見出し画像

初心者のための機動戦士ガンダム兵器解説『CB-X5 ガンペリー』

●開発経緯

 地球連邦軍がジオン公国軍のMSに対抗する形で発動したV作戦の一環として、RXシリーズの開発と併せて、大気圏内でのMSの輸送、運搬を目的に開発されました。

 基本的な構造は既存の輸送機であるミデアと大きな違いはありませんが、最初からMSを搭載することを想定していたり、ペガサス級強襲揚陸艦の格納庫に収納することができるよう設計されています。

●兵員輸送機としても運用されるVTOL機

 本機は3基のローターにより、垂直離着陸や空中でのホバリングが可能なVTOL機となっています。左右のローターは基部から可動するため、ペガサス級に格納する際、折り畳むことで省スペースとなります。

格納時には左右ローターを折り畳みます。

 推進には機体後部に設置された4基のジェットエンジンを使用します。最高速度はマッハ0.75で、旅客機レベルの速度で飛行することができます。

 コックピットには2名が搭乗し、操縦を行いますが、その後部には兵員室が設けられており、最大15名が搭乗できる兵員輸送機としても運用することができます。

●汎用性の高いコンテナブロック

 機体下部に設置されたコンテナは様々な運用が可能な構造になっています。通常はサイドパネルを展開して、物資の搬入出を行いますが、コンテナ中央部から左右に90度展開することも可能です。このギミックから公国軍兵士からは“ナカワレ”と呼ばれていました。

 コンテナ内部には様々なマウントラッチを取り付けることが可能です。通常の補給物資を積載することができるほか、MS用の固定具を使用することで、MSを1機搭載して、空挺作戦を行ったり、ミサイル用の固定具を使用すれば、爆撃機や対潜攻撃機としても運用することができます。

RX-78-2の搭載が想定されています。

●RX-78の空中換装

 本機にはRX-78の空中換装用ユニットも用意されていました。偵察や哨戒任務を行っているFFX-7 コア・ファイターにRX-78のAパーツおよびBパーツを射出し、レーザーセンサーによる誘導を用いて、空中でドッキングさせるというもので、迅速な作戦遂行に役立ちました。

 ただ、量産型MSにコア・ブロック・システムは採用されなかったため、ホワイトベース隊以外で使用された記録は残っていないと思われます。

“CB-X5 ガンペリー”

●スペック

全高:12.8m
全長:34.0m
全幅:26.5m
全備重量:185t
ペイロード:110t
最高速度:マッハ0.75
主な搭乗者:ハヤト・コバヤシ、ジョブ・ジョン、カイ・シデン、ミハル・ラトキエほか連邦軍兵士

●基本武装

○大型ミサイル(対潜ミサイル)
 本体は非武装ですが、コンテナの左右サイドパネル内に計6基の大型ミサイルを設置することができます。本編では対潜ミサイルを搭載して出撃したことがあります。非常に大型であるため、対MS用ではなく、対艦および対潜水艦、対要塞用としての運用が想定されていると思われます。

大型ミサイル

●戦後も息長く運用される

 輸送機としての性能はミデアに劣りましたが、ホワイトベース隊での実働データや汎用性の高さから本機の評価は良好で、量産が決定し、各戦線に配備されたほか、大戦末期には発展機の開発も行われ、空挺作戦に特化した強襲型ガンペリーの実戦投入も行われています。

 本機は戦後も運用され続け、U.C.0110年代にもその存在が確認されています。役割が重複しそうなミデアやSFSとは異なる運用方法が確立され、長らく活躍しているのが趣深いところであります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?