス除去である《疾風C》、相手の攻撃やブロックを止める《捕獲球C》、優秀な重量級フィニッシャーである《折り畳み翼竜C》を2~5枚入れることが多いです。

緑赤青変容

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このデッキタイプは新キーワード能力である変容をコンセプトに戦うデッキです。《夢尾の鷺C》をはじめとする強力な変容もちクリーチャーは4~7マナに固まっているため、序盤はブロッカーや除去でごまかしながら、終盤に強力なクリーチャーを連打して相手を圧倒します。変容もちのクリーチャーは変容なしでも出すことができるので、状況に合わせて柔軟なプレイが求められます。

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レアや神話にも《永遠羽のフェニックスR》や《永遠の頂点、ブロコスM》、《願いの頂点、イルーナM》など色が合うゲームエンドレベルの強力な変容もちクリーチャーがあるので取れるとデッキが何倍にも強くなります。1‐1などにこのレアや神話が取れた場合はこのデッキタイプを目指します。

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赤白サイクリング

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スクリーンショット (8)

このデッキタイプは完璧に構築できると、キーワード能力、サイクリングによりほかのデッキより再現性が高く、安定した強さを発揮します。逆に《トゲマーモセットC》や《雄々しい救出者U》などをはじめとするサイクリングで誘発する能力を持つカードをピック出来なければ途端に弱いデッキになってしまいます。

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上流の流れを読んでこのデッキを目指すかあきらめるかが難しいところです。上流が白のカードを集めていると判断したら赤黒にシフトしてみるのもお勧めします。純粋な赤白サイクリングよりはパワーは落ちますが、黒の除去と赤のサイクリング誘発をうまくピック出来るとまとまったデッキになります。

サイクリングはインスタントタイミングで起動できるため、相手のターンまで待つか、自分のターンに起動してしまうかというプレイの自由度も高く、その分プレイを複雑かつ難しくしています。

上記の二つほど初心者にはお勧めしませんが、少し慣れてきたら構築を目指してみるのも面白いです。

以上が三種類の強力なデッキタイプです。次項からは単体のカードに絞ってピックする基準を考えていきます。


強力な除去

このセットではレアやアンコモンはもちろん、コモンでも優秀な除去が多数収録されています。ピックはデッキのバランスにもよりますが、僕はデッキに除去3~6枚を目指してピックしています。

この項では各色の優秀なコモン除去を優先度順に紹介します。

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《平和な心C》

軽さ、強さともに文句なしの除去です。BO1のプレミアドラフトだとエンチャントに触れるカードは基本的にデッキに入りませんが、まれに破壊されるので気を付けましょう。このカードをつけても、起動型能力は起動できるので起動型能力もちのクリーチャーに使ってしまうともったいないのでできるだけ持っていないクリーチャーにつけましょう。

《神聖なる矢C》インスタント

攻撃クリーチャー一体かブロッククリーチャー一体を対象とする。神聖なる矢はそれに4点のダメージを与える。

便利で軽い除去です。白黒人間では序盤にブロッカーをどかしたいことが多いので、十分に機能します。コンバットトリックとして使えば、タフネス5以上のクリーチャーも破壊できることがあります。

《丸呑みU》ソーサリー
この呪文を唱えるための追加コストとして、あなたがコントロールしていてアンタップ状態のクリーチャー1体をタップする。
タップ状態のクリーチャー1体を対象とし、それを追放する。この呪文の追加コストを支払うためにタップしたクリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置く。

条件付きではありますが1マナと軽い追放除去です。

おまけにクリーチャー強化がついているので強力です。白黒人間を目指すと決めて、2‐2や2‐3、3‐2や3‐3などに軸となるクリーチャーがいなかったときピックしたいカードです。

《刃による払拭C》インスタント
パワーが4以上のクリーチャー1体を対象とし、それを追放する。

相手の大きめのブロッカーやフィニッシャーをどかします。ライフを詰め切れているときの最後の押しに使うことが多いです。2‐6や3‐5など強めのアンコモンや軸となるクリーチャーがないときにピックします。

