スナップシューターのたのしみ方 2nd
モノにときめく
買いました。買ってしまいました。GR Ⅲxを。
なぜかって、そりゃわくわくするからです。カメラ、というかガジェットを買う理由なんて突き詰めたらわくわくするかしないかだと思うわけです。ときめきって結構大事な要素なのではないだろうか。
ということで迷わず購入を決めたGR Ⅲxですが、数日間触ってみた感想をば。
28mmと40mm
元々GR3(以後数字表記とする)やLeica Qに触り慣れていたので、28mmの視点が身近な存在であった。それに28mmという画角に愛着もあったので、40mmというグッと近くなった距離に正直不安も感じていた。
28mmの何が好きだったかというと、その画角だからこその広さや余白、遊びの部分だったのだ。その広さゆえの”決まらなさ”も愛おしかった。
一般的に普及している35mm(あるいは50mm)はある程度画角が狭まるからこそ、一枚の写真に入る情報量が限られてくる。すなわち余計なものが混じる可能性が減り、写したいものが見えやすくなるということだ。そうすると表現は悪いのかもしれないが、誰が撮っても同じように切り取ることができるし、誰が使ってもうまいように見えてくる。”いいように見える写真”を撮る楽しさはグッと上がるが、正直気持ち的にあまり燃えないのも事実。斜に構えているというか逆張りなだけかもしれないが。
なので40mmを使ってしまったらなんでもよく見えてしまいそうで怖かったのだ。しかし実際外へ持ち出して使ってみると、GRの本質は何も変わっていないということがよくわかった。
今まで28mmに慣れてしまっていたので、その感覚でカメラを構えると案の定距離感はおかしくなる。被写体との距離が掴めなかったり、なんだかピントが合わなかったりとか。GR3を手にしてからの一年半で、28mmの距離感が感覚として染み付いてしまったようだった。
でも、それって自分が体の一部としてGRを使っていたことの裏打ちなのではないだろうか。
我々が大切にしているのは、人が心を揺さぶられた瞬間に体の一部かのように写真という形でフィードバックできる道具のようなものを提供することです。そして、その写真がいろいろな人の心を動かし生き続けていくことに関わっていくことです。そのために、GRは変わらないポリシーとコンセプトを持ち開発し続けています。それは今までもこれからも変わりません。
https://www.grblog.jp/article/14306/
GR公式サイトのブログに載っていた一文。これを読んで少し涙が出そうになった。こういうプロダクトが生み出されていることがたまらなく尊い。そしてわたしはまさに体の一部、延長線上としてGRというカメラを使っていたのだなと実感したのである。
体の一部という意味では、それはきっと28mmも40mmも同じようにわたしの延長線上として機能してくれるに違いないのだ。
初っ端から焦点距離、画角について熱く語ってしまったが、手に持った感覚や操作性はGR3と全く変わっていない。手に収めた感覚も前モデルと一緒である。そういう意味では安心感があると言えるだろう。
余談 fnキーに何の機能を設定するか?
これに関しては同じ割り当てをしている人が多いと思うのだが、わたしは迷わずクロップモードを設定する。片手で持ちながらfnキーを押すだけでクロップをできる。イコール写したいもの(そしてその対象が動いているものであればなおさら)との距離がある程度遠いときでも、即座に捉えることができるのだ。ああ、なんて便利なんでしょう。
画角の比較
28mm
40mm
50mm
71mm
作例
ポジフィルム調
ハードモノトーン
(個人的にかなり気に入っている曇天時の写真)
ブリーチバイパス×マクロ
比較/作例は全てJPEG撮って出し。イメコンの使用以外では色調補正無し。
結論
GR3xも最高のスナップシューターでした。
これって肉体的な視覚とは別の、言わば第二の視覚なのかもしれない。生活を切り取ることのできる新しい体の一部を手に入れると、世界がすこし広くなるかもしれない。きっとあなたもその軽やかさの虜になる、はず。
どうぞ、どなたもたのしいスナップシューターライフを!
前回(GR3)の記事
https://note.com/tempesthy/n/n498192da370f
RICOHの企業努力の尊さに泣きたくなる記事(外部サイト)
https://lensreview.xyz/comparison-ricoh-gr3x-26mm-f2-8-sigma-45mm-f2-8/
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