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絵文字ショートコードの起源をたどる

絵文字ショートコードとはキーボードでスピーディに絵文字を入力するためのもので、Slackなど様々なウェブサービス上で利用することができます。例えばキーボードで :smile: と入力すれば 😁 という絵文字に置き換わります。次の Emoji cheat sheet というサイトでは、絵文字ショートコードの一覧を確認することができます(私はよくここを参照して絵文字を入力します👍)。

最近とある理由でこの絵文字ショートコードの起源が知りたくで調べているのですが、なかなかその情報に辿り着くことができません。出てくる情報といえば、SoftbankからAppleへの要請でiPhoneに絵文字が追加された話や、Googleが日本のガラケーでGmailを利用してもらうために絵文字対応をした話、そしてAppleとGoogleが結託してUnicodeへの絵文字追加を進めた話ばかりなのです。

この絵文字ショートコードを自分が初めて使ったのはどこかと考えると、やはりGitHubのような気がします。先ほどのEmoji cheat sheatでも、利用できるサイトの先頭にはGitHubが記述されています。絵文字のありとあらゆる情報がまとまっている Emojipedia に絵文字ショートコードに関するページがありました。この中ではメジャーなのはGitHubとSlackであるとし、この2つのサービスでの絵文字ショートコードを代表して記載しています。

ということでGitHubを中心にさらに調べてみたところ、GitHubのブログにてその起源のような記事を見つけることができました。

一つ目のこの記事はGitHubの共同創業者であるChris Wanstrath氏によるもので、絵文字とは何かということと、iPhoneで絵文字を利用するためのハックについて言及されています。僕も知らなかったのですが、この記事が書かれた2009年の時点(iPhone OS 2の頃です)では日本向けのiPhoneにしか絵文字機能が解放されていなかったようなのです。絵文字はSoftbankの要請による日本向けローカライズでしかなかったということでしょうか。そしてこの記事からはChris Wanstrath氏の絵文字への興味をなんとなく感じることができますね。

二つ目は2011年の Emoji! というタイトルの記事です。記事には絵文字ショートコードが大量にならんでいます。この絵文字ショートコードをすべて絵文字に置き換えるとこうなりました。

We have a 🆕 and very 😎 🎁 for all of you. 🆗 so we were drinking 🍺 from our new Kegerator (✨❤️✨). Holman was excited to use his new big padder 🎿 and might have been a little 📣 about it, and admittedly Tomayko was outside 🚬 – but I still don’t think we were being too loud. But I guess the 👮 disagreed, showed up to ⚠️ and eventually threw down the 🔨. We all had to 🏃 to the 🚌, 🚲, 🚕, 🚋 to get home for some 💤 (naturally, Scott used the company ✈️). Unfortunately we forgot to 🔑 the door, and a 🐻 broke into the office, lured by the smell of 🐟 and 🍰. That wouldn’t have been too bad, except he stepped on a power cord, which kind of acted like a 💣 – it sent a ⚡ to all our 💻 and started a 🔥. Long story short, the bear is now ♿ and we’re going to have to fill out much 📝 and spend a lot of 💰 to fix this.

Where was I going with this? Can’t say I remember.

「みなさんのために新しい🆕とっても素敵 😎 なプレゼント🎁を用意しました。🆗、ということで私たちは新しいケゲレーター(ビール用の冷蔵庫)から出したビール🍺を飲んでいました(✨❤️✨)。」というお祝いムードの文章から始まります。そしてとりとめのない内容が続いて、最後に「何をしようとしてたんだっけ?思い出せないなぁ。」で終わります。これはきっと絵文字機能のGitHub流リリース案内なんですね!なんとオシャレ✨

最後にまとめると、GitHubはiPhoneの絵文字からテキストコミュニケーションの改善のヒントを得て、キーボードからショートコードという形での入力というアイデアを加えてGitHubの絵文字機能としてリリースした、というのが絵文字ショートコードの起源なのかなぁと考えているのですが、いかがでしょうか。他に情報があればコメントいただけると幸いです。


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