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《血液凝固C》

コモンでインスタント、4マナでシングルシンボルおまけつきとリミテッド除去でほしいことを全部やってくれます。つけた威迫は地味にブロックしにくくさせるのでライフを詰めるのに役立ちます。二枚以上ピック出来て、ほかに黒の強めのカードや黒含む混色のカードがあればタッチ黒を考えましょう。その価値があるカードです。

《無情な行動U》(1)(黒)
インスタント
以下から1つを選ぶ。
・カウンターが置かれていないクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。
・クリーチャー1体を対象とし、それの上からカウンター最大3個を取り除く。

大体の場合でクリーチャーを破壊できますが、きちんと確認しないと破壊できなくてプラン崩壊みたいな大惨事になりかねません。二つ目のモードはボードアドバンテージを失っているのでほとんどの場合で使いませんが、コンバットトリックとしてや相手の飛行カウンターをどかして上から殴ったりもできます。3‐1や3‐2で除去が欲しい時に取ったりします。


《隠れ潜む名射手C》 (3)(黒)

クリーチャー — 人間(Human) 暗殺者(Assassin)

瞬速
隠れ潜む名射手が戦場に出たとき、このターンにダメージを受けたクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。

4/2

条件付きでクリーチャーを破壊できます。コンバット後に出してクリーチャーを破壊するのが主な役目です。人間でもあるのでバフも乗ります。わかってる相手だとケアして動いてくるので出すタイミングの見極めも大事です。


《相互破壊C》(黒) ソーサリー
あなたが瞬速を持つパーマネントをコントロールしているかぎり、この呪文は瞬速を持つ。
この呪文を唱えるための追加コストとして、クリーチャー1体を生け贄に捧げる。
クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。

コストが必要かつ条件付きのソーサリータイミングですが、トークンが並ぶ白黒人間では十分な働きをします。

《死の重みC》(黒)
エンチャント — オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは-2/-2の修整を受ける。

便利で軽いデバフ除去です。タフネス2までを除去できるほか、タフネス3以上のクリーチャーにつけても状況次第ではかなりいい働きをします。人間では《相互破壊C》のほうが強いと思っていますが、ほかのデッキだと基本的にこちらのほうが汎用性が高いです。

《捕獲球C》(3)(青)
エンチャント — オーラ(Aura)
瞬速
エンチャント(クリーチャー)
捕獲球が戦場に出たとき、エンチャントされているクリーチャーをタップする。
エンチャントされているクリーチャーは、それのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。

ソーサリータイミングで使えるエンチャント除去です。ブロックされたくないときにはブロッククリーチャー指定前に使わないとブロックされてしまいます。常在型能力や誘発型能力は止められないので注意が必要です。

《疾風C》 (3)(青)
ソーサリー
あなたが飛行を持つクリーチャーをコントロールしているなら、この呪文を唱えるためのコストは(2)少なくなる。
あなたがコントロールしておらず土地でもないパーマネント1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
カードを1枚引く。

ソーサリータイミングですが条件付きで軽くなり、ドローもできるので汎用系が高い除去です。変容しているクリーチャーを手札に戻すと重なっているカードすべてが手札に戻るのでアドバンテージを失うことがあります。基本的に1ターンしか足止めできないのでタイミングが重要なカードです。

《飛びかかる岸鮫U》(4)(青)
クリーチャー — サメ(Shark) ビースト(Beast)
変容(3)(青)(あなたがこの呪文をこれの変容コストで唱えるなら、あなたがオーナーであり人間(Human)でないクリーチャー1体を対象とし、これをそれの上か下に置く。これらは、一番上のクリーチャーにその下にある能力すべてを加えたものに変容する。)
瞬速
このクリーチャーが変容するたび、対戦相手がコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。あなたはそれをオーナーの手札に戻してもよい。

4/3

このクリーチャーの変容に誘発して相手のクリーチャーを手札に戻せます。複数回誘発できるとかなりのアドバンテージが稼げますし、本体も4/3と悪くないのでかなり強力です。緑赤青変容を目指しているときに2-1でレアが弱かった時や3-2、3-3でピックしたいカードです。変容の条件は人間でないことなので残念ながら人間には入りそうにありません。

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《巨獣の激突U》

インスタントタイミングで最大二体処理できるすさまじいカードです。格闘は戦闘ではないため、先制攻撃や二段攻撃は機能しません。その代わり接死は通常通り機能するので、相手小型接死と大型クリーチャーを格闘させて両方処理することもできます。

