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第13回初心者のための機動戦士ガンダム解説『ガンダム大地に立つ』

 U.C.0079年8月、地球連邦軍はRX-78-2の最終調整を行うと、ニュータイプ専用の高性能機の開発やMSパイロットの育成など、反攻作戦に向けた準備を着々と進めていきました。

 詳しくは前回の記事をご覧ください。

 今回から本編の内容に入っていくので、ネタバレが嫌だという方はご注意ください。

●ホワイトベース出航

 U.C.0079年9月上旬、ペガサス級強襲揚陸艦の1番艦ペガサスと2番艦ホワイトベースが竣工しています。これは連邦軍にとって初のMS運用艦で、試験的な部分がまだまだ多く、改修を行いやすいようにブロック構造になっています。その結果、完全な同型艦は存在しません。

 同月15日、ホワイトベースはサイド7へ向けて、ジャブローを出航しました。これは処女航海を兼ねて、最終調整中の試作MSを受領し、そのまま実戦テストに移るためでした。

●連邦軍の不運

 連邦軍は事前にルナツー、サイド7周辺宙域でゲリラ活動を行い、ミノフスキー粒子の濃度を高めていました。直前にミノフスキー粒子を散布してしまうと、逆に警戒されてしまうためです。

 しかし、この作戦行動は裏目に出てしまいます。ゲリラ掃討を終え、帰投中のシャア・アズナブル少佐率いるムサイ級軽巡洋艦ファルメルに運悪く捕捉されてしまったのです。シャア少佐はこの新型艦がV作戦に関わるものだと看破して、追跡を開始しました。

 ホワイトベースの艦長パオロ・カシアス中佐はこれに気が付きましたが、高濃度のミノフスキー粒子により、遠く離れたルナツーや友軍と連絡を取ることができず、下手に航路を変更すると、他の公国軍艦艇と鉢合わせてしまう可能性があるため、やむを得ずそのままサイド7へ向かうことにしました。

●偵察部隊の潜入

 同月18日、ホワイトベースの行き先がルナツーではなく、建造途中で放置されていたはずのサイド7の1バンチコロニーであることに気付いたシャア少佐は3機のMS-06Fを偵察部隊として送り込みます。

 ホワイトベースよりも先にサイド7へ到着した偵察部隊の内の2機が内部へ潜入し、1機は脱出ルートを確保するため、ゲートに残りました。

 潜入した二人が目にしたのは、ホワイトベースへの搬入準備が行われている大量の連邦軍製MSのパーツでした。

●ジーンの暴走

 しばらくすると、ホワイトベースが入港して、民間人のシェルターへの退避が進んでいきます。しかし、ここで事態は急変します。なんと功を焦ったジーン伍長がデニム曹長の制止を振り切り、MSのパーツを次々と破壊していったのです。

 ゲートに残っていたスレンダー軍曹からジーン伍長の暴走を聞かされたシャア少佐はファルメルをサイド7に接近させて、艦砲射撃を行います。連邦軍はコロニーの内外から攻撃を受けることになったのです。

 パオロ中佐はホワイトベースのクルーたちにMSの搬入を急がせ、自らもコロニー防衛隊と共にMSと戦いました。しかし、連邦軍の反撃は事態を悪化させてしまいます。連邦軍の放ったミサイルが研究施設や避難中の民間人の列に直撃するなど、被害が拡大してしまっしたのです。

 その結果、MSのパーツや研究施設だけでなく、連邦軍の正規兵や技術者のほのんどが戦死し、パオロ中佐も重傷を負い、民間人にも大量の死傷者を出してしまいました。

●ガンダム大地に立つ

 そんな中、連邦軍の試作型MSであるRX-78-2が立ち上がります。RX-78-2の性能は凄まじく、装甲はザク・マシンガンの砲弾を弾き、その圧倒的なパワーで頭部の動力パイプを引きちぎりました。そして、ものの数分の間にビーム・サーベルで2機のMS-06Fを撃破してしまいます。

 このRX-78-2に乗っていたのは、民間人の少年、アムロ・レイでした。何故、彼にMSを動かすことができたかには理由があります。

 アムロはRX-78-2の開発責任者であるテム・レイ博士の息子で、機械いじりを趣味としており、電子機器に詳しい少年でした。そんな彼は避難中に偶然、RX-78-2のマニュアルを手に入れます。RX-78-2には教育型コンピュータが搭載されており、試験段階で基本的な動作は既に学習済みで、コックピットから簡単な操作を行うだけで、動かせてしまうことが分かります。そして、彼の強い正義感や行動力がガンダムに引き寄せられることになったのです。

●ホワイトベース、サイド7を出港

 ファルメル隊の強襲を受け、ホワイトベースは正規兵や技術者を失い、生き残っていたは士官候補生や訓練生のみでした。重症を負ったパオロ中佐は士官候補生のブライト・ノアを艦長代理に指名して、サイド7からの出港を急がせました。その際、一部の民間人にも協力を要請しています。

 破壊を免れたMSとパーツ、その他の物資を詰め込めるだけ詰め込み、残った機密性の高いパーツはすべて焼却して、ホワイトベースはサイド7を出港しました。

●赤い彗星との初対決

 ジーン伍長とデニム曹長のMS-06Fが撃破されると、スレンダー軍曹はサイド7を脱出してファルメルに帰還します。シャア少佐はソロモンのドズル・ザビ中将に事態を報告し、補給を要請しました。

 補給部隊の到着までにシャア少佐は自らサイド7に潜入し、偵察を行いますが、銃撃により、カメラを破壊されてしまいます。彼はサイド7を脱出すると、ファルメルから自らの乗機を射出してもらい、それに乗り込み、僚機と共に出港したホワイトベースを強襲します。

 パオロ中佐は相手が赤い彗星であることを確信し、ただ逃げるように指示しますが、アムロは再びRX-78-2に乗り込み、果敢にも戦いを挑みました。

 シャアのパイロットとしての技量はアムロを圧倒していましたが、何度攻撃を浴びせても装甲を貫くことができません。さらにスレンダー軍曹のMS-06Fがビーム・ライフルで一撃のうちに撃墜されてしまいます。

 シャア少佐は連邦軍のMSの性能の高さに驚愕したのと同時に手持ちの兵装や弾薬で戦闘を継続することは厳しいと判断し、一時撤退を決意しました。

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