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第12回初心者のための機動戦士ガンダム解説『NT-1の開発とG-4部隊の結成』

 U.C.0079年7月、地球連邦軍は遂にRX-78をロールアウト、地上軍はその余剰パーツを使用して、RX-79[G]の開発を行いました。さらにMSだけでなく、その兵装の開発も進み、特にエネルギーCAP技術の確立によって完成したビーム・ライフルやビーム・サーベルは非常に画期的なものでした。

 一方、ジオン公国軍もMS-06Fに代わる新たな主力量産機MS-09Rを開発し、戦力の拡充を図っていました。

 詳しくは前回の記事をご覧ください。

●RX-78-2の最終テスト開始

 U.C.0079年8月、稼働試験を終えたRX-78の1号機と2号機はサイド7へ移送され、3号機と同様の仕様“RX-78-2”へ改修された後、最終テストが開始されます。

 サイド7はジオン本国であるサイド3から最も遠く、ルナツーの裏側に位置します。極秘裏にテストを行うのには打って付けの場所だったわけです。

●RGM-79[G]の試作機が完成

 同月、連邦地上軍は“RGM-79[G] 陸戦型ジム”の試作機を完成させています。

 既にRX-79計画において、RX-79[G]を開発していましたが、RX-78の余剰パーツだけでは約20機しか生産することができず、圧倒的に数が不足していたため、その生産ラインを利用して、新たなMSを開発、量産することになりました。

 RGM-79[G]はパーツの80%をRX-79[G]と共有し、残りは主力量産機として開発が進められていたRGM-79のパーツなどが使用されています。RGM-79の実戦配備が進むまでの間、約50機が生産されることになります。

●NT-1の開発

 さらに同月、連邦軍は北米にあるオーガスタ基地で、ニュータイプ専用機として、“RX-78NT-1 ガンダムNT-1”の開発をスタートしました。

 当時の連邦軍はニュータイプの存在に懐疑的であったため、公国軍のようなニュータイプ研究は進められておらず、単純な高性能機として、開発が進められていました。これが後にニュータイプと思しき、あるパイロット用に調整されることになります。

●G-4部隊の結成

 連邦軍はRX-78NT-1の開発に伴い、各地から有能なエリートパイロットを招集し、“G-4部隊”を結成します。彼らはガンダムタイプのテストパイロットに任命され、訓練を受けることになります。同部隊の中で特に有名なのが“スカーレット隊”です。

 ただ、訓練期間が短く、MSに搭乗しての実戦経験は皆無だったこともあり、彼らのほとんどは戦前より訓練を行い、実戦経験豊富な公国軍のエース、ベテランパイロットほどの技量は持ち合わせていないというのが現実でした。

●ミッドウェイ海戦

 U.C.0079年8月には連邦軍太平洋艦隊の残存戦力を集結し、ハワイ本島の奪還を決行しています。しかし、公国軍の水陸両用MS部隊に返り討ちにされ、壊滅的な被害を出すことになってしまいます。この戦いは“ミッドウェイ海戦”と呼ばれます。

 翌月には公国軍によって、大西洋における残存艦隊の掃討作戦が行われ、海からのジャブロー侵攻が現実的なものとなっていくことになります。

●水陸両用MSの充実

 U.C.0079年8月は、公国軍の水陸両用MSが多数生産された月でもあります。

 まず、初旬には“MSM-04 アッガイ”の量産が開始されています。ジオニック社によって開発されたこともあり、MS-06Jのパーツが多数流用されていて、生産性が高く、コストも低いのが特長です。

 また、コックピットがMS-06と同規格であるため、MS-06からの機種転換をスムーズに行うことができ、複座式にもなっており、訓練用としても運用されました。

 MSM-04の量産から少し遅れて、MIP社の開発した“MSM-07 ズゴック”の量産も開始されています。当初はMSM-04の型式番号が与えられていましたが、開発が遅延し、先にアッガイが完成したため、この型式番号に変更されました。

 MSM-07の大きな特長は、水陸両用MSでありながら、MS-06Jと同等以上の運動性と機動性を実現できた点にあります。まさに公国軍の水陸両用MSの決定版と言える性能でした。

 さらに下旬には、キャリフォルニア・ベースにて、水陸両用MSの上陸を支援するために開発された“MSM-10 ゾック”の試作機が完成しています。

 合計8門のメガ粒子砲を装備する高火力と重装甲を誇る水陸両用機でしたが、運動性や機動性に難があり、量産は見送られました。

 また、この頃にはMSM-03も後期型に移行しており、公国軍の水陸両用MSは充実期を迎えることになります。

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