ダブルシンボルなので赤白サイクリングか赤が濃いめの緑赤青変容を目指しているときにピックしたいカードです。逆に赤が薄めのデッキにはいくら強力でも厳しいことが多いです


《火の予言C》(1)(赤)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。火の予言はそれに3点のダメージを与える。あなたはあなたの手札からカード1枚をあなたのライブラリーの一番下に置いてもよい。そうしたなら、カードを1枚引く。

構築でも強そうなレベルの手札操作付き火力除去です。後半にも腐りづらく、二枚以上取れるとデッキレベルで安定感が増します。2-4や2-5あたりに流れてくるととりたくなります。

でもそこは我慢したほうがいい時もあります。リミテの主役はクリーチャーですから、デッキの全貌が見えてくる3パック目まではクリーチャーをとっていったほうが無難だと思います。もちろん1パック目や2パック目でもほかによさそうなものがなければこれをピックします。迷ったときは早めのデッキならクリーチャー優先、重めのデッキなら除去優先をお勧めします。

《炎の氾濫C》(2)(赤)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。炎の氾濫はそれに4点のダメージを与える。余剰のダメージは、代わりにそのクリーチャーのコントローラーに与える。

四点の火力除去です。よほど大きいクリーチャーではない限りこれで処理できるので、いつでも便利なカードです。タフネスが低いクリーチャーに使うとプレイヤー火力としても使えます。自分のクリーチャーにも使えますが、使っても火力が飛んでくるのは自分なので気を付けて。

《轟く岩滑りC》(3)(赤)
ソーサリー
クリーチャー1体を対象とする。轟く岩滑りはそれに、あなたがコントロールしている土地の総数に等しい点数のダメージを与える。

重たいですが終盤も使える万能除去です。強くて万能なので2-5以降や1-7以降にピックしたいカードです。このあたりの火力除去が三枚以上取れていれば、デッキの色が合わなくてもタッチ赤を考えます。

《血の希求C》(1)(赤)
ソーサリー
あなたがコントロールしているクリーチャー1体とあなたがコントロールしていないクリーチャー1体を対象とする。その前者はその後者と格闘を行う。(それぞれはもう一方に自身のパワーに等しい点数のダメージを与える。)
サイクリング(1)((1),このカードを捨てる:カードを1枚引く。)

サイクリング付きの格闘除去です。赤白サイクリングには完ぺきなカードで、サイクリングコストも軽いです。英語ではGo for Bloodといい、カード名がかっこよくてピックしちゃいますが、格闘除去なので自分の盤面に大きめのクリーチャーがいる時でないと有利交換できないことを忘れずに。サイクリング付きなのでどのデッキでも腐ることはありません。

《雷猛竜の襲撃U》(1)(赤)
インスタント
クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体を対象とする。雷猛竜の襲撃はそれに、あなたの墓地にありインスタントやソーサリーであるカードの枚数に等しい点数のダメージを与える。このターン、そのクリーチャーやプレインズウォーカーが死亡するなら、代わりにそれを追放する。

リミテッドではかなり条件が厳しいですが、デッキによっては採用の余地があります。とくに赤白サイクリングではサイクリングで墓地にソーサリーインスタントが送れるため、実用的な除去になることも珍しくありません。

《切り裂かれた帆C》(1)(赤)
インスタント
以下から1つを選ぶ。
・アーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。
・飛行を持つクリーチャー1体を対象とする。切り裂かれた帆はそれに4点のダメージを与える。
サイクリング(2)((2),このカードを捨てる:カードを1枚引く。)

飛行を持つクリーチャーを除去できますが対象が狭いため入れることはあまりありません。赤白サイクリングではサイクリングもちの除去として優秀なのでピックすることがあります。あまり欲しがる人がいないので、一周目(7ピックまで)は流しても二周目で戻ってくることが多いです。逆に戻ってこなかった場合は赤をとっている人がいる証拠なので早い巡目では赤白サイクリングをあきらめるヒントになることもあります。

《猛火の斉射C》(赤)
ソーサリー
猛火の斉射は対戦相手がコントロールしている各クリーチャーにそれぞれ1点のダメージを与える。

BO1のプレミアドラフトではどうしてもこういうサイド向けのカードの評価は低くなってしまいます。13-15ピック目でほかに合う色がなければとるようなカードですし、とってもデッキに入ることはめったにありません。

《強行突破C》 (1)(緑)
インスタント
あなたがコントロールしているクリーチャー1体と、あなたがコントロールしていないクリーチャー1体を対象とする。その前者はその後者に、自身のパワーに等しい点数のダメージを与える。その前者がトランプルを持っているなら、余剰のダメージは、代わりにそのクリーチャーのコントローラーに与える。

除去の弱めな緑で唯一有能といえる除去です。接死ももちろん有効なので大きいクリーチャーがいないときでも活躍できます。3-3や2-5でデッキの方向が決まっていればピックしたいカードです。

《永遠獣の突撃U》(2)(緑)
ソーサリー
この呪文を唱えるための追加コストとして、あなたの手札からクリーチャー・カード1枚を公開する。
クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体を対象とする。永遠獣の突撃はそれに、その公開したカードのパワーに等しい点数のダメージを与える。

追加コストが不安定で強さにはばらつきがありますが、少ない選択肢の中ではピックの価値があるカードです。なぜかプレインズウォーカーも除去できますがこのセットではほとんど出てこないのであまり使うことはないと思います。貴重なアンコモン枠をつぶしてピックするかは正直状況次第です。3-4でデッキのクリーチャーがほぼ取り切れている場合などに取りたいカードですが、コモンにも有用なクリーチャーがいるときは僕は大体このカードよりクリーチャーをとることが多いです。

《巨怪な一歩U》(4)(緑)
ソーサリー
クリーチャー1体と他のクリーチャー最大1体を対象とする。ターン終了時まで、その前者は+7/+7の修整を受ける。このターン、その後者は可能ならその前者をブロックする。
サイクリング(2)((2),このカードを捨てる:カードを1枚引く。)

バフが合わさったような変則的なソーサリーで、除去にも使えます。二段攻撃もちのクリーチャーや飛行もちのクリーチャーにつけても面白いですが、トランプルとの組み合わせは強力です。

《垂直落下C》(1)(緑)
インスタント
飛行を持つクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する

条件がかなり厳しく、限定的なためあまりピックしたくはないカードですが一枚程度入れておくと気持ちよくささったりすることもあります。


混色

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《不吉な戦術U》かなり強力な追放除去です。白黒人間なら実質デメリットもありません。

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《天頂の閃光U》サイクリング依存ですが組み切れると無類の強さを発揮します。プレイヤーにもダメージが飛ばせるのも偉いです。二枚取れると宇宙が広がります。

《交感の力U》

(2)(青)(赤)
インスタント
この呪文を唱えるための追加コストとして、カードX枚を捨てる。
プレイヤー1人と、クリーチャーやプレインズウォーカー合わせて最大1体を対象とする。その前者のプレイヤーはカードをX枚引く。交感の力はその後者にX点のダメージを与える。

手札がたまりにくいリミテッドではあまり強くないですか、除去が足りないときはデッキに入ることもあります。




無色

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《トラバサミC》

思ったよりも強いです。プレイヤーにもダメージが飛ぶのも偉くて、万能で度のデッキにも一枚あれば助かる場面は多いです。三枚以上は多い感じがします。


以上がこのセットのアンコモンコモンの除去でした。デッキにもよりますが合計3~6枚取れるようにピックしています。次項では僕なりのドラフトのピックの基準と、各デッキタイプの核となるクリーチャーを書いていきます。

デッキ単位でのピック

ドラフトではデッキ単位の強さがカード単体より重視されがちです。上記の三種類のデッキタイプに対応するカードの集め方を考えていきます。

1パック目、序盤(1~5ピック)

一番ラッキーなのはやはり1-1で強力なレアや神話レア、いわゆるボムレアをピックすることです。ゲームを決めきるボムレアはその後のピックの基準にもなり、その後がかなり楽になります。まだ慣れないうちはボムレア寄せの構築にオールインしたほうが強く組めます。三色やダブルシンボルな分、カード単体のパワーはすさまじく、構築を寄せたほうがいい場合がほとんどです。

1-1で取るべきボムレアの例

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《光明の繁殖蛾M》白黒人間にも、赤白サイクリングにもどちらにも進むことができます。

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《ラバブリングの冒険者R》人間を目指すいい理由になります。状況に応じて選べるプロテクションは思っていたより強力です。

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《サメ台風R》サイクリングしても強く、盤面におけるともう止まりません。緑赤青変容はもちろん、赤白サイクリングを目指しているときもタッチ青してデッキに入るカードです。

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《絶滅の契機R》自分で選べる全体除去です。うまく決まればゲームエンドレベルの破壊力があります。追放除去なので破壊誘発も許しません。黒の強いレアはダブルシンボルが多いなかこのカードのみシングルシンボルです。白黒人間もちろん、ほかの二種のデッキタイプでもタッチ黒を考えます。


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《永遠羽のフェニックスR》よみがえってくる飛行4/4しかも変容はシングルシンボルなので赤が濃くなくても使えます。これをとれれば基本的には緑赤青変容を目指したいですが、赤白サイクリングの強いアンコモンをとれた時はそちらを目指しても大丈夫です。サイクリングは人間が多いので人間の比率だけ注意して構築してください。


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《予測不能な竜巻R》1-1で取れると真っ先に赤白サイクリングを目指す理由になります。サイクリングするたびにうじゃうじゃわいてくるのはおかしいとしか言いようがありません。

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《巨大猿、コグラR》トリプルシンボルなので緑を濃くしないと出せませんが、それに見合うパワーがあります。変容で飛行をつけると最強のフィニッシャーになるので緑赤青変容を目指すことをお勧めします。《謙虚な自然主義者C》は変容デッキにも入りうる人間なので、起動型能力もいくらかは期待できます。

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《永遠の頂点、ブロコスM》、《死の頂点、ネスロイM》、《願いの頂点、イルーナM》

バケモノ変容三人衆。タイミングいい時に出すだけで勝てます。《死の頂点、ネスロイM》のみそのままの緑赤青変容だと色が合わないので赤か青を切って黒にかえるとうまく機能します。四色はあまりおすすめしません。


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相棒もちカードは総じて強力です。どのカードも寄せてピックすることができるパワーを持っていますが、上記のカードが特に強いです。手札が八枚の状態でスタートするため、初めからカードアドバンテージを得ることができています。ジャイルーダですべてを破壊されて泣いたプレイヤーは後を絶ちません。


以上のカードがいわゆるボムレアと呼ばれるカードです。強いレアは多すぎて書ききれませんが、根本原理サイクルなどは色があってもかなり使いづらいので1-1でピックするのは避けたほうが無難だと思います。3-3などで回ってきて色が合うときのみピックするようにしています。

慣れてくるとうまく組み切れなかったときのバックアッププランも考えておくとなおいいと思います。特にこのセットのボムレアは三色やダブルシンボルなど構築難度の高いカードもあるため、バックアッププランが生きてくる場面もあります。

残念ながらレアが弱かった時はアンコモンを狙いに行きます。白黒人間では《聖域封鎖U》などを序盤にひけるとこのデッキタイプを目指す理由になります。

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赤白サイクリングでは《天頂の閃光U》や《雄々しい救出者U》などがデッキを目指す理由になります。

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1パック目中盤以降(6ピック目以降)

最初の5ピックである程度方向が決まったあとは、そのデッキタイプに合うコモンアンコモンをとっていきます。以下が対応するコモン、アンコモンです。優先度順に並べていますが、マナカーブなどバランスよくピックしてください。

白黒人間

トークンや軽量カウンターを並べつつ早めに勝負を決めるデッキです。人間強化の効果も使うと突破力が上がります。

《防衛線の兵長C》

(2)(白)
クリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)
防衛線の兵長が攻撃するたび、ターン終了時まで、他のあなたがコントロールしている人間(Human)は+1/+0の修整を受ける。

3/2

こいつが二体ならぶと人間は止まりません。

《日勤隊の指揮官C》

(3)(白)
クリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)
日勤隊の指揮官が戦場に出たとき、白の1/1の人間(Human)・兵士(Soldier)クリーチャー・トークンを1体生成する。

3/3

トークンを出す優秀なアタッカーです。トークンも人間なのでどちらにもバフがかかります。コモンなので複数枚取れることも珍しくありません。

《隠れ潜む名射手C》

(3)(黒)
クリーチャー — 人間(Human) 暗殺者(Assassin)
瞬速
隠れ潜む名射手が戦場に出たとき、このターンにダメージを受けたクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。

4/2

タフネスが低いのが欠点ですが、瞬速つきで除去もできる万能なクリーチャーです。

《将軍の執行官U》

(白)(黒)
クリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)
あなたがコントロールしている伝説の人間(Human)は破壊不能を持つ。
(2)(白)(黒):墓地からカード1枚を対象とし、それを追放する。それがクリーチャー・カードであったなら、白の1/1の人間・兵士(Soldier)クリーチャー・トークンを1体生成する。

2/3

起動型能力が優秀ですが、アンコモンなので早々流れてきません。


《夜勤隊の猛士C》

(2)(黒)
クリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)
夜勤隊の猛士が戦場に出たとき、このターンにあなたが攻撃していた場合、白の1/1の人間(Human)・兵士(Soldier)クリーチャー・トークンを1体生成する。

2/3


《検問官C》

(1)(白)
クリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)
(1)(白),(T):クリーチャー1体を対象とし、それをタップする。

1/2

変容で一体にかけるコストが大きくなる分、タッパーは強力です。できれば二枚以上とりたいカードです。

《翼膜の虎C》

(4)(白)
クリーチャー — 猫(Cat)
飛行
翼膜の虎が戦場に出たとき、あなたがコントロールしていている人間(Human)1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+2/+2の修整を受ける。

3/4

人間を強化しつつ飛行で上から殴っていけます。


人間の取りたいカードはこのくらいで、ほかは除去とその他の人間で固めていきます。

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《揃った突撃C》が二枚程度ピック出来ていると序盤に押し込む力が上がります。カードが足りなさそうな場合には青い除去や《折り畳み翼竜C》などをピックしておいてタッチ青するのもいいと思います。その場合青が出る土地は3枚程度入れます。

緑赤青変容

一番柔軟性に富んでいるデッキタイプです。二色で十分そうな場合は二色に抑えるのも一つの手です。変容もちを十分入れて、《折り畳み翼竜C》呪禁カウンターに《夢尾の鷺C》変容で飛行をつけて上から殴るのが主なゲームプランです。コンボパーツがどちらもコモンで再現性が高く、単体除去は効かないので隙がないです。

《夢尾の鷺C》

(4)(青)
クリーチャー — エレメンタル(Elemental) 鳥(Bird)
変容(3)(青)(あなたがこの呪文をこれの変容コストで唱えるなら、あなたがオーナーであり人間(Human)でないクリーチャー1体を対象とし、これをそれの上か下に置く。これらは、一番上のクリーチャーにその下にある能力すべてを加えたものに変容する。)
飛行
このクリーチャーが変容するたび、カードを1枚引く。

3/4

このデッキのメインアタッカー。飛行を付与しつつドローできます。

《折り畳み翼竜C》

(5)(青)
クリーチャー — 恐竜(Dinosaur)
折り畳み翼竜は、飛行カウンター1個か呪禁カウンター1個のうちあなたが選んだ1つが置かれた状態で戦場に出る。(呪禁を持つクリーチャーは、対戦相手がコントロールしている呪文や能力の対象にならない。)

3/6

選べるカウンターはどちらも強く、かなり優秀だが6マナと重いです。シングルシンボルなので青薄めでも機能します。優秀さの割にピックされないので、四枚以上ピック出来ることもまれにあります。

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《渡る大角C》変容すると土地を持ってきます。こいつがいるおかげで三色でもまわります。出ないと回りにくくなるので緑は濃いめにしましょう。



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《雲貫きC》手札操作付きの変容。四点火力が二枚ある環境だが十分仕事はします。到達が地味に偉いし沼な相手は確認せずに飛行で突っ込んできてくれることもあります。

《飛びかかる岸鮫U》

(4)(青)
クリーチャー — サメ(Shark) ビースト(Beast)
変容(3)(青)(あなたがこの呪文をこれの変容コストで唱えるなら、あなたがオーナーであり人間(Human)でないクリーチャー1体を対象とし、これをそれの上か下に置く。これらは、一番上のクリーチャーにその下にある能力すべてを加えたものに変容する。)
瞬速
このクリーチャーが変容するたび、対戦相手がコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。あなたはそれをオーナーの手札に戻してもよい。

4/3

変容誘発でバウンスができる有能なクリーチャーです。変容も単体もシングルシンボルなので青が薄くても無理なくプレイできます。

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《嘶くナールU》

無限にトークンが埋める強力な変容クリーチャー。変容のタネとしても活躍できるため、早期に出してしまっても強いです。トークンも変容のタネとして使えるため、変容デッキが苦手な除去連打にも対応できるようになります。

《輝き石のイトグモU》

(2)(緑)
クリーチャー — 蜘蛛(Spider)
変容(3)(緑)(あなたがこの呪文をこれの変容コストで唱えるなら、あなたがオーナーであり人間(Human)でないクリーチャー1体を対象とし、これをそれの上か下に置く。これらは、一番上のクリーチャーにその下にある能力すべてを加えたものに変容する。)
到達
このクリーチャーが変容するたび、これの上に+1/+1カウンターを2個置く。

2/3

変容誘発でサイズが上がるバケモノ。変容二回目で飛行をつければ、止まらないフィニッシャーになります。



《肉食島U》

(5)(青)(青)
クリーチャー — リバイアサン(Leviathan)
変容(5)(青)(あなたがこの呪文をこれの変容コストで唱えるなら、あなたがオーナーであり人間(Human)でないクリーチャー1体を対象とし、これをそれの上か下に置く。これらは、一番上のクリーチャーにその下にある能力すべてを加えたものに変容する。)
このクリーチャーが変容するたび、クリーチャー最大X体を対象とし、それらをタップする。Xは、このクリーチャーが変容した総回数に等しい。それらのクリーチャーは、それらのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。

7/7

このサイクルだけ変容した回数に応じて対象が増えるため、より強力です。。飛行クリーチャーを7/7にできるとほぼほぼ勝ち。


変容もちクリーチャーとして上記のものが主力となって戦います。単体でも強力なものが多いため、できるだけ多くピックしたいです。逆にタネは多くても少なくても困るため、5~9枚を目安にピックしています。

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主にこの四枚をタネとしてピックします。どのカードも強力ですが、上二枚の勢いはすごいものがあります。

あとは3~6枚除去を入れて完成です。やはり変容もちのボムレアが取れたらデッキのレベルが途端に上がります。


赤白サイクリング

赤白サイクリングでは強力なアンコモン3種が存在し、それを何枚取れるかどうかでデッキのパワーが大きく左右されます。このデッキタイプを組む方向を決めたら、真っ先に集めるようにします。

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《雄々しい救出者U》

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《爬虫類の反射U》

この二枚は攻めにも受けにも使えるほか、サイクリング誘発なのでインスタントタイミングでも誘発します。

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《天頂の閃光U》プレイヤーに飛ばせる火力は貴重なのでできればゲームの終わる直前に使いたいところです。

コモンにも重要なパーツがあります。代表的なものは

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《罠の戦術家C》

相手のブロックやアタックを許しません。二枚以上並ぶと手の打ちようがありません。

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《トゲマーモセットC》

このデッキのメインアタッカーです。できる限りこのクリーチャーを守ることに専念します。それだけ戦闘では無類の強さを発揮します。相手も誘発能力が怖くてチャンプブロック以外がしにくくなります。ブラフをかけてサイクリングが手札にない時でもブロックされずに攻撃が通ることが多いです。

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《ドラニスの刺突者C》

序盤に出せればじわじわと相手のライフを削っていきます。終盤でもサイクリングがついているので腐ることはないです。

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一枚で条件付きではありますが6点クロックという驚異のダメージ効率で、ブロックされても死ぬのは稀です。上流に赤白サイクリングを組んでいる人がいなければ四枚以上流れてくることもあります。


《威圧するヴァンタサウルスC》

(5)(白)
クリーチャー — 恐竜(Dinosaur)
警戒
サイクリング(1)((1),このカードを捨てる:カードを1枚引く。)

3/6

序盤も軽いサイクリングで腐ることがなく、終盤は警戒3/6という信頼できるサイズで地上を固めます。

《溶岩の海蛇C》

(5)(赤)
クリーチャー — エレメンタル(Elemental) 海蛇(Serpent)
速攻
サイクリング(2)((2),このカードを捨てる:カードを1枚引く。)

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《威圧するヴァンタサウルスC》同様、序盤はサイクリング、中盤以降は重量級クリーチャーとして使えます。


クリーチャーは上記のものをメインとして、ほかは4~7枚の除去とその他サイクリングもちのカードを詰め込みまくります。

画像54

《踏み穴のクレーターU》をはじめとする1マナサイクリングもちのカードはサイクリング誘発の効率がいいため、重宝します。また、このデッキではサイクリングの多用により土地を減らすことが肯定されます。具体的には15~16枚で組むことが多いです。その分サイクリングもちや軸となるサイクリング誘発のカードを詰め込みまくります。

《血の希求C》

(1)(赤)
ソーサリー
あなたがコントロールしているクリーチャー1体とあなたがコントロールしていないクリーチャー1体を対象とする。その前者はその後者と格闘を行う。(それぞれはもう一方に自身のパワーに等しい点数のダメージを与える。)
サイクリング(1)((1),このカードを捨てる:カードを1枚引く。)

《ひっかく鉤爪C》

(1)(赤)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは二段攻撃を得る。
サイクリング(2)((2),このカードを捨てる:カードを1枚引く。)


デッキ構築

ピックが終わった後は、デッキ構築です。アリーナではデフォルトで17枚の土地がバランスを考えて自動で入っています。

まず何も土地をいじらずに、不要な色のカードを抜きます。そうすると自動で土地も調整されます。基本的にはノータッチでも大丈夫ですが、ダブルシンボルが心配な場合や変容コストが心配な場合には対応する色を入れて不要なものを1~2枚程度抜きます。

一般的には軽めの呪文が多い色の色を足し、重いものは少なめにするのがセオリーですが、ダブルシンボルのものなどを考えてマナベースを調整することもあります。

わからない場合はアリーナの自動調整でも大丈夫です。割とよくできているので困ることは少ないと思います。

前述のとおり、赤白サイクリングでは土地を減らすことも多々あります。逆に重いカードが多い緑赤青変容では土地を多めに入れても大丈夫です。18枚でも、頑張れば19枚でも回ると思います。マナが出るクリーチャーや、土地加速が入ってる場合には無理をして土地を増やさなくても大丈夫です。

土地の調整と同時に、デッキの枚数の調整をします。どれだけ抜きたいカードがなくても、基本的には40枚が一番強いデッキになります。リミテッドでは強いボムレアが勝負を左右することが多く、デッキが多いと枚数が薄まってしまうからです。

どうしても抜くカードを決めきれないときのみ、41枚や42枚のデッキにすることにしています。43枚より多いデッキはおすすめしません。(ただし《空を放浪するもの、ヨーリオン》が相棒として使える場合を除きます)

抜く基準は難しいので、逆に入れるカードをかんがえてみるのもいいかもしません。僕はよく土地以外の全部のカードを一回デッキから抜いて、デッキに必要なカードを入れるようにしています。

デッキの軸となるカード、必要な枚数の除去、大体の場合この時点で15枚近く枠を使っていますから、あとはデッキの回転をよくするドローソース、コンバットトリック、単体で強いクリーチャーやマナカーブで足りてない部分など、何枚か入れると完成です。

どのデッキもマナカーブの頂点は3マナ、4マナになると思います。この環境では変容によって重いカードが多いため、環境は遅いほうだと思います。1~2マナのクリーチャーをある程度削っても肯定されるような状況になることが多いです。逆に多すぎるとブロッカーが立って止まってしまうため、よく考えてできるだけ減らすようにしています。

ただし、早期に決着をつけたい白黒人間は例外です。


おわりに

初心者なりにカードプールを分析しまとめてみたつもりですがいかがだったでしょうか。皆さんが今後も楽しく無限ドラフト周回できるように祈りつつ、終わりにしたいと思います。誤字脱字、意見や批判など、ツイッターでお待ちしています!最後まで読んでいただきありがとうございます!

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